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「群発頭痛」を知っていますか

(※とても長い文章です。それでもお読みになれる方はよろしくお願いします)

……「群発頭痛」。
 耳なじみの薄い言葉だと思います。もしも知らない方であれば「頭痛の一種かな?」ぐらいに思うことでしょう。
 それはあながち間違いではありませんが、決して正しくはありません。頭痛のように「神経の刺激が痛みになる」ことは同じですが、その質や構造が、まったく異なります。
 現代日本は「4人に1人」が頭痛患者と言えるそうですが、その中でも群発頭痛は「1,000人~10,000人に1人」が発症しているという、非常に稀な痛みです。正確な患者数もつかめないような病で、決定的な情報も少なく、患者自身が痛みと情報でもがきながら生きています。群発頭痛という病名の一般認識が薄いせいで、激痛を抱えたまま苦悩していたり、医者をたらい回しにされている患者も少なくありません。
 2020年現在、私自身も群発頭痛が発症してから7年ほど経過していますが、未だに慣れないし、予防できないし、確たる情報も見つかりません。
 三大疾病のような有名な病気と違い、完全な理解やケアを求めることは、もはや難しいと思っています。ですが、せめて少しでも多くの方に「本当の情報を」知っていただければ幸いです。
 人知れず、あるいは人に言えず、苦しんでいる他の患者のためにも――


(1).【概要:群発頭痛とは?】

 まず群発頭痛とは、頭痛ではありません。
 メカニズムとしては他の頭痛と同じく、血管の拡張と収縮によるものです。しかし一般的な頭痛が「頭部がズキズキする」のに対し、群発頭痛は「右か左、どちらか片方の眼球の周辺だけが、異常なほどの激痛に襲われる」もの。こめかみから目にかけて痛む偏頭痛と混同されがちですが、それともまったく異なります。
「頭が痛い」のではなく「目のまわりが猛烈に痛い」。頭痛よりも「三叉神経痛」と同類とされます。
 ですから、これが「頭痛」という名称のおかげで、頭痛としてくくられ、頭痛として見られてしまうことに違和感や悔しさがあります。
 どれだけ苦しんでも、説明しても「たかが頭痛ごとき……」と不摂生な二日酔いのように見られがちなのです。

 群発頭痛の多くは周期的に、その人の決まった時期や時間に訪れます。季節の変わり目に起こることが多く、その人の体内時計で決まった時間に一日複数回、激痛に襲われます。
 一般頭痛と違って外的要因がなく、偏頭痛ほど気候や気圧にも左右されません。それらに誘発されることも多くありますが、直接的な原因とは言い切れません。
 他の頭痛と違い、発症の確たる原因は「ありません」。

 時期で起こるものであるため、群発頭痛が起こる時期のことを「群発期」と呼びます。個人差や時と場合により、1ヶ月~3ヶ月程度が群発期の基準となると思います。
 何らかの「前兆」があることが多く、その後、激痛が起こることを「発作」と呼びます。
 群発頭痛が収まっている時期は「寛解期」と呼びます。いわゆる「普通の状態」ですが、それに名前がついてしまうことに恐怖を感じます。
 群発期の長さや頻度は人により、まったくサイクルが異なります。毎年訪れる人もいれば、数年に一度の人もいる。ほぼ群発期という壮絶な人までいるそうです。

 以下は、あくまで私の場合の話です。
 私の場合、「春から夏」「または夏真っ盛り」「あるいは夏から秋にかけて」の夏を基軸とした発症が多く、2年サイクルで訪れていました。そのため、その年の群発頭痛を乗り切れば「来年は大丈夫だな」と思えていたのですが、5年めからは毎年になりました(※あくまで「私の場合」です)。
 同じく私の場合、時間としては、2020年の群発頭痛は「早朝」「10時」「14時~16時」「20時」「22時~24時」「深夜(入眠から1時間後)」の6回が発作タイミングで、重いのは早朝と夜(※あくまで「私の、2020年のサイクル」です)。
 タイミングすべて起こることもあれば、どれか起こらないこともあります。ごくまれに1回も起こらないこともあり、安心していると翌日は複数回の発作が起こることもあります。何らかの法則性がありそうに思えますが、メモを重ねて統計を取っても「傾向」にしかならず、ほとんど予防にはつながりません。

