ISSEIDO代表東豪

鍼灸専門 一齊堂(ISSIDO)代表。『東洋医学の鍼灸が、より良く社会と繋がれるように…

ISSEIDO代表東豪

鍼灸専門 一齊堂(ISSIDO)代表。『東洋医学の鍼灸が、より良く社会と繋がれるように』、「地域医療認定鍼灸師制度」の活動や他職種との「対談の記録と記憶」。鍼灸を深める「師匠の研究」「『医学綱目』の研究」「鍼の物語」。臨床・教育・研究・開発・連携を行ったり来たり。鍼灸学修士持ち。

マガジン

  • 短文雑記

    その日その時思いついたことを書いたもの。

  • 漢法いろは塾

    大倉山・漢方みず元会長らが立ち上げた鍼灸古典研究会。結成17年。かつて師匠・伊藤瑞凰先生が27年間に渡り会長を務めた鍼灸古典研究会 伯凰会(はくおうかい)。伊藤先生が講義されていた『黄帝内経素問』の解釈や『臨床百話』『診察学』を紐解き、原典『黄帝内経』に基づいた鍼灸治療を研究している。活動の記録。

  • 症例検討会

    所属している東方医学会で行われている医師と鍼灸師の交流会での【DAPAカンファレンス】【中医臨床カンファレンス】への参加の記録。時々、症例報告しています。

  • 医鍼連携講座

    東方医学会が主催する医師と鍼灸師による医療連携を目指す活動。2022年4月より地域医療連携鍼灸師の認定制度に参加。活動の記録。

  • 鍼の物語

    江戸時代から伝わる鍼職人の鍼具の復刻プロジェクトの記録。本来的なもの、本質的なことを追求しながら、現代には現代にできることを考えて、後世に鍼具を残す活動の記録。

最近の記事

【振り返り】2024年3月

こんにちは。東です。 さて、2024年3月を振り返っていきます! 【臨床】今月の臨床テーマ|胸の痛みと変形性腰椎症 10年以上ご来院下さっている患者さんよりご紹介頂きました。 この数年にあった過大なストレスによって狭心症を発症。 次第に姿勢が悪くなり、変形性腰椎症となってしまいました。 結果的にはタコつぼ型狭心症と言って、一般には自然回復する比較的予後良好な、狭心症に似たの症状を発症する病気でした。 とはいえ、ストレスに起因して狭心症様の症状を発症します。 一

    • 【振り返り】2024年2月

      こんにちは。東です。 さて、2024年2月を振り返っていきます! 【臨床】今月の臨床テーマ|わき腹の痛み 半年ぶりにお見えになられた患者さん。 以前から右肩の痛みを訴えていました。 今では指先までピリピリ痛むし、なんならヘバーデン結節で指先も腫れてきたという。 仕事が終わると無性にからだが痒くなる。 今日一番つらいのは、わき腹の痛み。 どうやら、背中からわき腹にかけて痛む。 息がなかなか吸えない。 かかりつけの医者に相談したところ、「それは心配だから大きい

      • 木目金の鑱鍼をただ愛でる回/日々の写真/#15

        こんにちは。東豪です。 今回は嬉しい報告です。 昨年来から試作をしていた新しい鍼が届きました。 名付けて『木目金の鑱鍼|もくめがねのざんしん』です! (そのまま…) 鑱鍼は、東洋医学の原典である黄帝内経素問や霊枢と称される2000年前の書籍に記載があります。 当時は通称、九鍼(きゅうしん)と呼ばれる九種類の鍼を適材適所に用いて治療にあたっていました。 大人や子どものアトピー性皮膚炎や湿疹など、皮膚が紅くなってしまう皮膚の炎症に効果的です。 当院では頻繁に登場し

        • 【振り返り】2024年1月

          こんにちは。東です。 本年もよろしくお願い申し上げます。 まずは、この度の石川県能登地方を震源とする、令和6年能登半島地震によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますと共に、被災された皆さまに心からお見舞い申し上げます。 さて、2024年1月の振り返りを行っていきます! 【臨床】鍼療再開年末年始は北海道に帰省して、久方ぶりに旧友らと会いました。 農家の友人らはみな代が変わって立派な経営者になっていましたね。 これからの農家について熱く語らっておりまし

        【振り返り】2024年3月

        マガジン

        • 短文雑記
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        • 漢法いろは塾
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        • 医鍼連携講座
          4本
        • 鍼の物語
          10本
        • HAHA*TO-CO プロジェクト
          4本

