映画『9人の翻訳家たち 囚われたベストセラー』 覚書

 久しぶりに物語にのめり込んだ。

 『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズを巡る出版秘話を元にしたミステリーで、シチュエーションから言えば、『嵐の山荘』もの。

 ベストセラー『デュダリス』シリーズの三作目『死にたくない男』を、全世界で同時出版すべく、9カ国から翻訳家が集められ、シェルターの中で監禁状態のまま、1日に20ページずつ渡される原稿の翻訳を進めていく。

 しかし、何者かによって、出版社社長と原作者の手元にしかないはずの原稿10ページ分がが流出し・・・

 誰が犯人なのか?

 携帯などの通信機を取り上げられた中で、どうやって?

 その謎は中盤でネタバラシされるが、しかし、それも、また別の秘密を隠すために作られた大がかりなカモフラージュに過ぎなかった。

 最後まで見て思うのは、「どんな手を使ってでも目的を達成する」真犯人の冷徹さ、心の闇。(恐いが、本当の動機を知れば納得は行く)

 真相を知った上で、またこの作品を見ると、別の形が見えてくるかもしれない。

 特に犯人の視点で考えると。(金田一少年シリーズのスピンオフ『犯人たちの事件簿』のように)

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