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人生で初めての映画館の話

5歳の時だ。
人生で初めて、映画館で映画を観た。

幼稚園が終わったあと、なんとなくの流れで、
友だちのお母さんが連れて行ってくれることになった。

わたしはもう凄まじく喜んでいた。

だって、だって!
あのハム太郎の映画が観れる!
ミニハムずが映画館で観れる!
ゴジハムくんがもらえる!!!
やったー!!!やったー!!!

当時、弟が生まれたばかりで
あまりワガママも言えなかったわたしは
映画館でハム太郎を観られるということが
本当に、たまらなく嬉しかったのだ。

あんなことになるとは知らずに…


ハム太郎の映画はキラキラしていて
ハム太郎たちがかわいくて
ミニハムずもかわいくて
何よりそれら全てを大画面で観られて
本当に夢みたいに感じられて、とても楽しかった。

多分歌ってはいけなかったのだけれど
こんなに大きな音で、大きな画面で、
誰も気づきやしないだろうと、
ミニハムずと一緒に歌ったりもしていた。
いい子はマネしちゃいけません。

そしてハム太郎の映画は終わり、アレが始まる。

そう、ここまで読んだ皆様はお気づきであろう。

同時上映という罠に。


さっきまでハム太郎を映していたのと

同じスクリーンで、そのまま、

ゴジラ・
  モスラ・
    キングギドラ
       大怪獣総攻撃


が、始まったのである。

ゴジラファンからしたら垂涎の、
ゴジラもモスラもキングギドラも味わえる、
もうハンバーグカレーエビフライ添えみたいな、
そんな豪華な逸品。

だが、5歳児には早すぎた。

わたしはいつの間にか
ポップコーンをひっくり返し、椅子の下に隠れ、
画面を見ながらオーイオイオイと大号泣。
友だちのお母さん、大爆笑。

終始大号泣していたので、
内容をなに一つ覚えていない。
なんならハム太郎の内容も薄れつつある。
もらったばかりのゴジハムくんもそこで無くした。

最後は泣き疲れてヘトヘトになって帰って、
納豆ご飯を食べた、そんな思い出。

今では月に2.3回は映画館に出向くほど
映画と映画館が好きになったわたしだが、
たまにあの時の自分を思い出しては
ふふっ、と笑ってしまうのである。

素敵な画像を使わせて頂きました。
ありがとうございます。

#映画にまつわる思い出

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