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随想流転 「自作の作品集=高度経済成長+土曜は半ドン+大衆演劇」

随想流転「自作の作品集=高度経済成長+土曜は半ドン+大衆演劇」

 さて、エセー集『あゝ ! なんてエモーショナルないかさま師』。24時間のダウンロード数がご覧頂けるように11件も頂いた。出来過ぎの数字だろう。あのクオリティーである。ダウンロードせずに読むことも出来るからして、多分ダウンロード数は少ないものと感じていたところ、ふたを開けてみりゃ、24時間、過去イチのダウンロード数。
 この数字を前にして、益々「丁寧に喜んでいただけるものを創らなくては……」イカサマではなく心からそう思う今日この頃なのであります。

 タダだから、無料だから~とは関係なく、どうせなら自分で作る作品も美しくありたいわけで、そう考えると現在利用するシステムには幾分の心許なさもあるのですが、かといったものの、そのシステムを100%利用できているかといえばそうではなく。まだまだ勉強しなければならないことの方が多いわけです。

 作品集を自分で出すようになってから申し上げていることですが、アマゾンのキンドルなどという選択肢もあることは知っている。無料で読んで頂くようにすることも出来ることは知っている。多分、パブーでリリースしているよりも大勢の皆さんの目に触れることが出来るのかもしれないとも思うのだが…… わたしにとっては"何かが違う"のである。ここは"美学"に通じてくるのだが、それを書き出すとマタゾロ長物となるから猫跨ぎとするが、"何かが違う"という感覚が分かる人が居ることを願いたい。
 棲み分けという言葉が一番近いのだろうが、これも多分、時代錯誤の成れの果てと知る必要があるのだろう。

 もしも許されるなら、「おかしなやつがチョット面妖なるものを書き、自らを"異端"の藝術家と標榜している。無料だから暇つぶしにチョット読んで味噌汁w」と宣伝して頂ければ感謝感激(笑)

 さて、ダウンロードしてくれた皆さんには一人一人お礼を申し上げたいというのが本音でもありますが、中々そうもいかず、こういう機会をしてお礼を申し上げることしかできないわけです。また、既に修正の手を入れはじめておりますが、読者におかれては二度手間になるやもしれず、申し訳なさも募るのです。重ね重ねのお詫びと御礼心よりお伝え申し上げます。お心遣いに心より感謝申し上げます。

なお、過去作品三作のダウンロード数が203件に達しましたことご報告申し上げます。また、重ねて御礼申し上げます。有り難うございます。

画像の下段より、「夢殿」について感じていることを紹介申し上げるので、お時間あれば最後までのお付き合い。宜しくお願い申し上げます。

 さて、夢殿の4.3形態が上がった。

 これまで、夢殿は処女作から第四形態「秋涙」までを仕上げているが、今回、4000字弱の増稿を果たし、4.3形態としてエセー集と「小説 夢殿 三部作」に合併収録させて頂いている。

 書かせて頂けば、お千代とお里の関りをもう少し濃密且つ立体的にすることはできた。同時にそこにテーマを埋め込むことも出来た。が、それをやると「大衆小説」であり「大衆演劇の原作本」的立ち位置から乖離するように感じられたというのが正直なところである。

  多分、本読みの皆さんであればお分かりになられると思うし、昭和の高度経済成長路線に胸躍らせた時分。土曜は半ドンでありテレビ文化がラジオに代わって国民の娯楽となった。丁度この頃だ。大衆演劇といわれる__________例えば「藤山寛美一座」などを観てきたご仁には膝を打っていただけると思うのだが、夢殿「秋涙」はその路線を踏襲した原作本大衆小説的位置づけなのだ。

 第三形態では、フェノロサと不染鉄、そして修行する仏さまと救世観音菩薩。修行僧と官長など、史実に忠実な面とエンターテイメントを顕した、歴史時代小説的切り口からのエンタメ作品としている。

そう考えながら読み返してみると。第二形態が最も「純文学」寄りなのかもしれない。素直であり、シンプルであり、真っすぐだ。

書き重ねるたびに、狙いが覗えるある種のアザトさが顔を覗かせる。商業作家はそれで良い。売れてナンボ。読まれてナンボだ。ただわたしのようなブワブワな立場の者が書く作品にあっては「お試し」としてほどほどにしておく必要がありそうだ。アザトさは痘痕と同じ。エクボに見えているうちが華であり、その内鼻につき始める。

 ただ、わたしは夢殿に取り組む際に次のように書き記したと記憶している。ひとつのテーマであり触媒を通じ様々な書き方が出来るようにならなければならないと。

そう云う意味においては「空気と気配の醸成」はそれぞれに表現できたと思えなくも無いのだが~云うたところでこれもセン〇リレベルの話しである。(まったく品がないw)

このところ数カ月間手が停まっている我が新作に『燁冥(ようめい)』がある。これは速水御舟の「炎舞」を触媒に紡ぎあげた作品だが。ともあれ、これを早急に書き上げることだろう。間違いなく私にとっての"向こう側"が見えてくるはずである。

~了~

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