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オンライン(通信制)の中学高校という選択肢は実際どうなのか

ひとつ前の記事で、娘がアメリカのオンライン高校を卒業したことについて書きました。
今回は、主に日本にいて、オンラインの中学・高校を選択することについて、私の知っている情報や、思うことを書いてみたいと思います。


すでに1ヶ月くらい前になってしまったのですが、、、ある週末の午前中に、こちらの方々のウェビナーを聴いていました。

左上:Stanford Online High Schoolの星さん
右上:Crimson Global Academy Japanの松田さん
下:ドワンゴ(N/S高等学校)の山中さん

オンラインで中学・高校の教育を提供している3校の代表の方々です。

オンラインの中高は、日本ではN高が今は一番有名でしょうか。
でも、日本の通信制高校はほかにもたくさんあって、昔からあるもの、そして最近どんどんできているもの、、文科省が規制を強めることになったほど、いろいろな学校が立ち上がっているようです。

上記3校は、オンラインの高校であることには違いないのですが、卒業するときに得られる資格が異なります。

Stanford Online High School→アメリカ高卒資格
Crimson Global Academy Japan→ A level イギリスの高卒資格 (APもあり)
N/S高等学校→ 日本の高卒資格

さらに上の2校は、英語での授業となります。


オンラインの中高って、どうなのでしょう?

不登校もこれまでになく多い時代、普通の学校じゃなくてもよくない?と考えている方はどんどん増えていますよね。高校生は12人に一人が通信制高校を選んでいるというデータも出ているようです。

学校で授業を受ける、ということが本当に誰にとってもベストな学びのスタイルなのか。毎日学校に行くことを選ばない子どもが29万人と、こんなにも多くなっている今、みんなで改めて考えてみる時期なのかもしれませんね。


N高は生徒数が26000人を超えて、どんどん大きくなっています。
先のウェビナーで山中さんは、10万人にでも広げたい、とおっしゃっていました。さらに、2025年にはN/S校と接続できるZEN大学というオンライン大学を開校予定とのこと。どんどん大きくなっていきますね。

また、Crimson Global Academyや、ここにはありませんがNisaiのように、日本にいながら、英語で高校時代の世界標準の学びをできる選択肢も出てきました(この2つの学校は主にイギリスやヨーロッパでメジャーなA levelのプログラムを提供しています)。

海外大学進学を希望している場合、高校課程も英語で学べるのであれば、そもそも日本は高校が義務教育ではないのですから、日本の高校には通わず、英語で海外の高卒資格を取得するのも、たしかに一つの方法です。オンラインという学習形態が一般的になって、こんな、いままであまり考えられなかった道も、普通に選択できるようになりましたね。


ただ、意外と知られていない事実のようですが。。。

⚫️日本の普通の高卒資格でも、海外の大学に進学できる(すべてではない)
⚫️アメリカの高卒資格やA LEVEL、IBでも、日本の大学に進学できる(すべてではない)

ということがあります。
海外大学に進学するにはIBなど特別なカリキュラムを取らなくてはいけない、と誤解している人がわりと多いので、まずそこの知識をきちんと整理しておくと良さそうです。

そうすると、「大学を〇〇で行きたいから高校は〇〇でなくてはならない」と考える必要はなくなってきます。大学進学についても考えつつ、高校は高校で、その時の自分に合うものを選択すれば良いと思います。


さて、今回、オンラインの中高がどうなのか、という問いを立てた問題意識、というか争点は「オンラインという形態の学びの是非」です。

前回、娘がアメリカのオンライン高校を卒業したお話を書きましたが、このオンラインスクールは、とても良いと思う一方、皆にぴったりなものではないなと感じたことをちらっと書きました。

オンラインの学び方は、メリットデメリットが混在するものだと思います。

コロナ禍に一斉にオンラインの学びを強要された子どもたち。たくさんのお子さんが、これにより心身のバランスを崩してしまったと思います。同時に、一部のお子さんは、オンラインの学びの方が合う、と気づいたかもしれません。