        記事

          【2023年の振り返り】一年まとめて

          こんにちは。東豪です。 2023年はいかがお過ごしでしたでしょうか(笑) 現在は2024年2月4日ですが、まったく記事を書けなかった2023年について振り返ってみたいと思います! (このnoteは一齊堂の活動の記録でもあるので、これでも大丈夫) さて、いってみましょう! 1月【6日】一齊堂の開業 2023年の代表的なできごとはこちらでしょうか。 救真堂での弟子入りと4つの治療院を掛け持ちしていた修行時代の5年間、東洋鍼灸治療院での7年間、間借りしながらのジプシー

          【2023年の振り返り】一年まとめて

          一齊堂の特殊鍼法|関節の痛み

          対応する症状関節は、身体を動かすための組織で、機械的な刺激を受けることが多く炎症(関節炎)を起こしやすい場所です。 当院では、変形性膝関節症などの膝の痛みや、五十肩や野球肘・ゴルフ肘などの肩肘の痛み、椎間関節性・坐骨神経痛・ヘルニア・脊柱管狭窄症などによる腰の痛みに対応しています。 また、その他の関節炎の原因としては、感染、けが、アレルギー、代謝異常などがあります。 どのような原因で関節痛が起きているのかを知るには、痛む場所の数と急性慢性よってある程度の疾患を想定するこ

          一齊堂の特殊鍼法|関節の痛み

          【公開シンポジウム|睡眠の生理と改善策】~ 西洋医学と東洋医学の知見から ~ に参加して

          こんにちは。鍼灸専門 一齊堂の東豪です。 先日、順天堂大学 東洋医学研究会が主催している公開シンポジウム 睡眠の生理と改善策 ~ 西洋医学と東洋医学の知見から ~ にウェビナーで参加しました。 ▼順天堂大学 東洋医学研究会とは こちらの勉強会を運営するにあたり、知人の先輩鍼灸師らが関わっており、このような活動は非常に喜ばしく思います。 講義内容一人目の講演者は、睡眠のエキスパートとして高橋正也先生がご登壇されました。 労働安全衛生総合研究所 産業疫学研究グループで、

          【公開シンポジウム|睡眠の生理と改善策】~ 西洋医学と東洋医学の知見から ~ に参加して

          一齊堂の特殊鍼法|耳の鍼

          対応する症状当院では、耳に特化した鍼を行っています。 外耳炎や外耳道湿疹、中耳炎、耳鳴り・難聴、めまいを伴なうメニエール病など、様々な耳の病態に対応しています。 1.使用する鍼 少し太めの円筒状の純銀の鍉鍼(ていしん)を用います。 2.水回りを調える 耳の治療のポイントは、リンパ液の流れを良くすることで、神経の乱れを調えることにあります。 耳は、意外にも胃腸の余分な水分とも関係が深く、胃腸の調子を良くして水分代謝を高めることも重要です。 また、側頸部とも関連が深

          一齊堂の特殊鍼法|耳の鍼

          【症例検討会】 DAPAカンファレンス(医鍼薬地域連携)に参加して #6

          こんにちは。鍼灸専門 一齊堂の東豪です。 本日、東方医療振興財団主催の「医師・鍼灸師・薬剤師が連携してよりよい医療を患者様へ提供できる仕組みづくり」の一環。 【症例検討会 DAPAカンファレンス(医鍼薬地域連携カンファレンス)】(以下、DAPA)に参加しました。 DAPAカンファレンスとは ▼これまでの活動 本日の症例●case43「鍼灸院から総合病院への紹介の症例」 こちらは我々の鍼灸業界では見ない日はない症状である「頭痛(ずつう)」を、鍼灸院から総合病院へ紹介

          【症例検討会】 DAPAカンファレンス(医鍼薬地域連携)に参加して #6

          一齊堂の特殊鍼法|鼻の鍼

          対応する症状当院では、鼻に特化した鍼を行っています。 季節性の花粉症、慢性鼻炎、蓄膿症(ふくびくうえん)などの鼻粘膜の炎症。 コロナ後遺症による嗅覚異常。 その他、脳神経の過緊張などにも対応します。 1.使用する鍼 銀製の鍉鍼(ていしん)を用います。 少し太めの銀製のものを温めて用いることで、刺激に過敏な鼻粘膜にも、安全で効果的な治療を行うことができます。 2.鼻粘膜を調える 鼻の治療のポイントは、過敏に反応してしまう鼻粘膜の充血や神経過敏を鎮めることや、鼻涙

