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シニアユニバーシティの卒業式が終わりました

シニアユニバーシティの卒業式が終わりました。
毎年60歳以上のシニア800名が通う「さいたま市シニアユニバーシティ」、年間のカリキュラム策定、クラブ活動支援、卒業後の進路サポートなどなど、とにかく大仕事です。

事務局長になってもう7年。「それだけやればもう慣れたもんね!」と思うかもしれませんが、とんでもない。

毎年、どうしようもなく振り回されています。

一口に高齢者といっても、60歳〜90歳まで背景は様々。おまけに団塊世代から新しい世代へ変わる過渡期にもあたり、みなさんのニーズをつかむのは容易ではありません。

そして、毎年かならず問題児がいるのです。周囲とことあるごとに衝突してしまう人たちです。

定年後の一歩として選ばれるこの場には、「楽しく過ごしたい」「新しい友達がほしい」「これからの参考になる情報がほしい」と期待しながら参加する人がほとんどです。

そんななかで、わがままを通したがる・大きな声で不満を言う・話し合いを避ける人たちは、どうしても雰囲気を悪くしてしまいます。

「ここは自分に合わない!」と初日でやめる人もいますが、こういう人こそ『皆勤賞』であることが多いのです。

理由としては、
・ほかの場所でもうまくいかずここしか場所がない
・ほんとうはどうにかしたいと思っていて、きっかけを探している
・そのうち理解されると思い込んでいる
などいろいろあります、嫌われたい人などいないので心はゆれています。

私たちとしては、みなさんの意見(文句も)を聞くことしかできず、ただ見守るしかないのですが、意識していることといえば声がけです。

受け入れてくれるクラスの仲間には、「ありがとうございます」「なにかあったら声かけてくださいね」「困りましたね」という声がけ。

そして本人には、「今日は寒いですね」「顔色が悪いけれど、ちょっとお疲れですか?」「週末はなにしていました?」など、さらに積極的な声がけです。

声をかけていくうちに、段々と距離が近くなり、協力的になってくれることがあります。
段々といっても最初は空回り、挨拶すら無視されることも。余計なことは言わず、ただ「来てくれたんだね!」ということを伝えるのです。

私たちにできることはそれだけで、あとはクラスのみなさんに委ねています。
「こいつ!」と思いながらも、みなさんが冷静に(喧嘩もあるけれど)、対応してくれことに甘えています。

3月の卒業式が近づくとき「あ、ちゃんと一員になってる」と気づく瞬間があります。
お昼ご飯に誘われるようになったとき、クラスメイトから名前を頻繁に呼ばれだしたとき、おすそわけのお菓子をもらうようになったとき、大きな声を出さなくなったとき、そして私たちにも向こうから挨拶をするようになったとき。

ちょっとほっとしたときには、もう卒業です。
そして、また入学式…今年はどんな新入生が入ってくるのでしょうか!!

BABA lab 桑原静(くわはらしずか)
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 BABA lab(合同会社ババラボ)
「長生きするのも悪くない」と
 思える仕組みをつくる
 http://baba-lab.net
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