 群発頭痛は専用の薬を用いて痛みを止めることしか処方がなく、市販薬や一般の頭痛薬は無効果です。専用の薬は副作用も強く、1日の回数が制限されていますが、それを越えなければならないほど、耐えられない激痛に襲われます。
 痛みは、短くて10分~30分。長い場合は2時間~3時間も続きます。
 専用の薬はありますが、即効性ではなく、しばらく痛みに耐えていると急にじわじわと引いていく感じ。しかも早めに処方できれば引きますが、痛みが強くなってからでは時すでに遅し。数時間の痛みに耐えなければなりません。
 また専用の薬は「その時の痛みを止める」だけなので、次の発作にまた備えなければいけません。根本的治療の方法も、未だにありません。
 しかも、その薬が効かない人もいる。群発頭痛患者にしてみれば、想像しただけで恐ろしいことです。
 できることは――群発期は、ただ「耐えること」。それにあわせて生活サイクルに工夫をして、自分の発作の傾向を知り、少しでも対処していくこと。
 それでも、群発頭痛は防げません。防ぎようがありません。症状そのものが不明だった昔は「バチ当たり」や「悪魔憑き」と呼ばれて迫害され、現在でも「原因不明の奇病」と呼ばれています。
 なのに「頭痛ごとき」と言われてしまうのです。


(2).【想像を越える、その痛み】

 まず、Googleなどの画像検索で「群発頭痛 イラスト」と検索してみてください。
 片方の眼を小さな鬼に広げられ、顔を苦痛に歪ませているイラストが出てくるかと思います。経験者からすればとても秀逸な絵で、群発頭痛の痛みの性質を端的に表しています。
 その痛みについて、インターネットの情報では、人づて情報や勉強した医師の言葉で書かれているページが多いように感じます。
 痛みは時と場合により差があります。

「目玉の周りにガラスの破片が散っていて、目玉と眼窩を強くチクチクする痛み」
「目玉の裏側を、角材のカドでグリグリ強くこすられているような痛み」
「眼窩に、目玉の代わりにスイカが入っていて、骨にヒビが入っていくような痛み」
「眼窩に強い塩酸がたまっていて、目玉の周囲や裏側が燃えているような痛み」
「目玉に火がついて、燃えているように錯覚するほど激しい痛み」

……以上は一例に過ぎませんが、私が感じた痛みの具体的な表現です。
 よく聞く「目がえぐられるような」「きりで刺されるような」という表現は、生やさしく平板。そんな言葉よりも「リアリティが強い激痛」です。
 その痛みが、短くても10~30分、長い時には3時間も続くのです。しかも処方が遅れて激痛になればなるほど、時間は長引きます。

 有名な話ですが、群発頭痛は「三大激痛」のひとつと言われ、「尿路結石・群発頭痛・心筋梗塞」と列挙されます。また「出産に匹敵する痛み」や「激痛のあまり自殺を引き起こす」とも言われます。
 私自身、激痛に耐えながらよく思います。
「この目玉をえぐり出したい。この目玉がなければ、痛くないのでは?」
 もちろんそんなわけはなく、目の奥の三叉神経が反応しているのですが、そう思いたくなるほどの激痛です。
 偏頭痛も「痛くて何もできない」と表現されますが、じっとして痛みに耐える偏頭痛に対し、群発頭痛の場合は「痛すぎて、じっとしていられない」。寝転んで、バタバタもがいて、うめき声や金切り声をあげる。涙がダラダラと流れ、鼻水が止まらなくなることもある。初めてそれを見た人は「救急車呼ばなきゃ!」となるほどです。

 女性に言わせれば「出産の痛みに匹敵するなんて、大袈裟な」と思うでしょう。しかし男性ながら想像の域を出ませんが、その比喩はよくわかります。先に挙げたように「眼窩に、目玉の代わりにスイカが入っていて、骨にヒビが入っていくような痛み」を感じるのですから。決して出ていくことがない、巨大なスイカが。
 また陣痛や出産は波がありますが、群発頭痛は一度ピークを迎えると「ずっと頂点のまま」。つまり、陣痛の最大値がずっと訪れているものと考えてみてください。そして、産まれて楽にさせてもらえることは決してありません。
 種類は違えど、それはこの上ない苦痛です。

