差異と不均衡

力のある人間が、立場や権力をふるって弱い立場の者を搾取し、周辺者をも巻き込んで「黙らせる」という構造を、この国のあちこちで眼にする。
様々な組織において、それを率いるリーダーや圧倒的な支配の手法を持っている者が、暴力を用いて自らの加害を隠蔽するという卑劣さも、しばしば見聞きする。

真っ当に思える「大義」や、素晴らしいとされるものを生み出していることをもって、歪な構造や支配者が免罪されるべきではない。
被害に遭う者と加害をする者との間には、必ず圧倒的な力関係の差がある。物理的な力、経済力、社会的地位や影響力、年齢や経験など、大きな差異そして不均衡が存在する。

その差異と不均衡から目を背けてはならない。また、被害の事実そのものが葬られてはならない。
卑劣な形で力を行使した者は、その悪質さを自ら知っているからこそ、他者に責任を転嫁し問題を隠蔽しようとする。その単純な真実を、決して忘れてはならない。

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