          一齊堂の特殊鍼法|鼻の鍼

          一齊堂の特殊鍼法|眼の鍼

          対応する症状当院では、眼に特化した鍼を行っています。 最近では、TV・パソコン・スマートフォンの長時間の使用による眼精疲労を原因とした自律神経失調(コンピューター・ビジョン・症候群)や飛蚊症。 また、失明に繋がるような慢性眼科疾患である緑内障や白内障、黄斑部変性症といった様々な眼の病気の治療に力を入れています。 その他、眼精疲労からくる近視・遠視・乱視、まぶたがピクピクする眼瞼けいれんの改善。 老眼の予防。 まぶたが下がる眼瞼下垂や、アレルギー性・ウイルス性結膜炎、

          一齊堂の特殊鍼法|眼の鍼

          【新・中医臨床カンファレンス】に参加して #5

          こんにちは。鍼灸専門 一齊堂の東豪です。 本日、東方医療振興財団主催の「医師・鍼灸師・薬剤師が連携してよりよい医療を患者様へ提供できる仕組みづくり」の一環。 新・中医臨床カンファレンスに参加させて頂きました。 ▼新・中医臨床カンファレンスとは 1月の主訴 「手掌足の膿疱、不眠」 手のひらや足の裏に膿疱(うみをもった皮膚の発疹)や湿疹が生じる病気で、「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」の疑いと診断された症例。 手のひらが化膿して膿疱ができるだけではなく、足の爪

          【新・中医臨床カンファレンス】に参加して #5

          【漢法いろは塾】1月15日(第三・日曜日)の定例会に参加してきました #7

          こんにちは。東です。 奇数月の第三日曜日に開催の漢法いろは塾。1月15日(日)の今年最初の定例会に参加してきました。 ▼いろは塾は私の所属学会です。 年内一発目は、私が担当待ちに待った「張従正(ちょうじゅうせい)」の深掘り回。 私は気が早く二月前の講義に合わせて資料を準備してしまいました(笑) ▼その様子はこちらから 張従正の学術思想と臨床録を紐解き、師・「伊藤瑞凰(いとうずいおう)」先生の臨床理解を深めていく。 張従正は、東洋医学の治療原則に基づいた基本に忠実

          【漢法いろは塾】1月15日(第三・日曜日)の定例会に参加してきました #7

          鍼道具の研究者に会いに #1

          こんにちは。東です。 今日は、鍼造り活動の記録。鍼の物語をお送りします。 もはや鍼造り活動にお馴染みの、矢野氏とともに、とある場所に行きました。 ▼上石神井にある矢野氏の工房 ▼直近の鍼製作活動 現在、矢野氏とともに鍼造り活動している項目は、以下の3点。 この内の、1.神戸製毫鍼造りについて、ある鍼灸界では知る人ぞ知る大御所の先生の所にお伺いさせて頂きました。 ちょっとできない話もあるので、詳しい内容は割愛しますが、やはり矢野氏のように金属の専門家がいらっしゃる

          鍼道具の研究者に会いに #1

          【漢法いろは塾】11月20日(第三・日曜日)の定例会に参加してきました #6

          こんにちは。東です。 奇数月の第三日曜日に開催の漢法いろは塾。11月20日の定例会に参加してきました。 ▼いろは塾は私の所属学会です。 始まる前にさて。今日は講義だ。 午前中の鍼療前に、A3と大きめの用紙に講義の資料の印刷を済ませ、本駒込にある治療院で元気に鍼療。 講義には、黒のタートルネックにセットアップが勝負服。 鍼療を終えて患者さんを笑顔で見送り。 即座にパパッと着替えて、都営地下鉄三田線の千石駅は慣れた道のり。 JRの水道橋駅から徒歩2分の会場までは、

          【漢法いろは塾】11月20日(第三・日曜日)の定例会に参加してきました #6

          『鍼製作師 神戸源蔵『伝書』の解析』を読んで #1

          こんにちは。東です。 遅ればせながら2022年10月29・30日と行われた、古典派鍼灸師としては参加しておきたい日本伝統鍼灸学会に参加してきました。 ▼日本伝統鍼灸学会 都合により30日のみの参加となりましたが、ほとんど講演は見ずに神戸源蔵製の鍼具・道具の展示会場に根をはってました。 鍼造りにおいて非常に参考になる点がありましたので、備忘録として記録しておきます。 1.神戸源蔵製の鍼具の展示今回の目玉は、なんといっても今は亡き神戸源蔵製の鍼具・道具の展示でした。

          『鍼製作師 神戸源蔵『伝書』の解析』を読んで #1