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出産

出産予定日より10日早く、出会いの時は訪れた。

満月の引力に導かれ、私たちの元へやってきた小さくて可愛い女の子。

SNSでよくみかける出産レポのようなものを、私も忘れまいとノートに書き留めた。

夫には妊娠中の裸体の写真も撮ってもらった。

妊娠中の身体の不調は思い出すとつらかったなぁと思うのに、24時間かかった難産の思い出は、痛みなどは鮮明に記憶していてもネガティブな感情が湧かない思い出になっている。

神秘だ。

何度思い返しても繰り返し思うことは、妊娠、出産、母になるという一連の流れは本当に神秘的だったということ。

今でも、隣に眠っているこの子が私のお腹に入っていたなんて信じがたいと思ったり。

主人不在となったお腹に話しかけたり、不在であることを寂しく思ったり。

共に過ごした時間はまだ28日なのに、この子のいない人生なんてありえないと思ったり。

ただ幸せで涙が出たり。

小さいまつ毛がたくさん並んでいるのをいつまでも眺めていたり。

そんな毎日を過ごしている。

宇多田ヒカル/あなた だったり
aiko/瞳 だったりの歌詞をよく思い出す。

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