見出し画像

陰キャの戯言

とにかく陽キャを目指し、母の期待に応えようとする学校生活だった。
小学校のクラスでグループに入れず、町内会でも誰とも喋れず、
「何で人と仲良く出来ないの!」といつも怒られていたから。

変わりたいという勢いだけで、言って良いこと悪いことの区別もつかぬままベラベラ喋り続け、
ウケ狙いで下品な言動を繰り返し、クラス替えの度に嫌われた。
そしてもう誰も傷付けまいと口を噤み、中学校生活の後半は地蔵のように過ごした。
ますます人は遠ざかり、誰かが私に話しかけることも隣に並ぶこともまるで罰ゲーム。
悩み続け、成績も下がり、
中2の頃は母に「アンタは取り柄が無い」と泣かれた。

高校以降も友達欲しさに無理を続け、
ただただイキって引かれるだけの学生。

そもそも私は吃音症で、普通のお喋りが出来ない。
幼稚園か小学校の時点で適切な支援に繋げてもらえていたら、
無理して型に嵌ろうと頑張らずに過ごせたかも知れない。
(喋りたくないという理由で事務職を選んだのも間違いだったと思っている)

自分に合ったものを選ぶのは「甘え」ではないし、
合わないものにしがみ付くのは努力ではなく「徒労」
今はそう思う。
誰かに「〜すべき」と言うのは簡単だけれど、
その人に合ったものでなければ。

子育てとコロナ禍で人付き合いが最小限になり、本当に有難い。
後者は早く終わってほしいけれど、
喋らずにいればいるほど評価される今の学生を羨ましく思う。

私と家族と、時々、推し。
このまま静かに暮らしたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?