一言でオンラインの学び、と言っても、インタラクティブな授業があるのか、その際、生徒の画面はオフでチャットで参加するのか、あるいは生徒のビデオはオンで声を出して参加するのか、それによっても雰囲気が変わってきます。結局は、その「オンラインスクール」のやり方、実態をよく把握し、できればお試しし、お子さんがやってみたいと思うかどうかを確認することが、まず大切なことかと思います。

とはいえ、対面で先生や人に合わない学び方は、社会性の面で心配になることは否めません。週5でサポート校などに通う場合は、普通に学校に通う場合とそこまで大きな差がないかもしれませんが、授業はオンライン、あるいは授業は一切なしの場合、人と直接に触れ合う機会が激減します。

オンラインスクールが良いのか悪いのか(つまり合うのか合わないのか)、ということは、以下に分けて考えられるのではないかと考えます。

【能力&ラーニングスタイル】
自分でスケジュールを立てて学びを進めることが得意なタイプは、課題提出のみの学校でもやっていけますが、枠組みを作ってプッシュしてもらわないと学業はどうも進まない、というタイプのお子さんは、サポート校のような実際に通える場所が用意されていることが大事になると思います。

【性格&状況】
学校という場で人とどのくらい直に会うことを必要としているか、そこの部分でもきちんと見極める必要があると思います。
・学校外に活動場所がありそちらで人と会うので、学業は自分でオンラインで問題ない
・所属している場所はないが、やりたいことがあって忙しい、学校で友達と過ごさなくても寂しいと思わない
・不登校などの状況で、学校に行く、人と会うことが負担になる

このような場合は、オンラインスクールでよかった!と思えそうです。
その場合も、いろいろな要素を鑑みて、お子さんに合うオンラインスクールを選び取ることができるとよいですよね。


オンラインスクールを選ぶことでのメリット・デメリットは、人によってさまざまに感じると思いますが、娘を見てきて、そして一般的に考えて、このようなことがあると思います。

《メリット》
・課程を早く進めることができることがある(飛び級の可能性)
・長い授業や部活に時間を取られず、好きなことをする時間がある
・一般的に、成績(GPA)が取りやすい
・毎朝早くに起きて重いバッグを持って通学しなくていい

《デメリット》
・休み時間のおしゃべりや部活など、いわゆる青春がしにくい
・孤独になりやすい
・授業ペースや成績を周りの人と比べることがしにくい
・学校によっては卒業率が低く、途中でやめてしまうことがある


「こうでなくてはならない」ということが学校でも減ってきた今、自分の学びの形態を選ぶチャンスがあるのは素敵なことだと思います。
ただ、私としては、やはり人は、特に子どもは、対面でいろいろな人と日常的に触れ合うことがとても大切なことだと感じています。上記のメリットデメリットだけでない、人と育ち合う場の確保は大切だと感じます。それが今までのような学校でなくてももちろん良いのですが、、学校以外にも、子どもたちがもっと「ちょうどいい」、対面で社交ができる場があるといいなと思います。


我が家では、娘がアメリカのオンラインスクール(通信制高校)を選んでとても良かったという感想を持っています。自由に使える時間が増えることは本当によいことでした。バレエに打ち込んだおかげで、これが課外活動として高く評価され、アメリカの大学でも合格を得ることにつながっていると感じています。ただ、娘は、普通にJK(笑)としての生活はできなかったので、それは残念に思っているそうです。友達の数が少なくなることも否めません。

実は、今中学3年生の息子は学校を休みがちですが、高校はオンライン高校(通信制高校)を選ぶつもりはないとのことです(そうは言っても出席が足りなくなると単位が取れず学年を進めないのですが・・・)。
起立性調節障害が重かったり、学校にフルで出席すると疲れてしまう彼のようなタイプこそ、オンライン高校が合うはずなのですが。。
意見を尊重しつつ、見守りたいと思います☺️


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