はやかわです。
　いまはなんだか寂しい気分なので、なんだかと言いつつ正体はわかっているのですがそれはちょっとおいといて、寂しい気分なので、嬉しかったことを書きます。

　先週の日曜、立川の昭和記念公園に行ってきました。三月から五月にかけてフラワーフェスティバルというのをやっていて、いまの時期はミモザやナノハナやシュゼンジカンザクラが見頃でした。ぼくは花それ自体にはあまり興味がないのだけれど、ひとを撮るのにも背景は重要なので、手札をアップデートするためにたまに散歩にいくことにしていて、今回もその一環です。なにに関してもですが行動しないととにかく始まらないので、家からちょっと遠いのは忘れたことにして、気分をあげるために春先どりでお気に入りの短パンをはいて、カメラをひっさげて家をでました。
　気付いてはいたのですが、ぼくは本当に景色とか花とかものを撮らないみたいで、いざ公園に着いてさあ撮ろうかってなったとき、あれ、写真ってどうやって撮るんだっけと困惑したし、撮った写真もこれでいいのか悪いのかよくわからないなってなりました。撮りたい写真のイメージがないと写真って撮れないなと最近ひしひしと感じています、その撮りたい写真のイメージやイメージの巧拙をセンスと呼ぶのかもしれません。

　そんなこんなで真面目に花を撮るのが初チャレンジだったので、まず撮りたい写真のイメージからつくるためにインスタをサーフィンして、でもなかなかこういう写真が撮りたいって言う写真に出会えなくて、ああぼくは本当に花それ自体にはそれほど興味がないんだなと思いました。そこで終わってはここまで来た意味がないので、じゃあミモザはミモザの黄色と空の青、さくらはさくらのピンクと空の青がかわいくなるように撮ろう、でもってたくさん咲いている花の中から、いちばんお気に入りの部分を見つけてそいつがいちばんかわいく写るように撮ろうって、試行錯誤していたらお気に入りの写真が撮れました。初チャレンジにしてはうまくいったと思っているというか、お気に入りの写真が撮れたというのが重要なポイントです。写真って巧拙はきっとあるけど、その写真をみて気分が上がるかどうかがいちばんいまのぼくの中では重要なんですよね。今回やっと花を撮る、をしたので、よかったことといまいちだったことの洗い出し、撮りたい写真との差の分析、次回はその実践、っていう循環がはじまるんだと思います。なににせよ一歩踏み出したことが大きいです、えらい。
　この真面目に花を撮る初チャレンジでお気に入りの写真が撮れたことが嬉しかったことのひとつめです。

　さくらをひとりで撮っているとき、さくらはやっぱりいまの時期この公園の見どころなので、いろんなカップルがやってきては写真を撮っていたんですね、交代で撮ったりインカメで撮ったり、ああ代わりに撮ってあげたいなあなんて思いつつ、でもその「撮ってあげたい」なんていうのはとてつもなく傲慢で、彼ら彼女らはそのふたりだけの空気のなかでお互いに撮りあったり、インカメで、ザ・カップルの思い出みたいなのを撮ること、つまりデートを楽しんでいるのであって、いい感じの写真なんて求めてないし、それこそふたりだけの時間のなかに見ず知らずのぼくが入っていたら迷惑極まりないと思います。よく交わされる善意の「撮りましょうか」は純粋な善意だけど、ぼくのその日のカップルのいい感じの写真を撮りたいというのは、完全にぼくの度を越えたわがままなんですよね。そんなことを考えながらさくらにピントをあわせてああでもないこうでもないとしていました。
　だけどそんなこんなしているうちに、さっきまでぼやぼや考えていたことはおいといて、どうしてもこのめちゃめちゃかわいいカップルを撮りたい！っていうふたりが現れたんですね。そうなったときのぼくっていうのはもう考えるより先にとは言わないまでも、考えながらどうしても行動にうつしちゃうので、「おふたりめっちゃかわいくて、かわいいおふたりとかわいいさくらを一緒に撮らせてもらえたら嬉しいなと思っていて、いかがでしょうか…！」ってお声かけしちゃっていて、いま思うとちょっともう少し考えてからでもよかったんじゃないかと思いますね、ご快諾いただけて本当によかったです。ふたりともとても素敵な方で、笑顔と元気をもらって、写真も喜んでいただけたようで（少なくともそのように言ってくださって）、突然お声かけしたのにも関わらず本当にありがとうございました、感謝しかないです。一歩まちがえれば完全に不審者なので、今回はおふたりの人柄あってのことだったので、これからはもうちょっと慎重にしようと思います。もうぼくも三十歳の男なのでね、相応の行動をとるのも必要ですね。
　このおふたりのご協力のもと、さくらとげきかわカップルの写真が撮らせてもらったことがもうひとつの嬉しかったことです。

　嬉しかったことふたつ、読んでくださってありがとうございました。
　以上です、よろしくお願い致します。

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