2023/4/25 忘れ物のち、歯が落ちる

今日は7時に起きた。スマホのアラームを7時にセットして、7時に起きた。起きた瞬間、なぜこんなに朝早くにセットしたのか記憶が一切なく、もう一度眠ろうと思った瞬間に思い出した。
今日は草野球の日だ。急いで支度する。

9時から哲学堂公園にて始まる。片道約1時間ほどなので8時には出発したい。準備はできたのだが、なにか忘れ物をしているのではないかとそわそわしてしまう。
こう言ってはなんだが、私は忘れ物が少ない人間である。忘れ物が多い人はどうやって少なくすることができるのか、そのノウハウを知りたいと思っていることだろう。私の方法はマネしたくてもできないのであきらめてほしい。

私は小学生くらいのときはよくいる忘れ物の多い子供だったと思う。持っていくのを忘れる。持って行ったのを忘れる。なんどもお気に入りのおもちゃや帽子をなくして泣いていた記憶がある。

中学生になれば宿題やテキストを忘れる。塾がある日であったことを忘れる。やりたい放題である。

そんな私に転機がやってきた。それは高校野球厳しすぎ問題である。部活は毎日ある。しかし、洗濯は毎日しなければいけない。毎日かばんからものを取り出して、翌朝に急ぎながら詰める。この繰り返しは忘れ物が発生しやすい。
大人であれば忘れやすいものは予備を買って職場に置いておくこともできるが子供は予備を買うお金もないし、予備の荷物を置ける場所もない。

もれなく私を含めチームメイトたちは野球用のソックス、ベルトという二大忘れやすいものを忘れてくることが多かった。
ひとつでも忘れ物があるとその日は一日中練習メニューがランニングかダッシュだけになる。つまり簡単に言えば虐待をされる。この虐待を避けるために皆、忘れ物をしないように頑張るのである。それでもどうしても忘れてしまうことがある。忘れ物はどれだけ注意してもいざ必要なときにならなければ気づけないから質が悪い。
毎日忘れ物をしていないか神に祈るようにして学校に通ったものだ。

もちろんいくら頭が悪い子供とはいえ、それなりに対策を考えていた。朝出発する時点で忘れやすいソックスは履いていき、ベルトは制服と共用にすることで確実に忘れないようにできる。
私の通っていた高校は靴と靴下、ベルトはよほど奇抜なものでない限りはOKという校則であり、おしゃれをしたければここしかない。となると、ときたまおしゃれをしたくなり、変えてみるのだがそういう日に限ってやはり忘れ物をしてしまい一日中走らされる羽目になる。おしゃれは敵であるという感覚がDNAに刻まれる。
野球部はこうやって体でもって忘れ物をしないようになっていくのである。

一方で他の部活はどうであろうか。サッカー部やバスケ部は最悪、体操服でも参加できる。ボールは学校で管理している。忘れ物のリスクがぐっと下がった競技だ。野球は個人で用意しなければいけない道具が多すぎる。

野球を通して私は忘れ物をしない。というよりかは、忘れ物をしてしまわないかと常にどきどきしながら生活する大人になってしまった。

日記を書き始めて5か月近く経った。つくづく私は野球を通して人間性を形成していったのだということがわかる。これだけ嫌な思いばかりをしているのに人には優しく接することができる。なんてすばらしい人間なのだろう。

天国と地獄はどちらも大きな鍋でとても長い箸で食事をする。地獄はその長い箸で自分の食べたいものを食べようとするので、思うように食べることができない。地獄にいる人は皆やせこけ、喧嘩をしている。
天国も大きな鍋を囲んでとても長い箸で食事をする。しかし、自分の箸でつまんだものを遠くにいる人に食べさせてやる。すると食べさせてもらった人は持っている長い箸でつまんだものをその食べさせてくれた人に食べさせてやる。
人にやさしくできることで自分にもその優しさが返ってくるのである。
自分が嫌な目にあってきたからと、人が嫌な目にあうことを願ったりはしない。まさにできた人間である。お金をください。

さて、このようなことを書いているうちに哲学堂公園に到着した。哲学堂公園での野球は初めてだった。しかし、私にとっては野球の聖地だ。
私はよくラジオを聞く人間だが、伊集院さんがときたま喋る「爆笑問題でやばい方は田中だ」というテーマがある。なぜ伊集院さんが田中さんの方がやばいと思ったのか、その理由が爆笑問題さんが一時期芸能界で干された時期にある。太田さんは家に引きこもってドラクエばかりをやっていた。田中さんは毎日草野球ができるから、干されるのも悪くないと思っていた。どう考えても田中さんの方がやばい。というエピソードである。
その田中さんが干されていた日々の中で野球をしていた場所というのが、この哲学堂公園である。

アメリカメジャーリーグでは年に1度、コーン畑にある球場で野球をする。それは映画「フィールドオブドリームス」で舞台となった球場で実際にメジャーリーガーたちが野球をするというなんとも粋な演出である。
私にとってのコーン畑の中の球場は、この哲学堂公園野球場なのである。ここで爆笑問題、伊集院光が白球を追いかけたのだ。
とても感慨深い一日だった。

試合内容はとても白熱したものだった。漫キースのレベルアップを今後も図っていきたい。私はまずは度のズレたコンタクトレンズを新調したい。

今日は試合中、守備からベンチへ戻るときに岩崎さんの口から歯が落ちた。これが今日のハイライトだった。
岩崎さんは100円ショップで買った粘土で自分の歯を作って装着している。こういった動きの多い競技をすると手作りの歯が落ちていく。

試合が終わって家に帰る。へとへとのなか、洗濯機をまわしてそこからは夜のYoutube撮影に向けて準備をした。
今回はパワーポイントをつかった企画を考えていたので、その作成をしていく。これがなんとも辛いんだ。地道に画像を並べて、トリミングしてを繰り返す。
それが終わると今度は映画を見る。二週に一回、映画の感想を言い合う、我々側はとても楽しい動画企画がある。これのための映画チェックだ。

昨晩は遅く眠り、今朝は早起きして野球をしてきてからの映画だ。途中で眠ってしまったが、奇跡的にすぐ目覚めることができ、19時からの動画撮影にはすべて間に合った。

そこから、スーパーへ豆腐ともやしを買いに行き、私の中でブームになっている三日で4㎏痩せるおそろしい鍋を作って食べた。気づくともう0時近い。
スマホゲームをやってみたら1時前になった。眠った。

今日面白いと思ったことは「岩崎さんは手作りの歯をつけるのではなく、歯医者に行った方がいい。」

こんなつらい人生。ここに空き缶を置いておきます。