 群発頭痛は別名「自殺頭痛」。痛みが続いて苦悶のあまり自殺してしまう者が多かった、と言われています。
 たしかに自殺を引き起こすというのも、完全ではありませんが納得できます。発症中「この苦しみは永遠に続くのか?」と思い、早く楽になりたくなります。朝から晩まで毎日毎日、出口が見えないまま激痛に襲われ続けていくと「もう回復しないのかもしれない。いっそ、死んでしまったほうが……」と、精神的に追い詰められます。
 出産の際、陣痛がひどい女性が「いっそ殺してくれ!」と叫ぶという話を聞きますが、まさにその心境に近いのではないでしょうか。
 哲学者、ニーチェは群発頭痛に長年悩まされ、ついには発狂したと言われています。『ハリー・ポッター』シリーズで有名なダニエル・ラドクリフは、俳優以外に群発期でも可能な仕事を選んでいると聞きます。文豪の芥川龍之介は重度の偏頭痛だったそうですが、もしかしたら現代的に見れば群発頭痛だった可能性もあります。後期の「歯車」という小説に片頭痛傾向の「閃輝暗点」と類似する表現がありますが、彼の自殺理由である「唯ぼんやりとした不安」は、群発頭痛患者が常に抱えているものです。


(3).【あまりに周期的、しかし防げない】

 前述したように、群発頭痛は人により、訪れる時間がおおよそ決まっています。
「それがわかってるなら、対処のしようがあるんじゃないの?」と思う方もいるでしょう。それこそ、ある時間に事故が起こるとわかっていれば、その場所に行かないような感覚で。
 ところが、わかっていても、自分の体は防ぎようがないのです。

 専用の薬はありますが、予防には向きません。
 そのため、もうすぐ痛みの時間だという時に、痛みがないのに使用すると「ムダ撃ち」になってしまい、ただ副作用に襲われるだけ。そのうちに痛みが訪れ、乱用につながります。
 痛みの間隔を遠ざけるとされる薬がありますが、効果は微妙。少なくとも個人的には効果をあまり体感できず、群発期になるたび使ってみてはやめてのくりかえしです。しかし弱めの発作が来なくなることもあるので「ないよしマシ」と併用しています。
 時間で訪れる痛みなので、構えていても環境を変えても無意味。来なければラッキーぐらいで、あとは個々人でその来なかった理由を考え、自分の傾向として対処することになります。しかし偶発的な場合がほとんどで、効果はほとんどありません。
 たとえば「傾向として、食後が多い」と感じて食事を抜く。「傾向として、睡眠中に起こる」と感じて睡眠時間を変更したり、寝ないでいる。「傾向として、出社中の時間に起こりやすい」と感じて有休を取ってみる……どれも個人の体感でしかなく、対処してみても「効果があったり、なかったり」です。
 実は、そうして生活サイクルを変えると、よけいに痛みが読めなくなったり、強力になることもあります。そのため群発期は「時間が来たら、耐えられる環境を作っておいて、耐える」しか対処がないのが実情です。
 また時間だけではなく、状況や環境により痛みが始まることがあります。要は血の巡りがよくなりすぎて痛みに変わる感覚ですが、防げるのはそれぐらいです。体内時計をもとに時間で訪れる痛みは、ほぼ状況に関係なく襲ってきます。


(4).【原因・治療法・特効薬すべて「なし」】

「頭痛なんだから、寝ればいいでしょ」
 そんなことを言われる群発頭痛患者も、少なくありません。二日酔いや睡眠不足を疑われ、一方的に不摂生な人間の烙印を押されてしまうこともあります。

