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徒然日記~ミレーの話

自分のこれまで書いた記事について見返してみると、決してオールラウンダーとは言えまい。
ジャンル区分を考えると、宗教画や神話画、肖像画などについてが多く、風景画や風景画家についてはあまり書いていない気がする。

そのためか、西洋美術でも、未開拓、というか、書く機会、詳しく調べていない画家は少なくない。
その一人が、バルビゾン派の農民画家・ミレーだ。


ゴッホが尊敬し、強すぎるほどの思い入れを抱いていた相手でもある。(ゴッホは、人間相手にせよ、場所にせよ、「思い込み」が激しい気がする)
伝記を読んでミレーに傾倒し、憧れ、「彼のような農民画家になる」のが夢であり、農民や、畑はゴッホのキャリアにおいて頻繁に登場するモチーフの一つになった。
私は、今までゴッホを通じてミレーを見る、ということが多かった気がする。

そんな私が、ミレーの作品から一枚選び出すとすれば、〈晩鐘〉だろうか。

夕方、遠くから聞こえてくる、教会の鐘の音に、作業の手を止め、祈りを捧げる農民の男女を描いたものだ。
微妙な空の色合い。その下に広がる平原の遠くには教会のシルエットが小さく見える。
そして、影になっている二人の男女から漂う、静かで敬虔な雰囲気。(顔の部分がほとんど見えないからこそ、余計強調される)
つましい生活の中でも、神への感謝を彼らが忘れることはない。
じっと見つめていたくなる絵だ。
この絵、そして、ミレーについて、もう少し掘り下げて書けるようになりたい。

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