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自分を嫌いになってまで、何かを守る必要なんてないから

私たちは、過ごしている「環境」に、良くも悪くも影響を受ける。

皆が笑顔で溢れている空間なら、自然と自分の心も軽くなる。何となく楽しくて、暖かくほっこりとした気持ちでいられる。

でも反対に、どこか冷たい雰囲気が流れていたり、誰かが悪口や陰口を言い続けていたりする空間だと、やっぱり自分の心もいつの間にか荒んでいく。心が柔らかで、他人の意見を聞き入れやすい素直な人ほど、知らず知らずのうちに、その棘を全身で受け止めてしまう。

「浴びる言葉」って、とても大切だ。


優しい言葉に触れると、無意識に「自分もお返しをしよう」と思う。その愛を受け取った相手は、また他の誰かにお返ししようとする。そうして暖かな気持ちは、人と人との繋がりの中で、数珠つなぎのようにどんどん広がっていく。

だけど、否定的な言葉を日々浴びせられた時(これは自分が直接の対象じゃなくとも、誰かが言われているのを耳にするのも含まれる)、これ以上自分が傷ついてしまわないように、私たちは心に「バリア」を張る。

柔らかな心のままでいたら、自分が駄目になってしまうから、「防衛反応」として感覚をわざと鈍くさせる。痛みや悲しみを感じないようにする。

そして、きっと優しい人ほど、その純粋な心が壊れないように、無意識に厚く厚く「バリア」をおろす。

でも「痛みが感じなくなる」ということは、同時に「小さな幸せも感じにくくなる」ということだ。

せっかく、些細な出来事も幸せと思えるような、素敵な感性をあなたは持っているのに。無慈悲な誰かの言葉のせいで、そんな感性も心の奥へ追いやられてしまう。

誰かに愛を与えるためには、少なからず自分の心が満たされていることが必要だ。たとえ自分がボロボロであっても、愛を与え続けられる仏様のような人も、もちろん中にはいる。だけど私たちは、そうなろうとしても中々難しい。

だから、自分の心を必死に守るために、つい他人より自分のことを優先してしまったり、周りにぶしつけな態度を取ってしまうことも、あるかもしれない。

そして、優しい心のあなたは、そんな自分に嫌気がさすだろう。悔やんで、自分が嫌いになって、投げやりな気持ちになってしまうかもしれない。

でも、どうか自分を責めないであげて欲しい。

どんなに「環境」が辛くとも、例えば職場や家族関係などは、すぐ簡単には逃げられない。「バリア」を張りながらでも、そんな自分に嫌気がさしながらでも、その環境の中で過ごしていかないといけない人も、沢山いると思う。

でも一つだけ言えるのは、「逃げる決断を出来ない自分」と「心が荒んでいく自分」に挟まれてもがくあなたは、きっととても優しい人だから。

優しくて真面目だから、どっちもないがしろに出来ないんだよね。

「仕事上の立場」や「血のつながり」を守るために、一番身近な「自分」のことを嫌いになる必要なんて、ない。

本当に冷たい人は「心が荒んでいく」ことに悩んだりしないんだから。

そんな優しい自分に、もっと自信を持っていいんだよ。

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