 群発頭痛には、確たる発生理由はありません。
 あくまで傾向として、気候変動やストレス、自律神経や副交感神経の異常などが挙げられていますが、なぜその症状を自分が持ってしまうのかは、いっさい不明。遺伝的な観点や脳科学的な観点からも研究されていますが、「まじめな人がなりやすい」「鬱病を併発する患者も多い」というぐらいしか傾向が見られず、決定的なものは何も判明していません。
 周期や頻度も人によりますし、あくまで「個々人の傾向」で見るしかないのです。

 治療法も、ありません。
 専用の薬はあくまで「その時の」痛みを抑えるだけ。根本治療の手段はまったく見つかっていません。
 近年になって、ある種のワクチンが予防に有効などの発表がありますが、未だ公式な治療法は何ひとつ、存在していません。アメリカで根治治療の可能性がある研究が発表され、薬の開発が進んでいくはずが、2020年の新型コロナウイルス騒動で止まったままです。

 特効薬も、ありません。
 前述のように、専用の薬はあくまで「その時の」痛みを抑えるだけ。それこそ市販の頭痛薬が、痛みのもとをブロックして痛みを忘れさせるだけなのと同じです。症状を緩和するだけで、治療できない風邪薬にも似ています。
 ただし一般の頭痛や風邪は原因が特定できるので、予防することができます。「使わない」という選択肢を選べます。群発頭痛には、それができません。
 そのため、患者はその都度の対処に追われるだけになってしまいます。


(5).【高額請求に「難病指定」を待つしかない】

 先ほどから使用している「専用の薬」という言葉ですが、患者によるものの、全員に使用が勧められるものは、ほぼ1種類しかありません。
 それは「イミグラン」という点鼻薬で、偏頭痛用の薬です。
 薬が偏頭痛と同じなので、この部分でも混同視されがち。しかし、言うなれば「それを使うしかない」のが現状で、群発頭痛専用の薬は存在しないも同然です。
 この薬を早めに点鼻すれば、痛みのピークを迎えずに収束することができます。しかし痛みが強くなると薬の効果が出るタイムラグにより、猛烈な痛みに耐えなければいけなくなります。また効果がないこともあり、どれだけ待っても痛みが引かないことがあります。
 そういう時はもうひとつ使用したくなりますが、厳密には「数時間の感覚をあけて、1日2個まで」。ですが、目玉がスイカになった激痛に3時間も耐えられず、使用してしまう患者は多いでしょう。
 結果として推奨される個数を越えて使ってしまい、副作用の「ふらつき・めまい・呼吸困難」などに襲われることもあります。
 しかし、永遠とも思える痛みが続くより、それを選ぶ患者は多いと思います。

 イミグランの点鼻薬は薬価が高く、おおよそ「1個 1,000円」。保険適応されても「1個 300円」もします。
(※病院や薬局、時期や計算方法などさまざまな要素があるため、正確な値ではありません)
 できれば使いたくないところですが、1日に複数回訪れる猛烈な痛みの前では、使用せざるを得ません。そのため1日に3回痛みが訪れるとして、3個使えば保険適応でも900円。それが一ヶ月続けば27,900円になってしまいます。
 考えてみてください。市販の風邪薬は、24包や180錠といった、複数個入った状態で手頃な価格で販売され、症状が出ている数日間だけ使用します。残りは取っておくことができ、好きな時に使えます。それが「1回300円」だと考えるだけで……どれだけ高額出費になるか、想像できるでしょう。
 原因として、これだけすべてが特定されていない奇病なのに、未だに難病指定がされていません。難病指定さえされれば患者の負担がかなり軽減されるのですが、発症者の絶対数が少ないからか、その雰囲気は感じられません。
「どうして自分が……」
 と、まるで事故にでも遭ったかのように、自分の運命を呪いたくなることかと思います。
 しかも残酷なことに、このイミグランの点鼻薬さえ効かない患者までいるのです……。

 イミグランから派生している、安価な飲み薬もあります。
 しかし飲み薬は消化を必要とするため、効果が出るまでに時間がかかり、痛みの初期に服用しても激痛まで発展しかねません。それこそ時間で訪れる痛みへの予防に使えるように感じますが、やはり痛みが出てからの服用でないと、効果がうまく発現しないのです。
 また個人的にですが、副作用がイミグラン点鼻薬より強く、数時間の倦怠感と気持悪さに襲われました。そのため背に腹を代えられず、私はイミグラン点鼻薬を使用しています。

 逆に単価がもっと高い自己注射キットのほうが、支持されているぐらいかもしれません。
 自己注射キットは名の通り自分で注射するもので、粘膜吸収のイミグランよりさらに早い効きめがあります。しかし保険適応されて約1,000円と高額で、処方される病院もかなり限られています。
 しかし、それほどに耐えがたく、背に腹を代えられない。
 それが、群発頭痛の痛みなのです。


(6).【禁忌事項】

 あらゆる病気には「避けたほうがいい行動」があります。もちろん群発頭痛にもそれが複数あり、決定的事項なので「禁忌事項」と呼ばれます。つまり「避けたほうがいい」のではなく「避けなくてはいけない」のです。
 それらに気をつけないと、すぐに痛みを引き起こし、時間で訪れる痛み以外の苦痛が増えてしまいます。
 そうした外的要因は、銃の発砲動作部分になぞらえ「トリガー」と呼びます。すぐに銃が撃たれて致命的になる……というほど、決定的事項というわけです。
 また体感的ではありますが、時間で訪れる痛みに対し、これらは「痛みが急に加速」します。よって早めに対処しても間に合わず、激痛に発展する可能性が高いように感じます。

「お酒」
 これは最も有名。アルコールを摂取すると、簡単に言えば血の巡りがよくなり、血管が拡張してすぐさま群発頭痛を引き起こします。
 時期や個人差があると思いますが、多くの人が微量のアルコールでもダメ。数分~数十分で地獄の痛みが「必ず」訪れます。100%。絶対。はずれることは、まずありません。
 私の場合、痛みが重い群発期では「アルコール0.00%」表示の飲料、いわゆる「ノンアルのビール・テイスト飲料」でもダメでした。表示義務に値しない、0.00%未満のわずかなアルコールで、トリガーが引かれてしまうのです。
 逆に痛みが比較的軽めの時期では、低アルコールを1杯ぐらい飲めてしまい、群発期を脱したものと勘違いして飲酒を続け、激痛に発展してしまったことがあります。
 群発期を脱したかどうか、患者にも医者にも判断ができないため、痛みがしばらく来なくなったら自らアルコールを摂取してテストする患者も少なくありません。しかしもちろん、群発期を脱していなければ地獄の痛みが待っているので、これは俗に「自爆テスト」と呼ばれています。決して声を大にしておすすめできる行為ではありません。

「入浴」
 日常に必須なもので最も制限されるのが、入浴。血管を拡張させると痛みが訪れるため、湯船につかってはいけないのです。
 仕事の疲れが取れなくても、シャワーで我慢しなくてはいけない。換気扇を回したまま浴室に入り、お湯の温度を下げたシャワーで急いで洗い終え、最後は頭や全身に冷水をかぶって血管を引き締める。ドライヤーも可能な限り低温や冷風。または使用せず扇風機を浴びながら乾かす。風呂あがりは氷嚢を頭部や首にあて、血管の拡張を少しでも防ぐ。エアコンで冷やした部屋にこもり、体が興奮しないよう、しばらく落ち着いた状態を保つ。
 しかしそれだけ予防しても、あたためられた体は自然と機能し、痛みを呼んでしまうことが往々にしてあります。仕事や生活、群発頭痛による日々の疲れも取れず、群発期は体力がとにかく低下します。

「運動」
 勘違いする人が多いのが、これです。頭痛は体を動かすことで血の巡りをよくして回復しますが、群発頭痛は逆に血の巡りをよくしてはいけないので、運動もダメ。
 家事や仕事が忙しく、バタバタしていると急に頭の片隅に「ぼんやり」したものが訪れ、急に大きくなっていく感覚に襲われます。それが痛みの「兆候」で、その時点でイミグランを処方しないと手遅れの激痛に発展してしまいます。その程度は個人差や環境によるので何とも言えませんが、結局は血行をよくしてしまうので、ストレッチやマッサージさえ要注意です。
 ジムやランニングを日課にしている人も、群発期はやめざるを得ません。睡眠不足に入浴禁止と、群発期はとかく体力が失われます。

「温度」
 室内が暑いだけでも血管は拡張します。群発頭痛が夏場に起こる人が多いのも、気候が原因のひとつかもしれません。
 個人的な体験では、炭火焼肉もダメでした。近づかなければ暑くないガスと違い、炭火のまわりは広範囲で暑いのです。
 ついでに言えば、食後に血糖値が上がって血の巡りがよくなることも、痛みに発展しやすいように感じます。

「性行為」
 意外な盲点かもしれませんが、いわゆるセックスもダメ。これこそ個人差の世界ですが、総じて血流がよくなってしまうからです。

「煙草は微妙?」
 群発頭痛について調べていると、多くの「医師監修」ページが禁煙をすすめています。
 これに関して私は、懐疑的です。というのも、どのページも確たる理由が述べられておらず、酒に付随するような形で禁煙をすすめているからです。
 ここに私は、医師とその周辺の「禁煙をすすめざるを得ない」意識を感じます。たしかに理論上、喫煙は血管の拡張と収縮がおこなわれるので、要因として考えることができるでしょう。しかし個人的にですが、喫煙直後に痛みが訪れたことは、ほぼありません。喫煙して痛みを呼んだという個人談も、ほぼ聞いたことがありません。
 というのも、血管が拡張されたままのアルコールや入浴などと違い、喫煙の血管拡張・収縮は「一時的」なもの。その血管のメカニズムにこじつけて、禁煙をすすめているように聞こえてしまうのです。そもそも煙草は、群発頭痛時に起こる激痛の直接原因になる、血管の「拡張」よりも、反対の「収縮」作用のほうが大きいはずです。
 ただでさえ酒も飲めず、風呂も入れず、行動が制限されてしまう群発期。さらに禁煙を強いられてストレスを感じると、よけいに発作が増えてしまいそうな気もします。しつこいようですが喫煙が発作の直接的要因になったことはないので、ガス抜きのために喫煙ぐらいしてもいいんじゃないか、と個人的には思います。
 なお現在、私は有害性がきわめて少ないと言われる低加熱式たばこをベースに愛飲していますが、それも紙巻たばこと同じく発作に発展したことはありません。

「食べ物は気分次第が大きい」
 正確には、おそらく食べ物も制限したほうがいいのでしょう。調べていくとチーズや加工肉がダメというページをよく見ますが、多くは「一般的な頭痛や偏頭痛の時、食べないほうがいいもの」として挙げられています。
 たしかに頭痛および痛みのメカニズムは似ています。それらに含まれる物質が痛みを呼ぶ、という部分は同じでしょう。しかし群発頭痛でも同じかというと、かなり微妙です。
 もしも食べていて頭痛要因になることが多い、と感じれば食べるのをやめる。それぐらいにしないと、あらゆるものが食べられなくなります。食べ物が原因かと思えば、冷静に考えてみると部屋が暑かったり、本当の要因の多くは別のものであることが多いです。
 それよりも熱いスープや激辛料理は、代謝を上げて血管を拡張するので危険です。ただしコンディションや程度にもよりますし、食後にしっかりクールダウンすれば大丈夫なケースも多いため、禁忌とは言えません。その理論で言えばタマネギや生姜も危険な食べ物ということになってしまいますが、個人的にはそれらで発作が起こったことはありません。
 つまり、群発頭痛には明確な禁忌食物はなく、多くが「気分次第・状況次第」ではないかと私は感じます。
 逆に、その通りに従えば「これを食べていないから大丈夫!」と気が楽になる側面も、あるかもしれません。
 ただし、群発頭痛はいわゆる「プラセボ効果(プラシーボ効果)」(=薬を飲んだから大丈夫、と思い込んで調子がよくなる効果)が皆無なことでも有名。「何でも気にしすぎてしまう」ことを抑止するものとして考えたいですね。

 他にも気圧の変動が激しいと発作が起きやすくなったりしますが、あくまで傾向であり、防ぎようがないので割愛します。


(7).【仕事への支障】

 群発頭痛は20代~40代の男性に多く、それこそ「働き盛り」な人に起こります。しかし近年は50代以上や、女性の患者も増加しています。
 そうした層の不安は、仕事。他の頭痛のように「仕事が手につかない」のではなく「仕事どころではない」からです。
 1日に複数回の発作があり、さらに熱や運動などの外的要因でも発作が起こることがあることから、そのたびに現場を離れる必要があります。芸術方面の完全個人仕事でもない限り、どんな仕事でも「仕事が止まって迷惑だ」と言われかねません。
 しかし、ずっと述べてきているように、群発頭痛は他者からの理解が得られにくいもの。もしも人事権のある上司にそう思われれば「仕事に支障をきたし、解雇もやむなし」という判断を招きかねません。

 しかし、自分からその話をすると、リスクヘッジとしてリストラや部署変更を招きかねない。転職でも、面接で言う勇気もない。それが群発頭痛を抱えながら働く人の、現状でしょう。
 患者にできることは、痛みの時間がわかっていれば、その時間に何らかの仕事や理由を設け、席を外す習慣をつけること。そうすれば姿が見えなくても、探されずにどこかで痛みが引くまで耐えることができます。
 また血流を上げるような外的要因を避けること。忙しく立ち回ると起こることも多いので、現場から一歩身を引くことができればいいと思いますが、なかなか難しいでしょう。
 ベストなのは、会社が群発頭痛に理解を示す「上司クラスが群発頭痛患者であること」ですが、なかなかないようですね……。


(8).【偏頭痛と一緒にしないで】

 群発頭痛の話をすると、よく言われることがあります。
「私も偏頭痛持ちなので、わかります」
 これを言われると、群発頭痛患者はもれなく複雑な心境になります。
「自分を心配してくれている。自己投影してくれている。それはありがたい……しかし、まったくの別物なのになぁ」
 そのため繕った感謝の言葉を返すしかなく、しかしすっきりしない心持ちで、その人の偏頭痛話を聞くことになってしまいます。そのまま、それに合わせた相槌を選んで会話することになります。
 もちろん、偏頭痛について群発頭痛患者は共感する部分は少なく、しかし違うと主張すれば相手を「心配してやったのに!」という気分にさせまいかと、単純に相手に気を遣ってしまうのです。

 多くの群発頭痛患者が、思っているはずです。
「偏頭痛と一緒にしないで!」と。
 市販薬でも効果があり、極度の痛みにはイミグランを使用する偏頭痛と違い、群発頭痛は「イミグランしかない」。気軽に人に言えるような病ではなく、理解が得られないことがわかっているから、あまり口にできない。
 また、同じ「頭痛」という名称ですが、一般的な頭痛症状と似ている偏頭痛に対し、群発頭痛は「頭がズキズキとかではなく、目玉周辺が地獄の痛み」。まったくの別物です。たしかに同じ三叉神経痛の部類ですが、痛みの質や度合いがまったく違います。
 我慢すれば食事やトイレもできる偏頭痛に対し、群発頭痛は発作が起こると「何もできません」。
 私自身、どうやら同時期に片頭痛も併発しているようで、明らかに群発頭痛と質が異なることがあります。しかしそこに「耐えられる」「耐えられない」の絶対的な違いを感じます。

 とても言いづらいですが、偏頭痛と混同視されて同情されると、たとえば……
「一文なしで『3日間、何も食べていない』と言っているのに対して『わかるよ。俺も貧乏だから、今日の昼は食べてないんだ』と言われているような気分」
……に、なってしまうのです。

 だから群発頭痛の人は、自分の症状を話したがりません。混同視や同情、または「たかが頭痛ぐらい」といった反応が待っていることが、わかっているから。
 偏頭痛の方は自分もお辛いでしょうから、きっとそう言ってくれるのだとは思いますが……その発言が、実は群発頭痛患者を苦しめている側面があるということを、知ってもらえれば助かります。
 これは、とても言いづらいことですが……。


(9).【わずかな情報、わずかな希望】

 情報がきわめて少ない、群発頭痛。
 対処法を検索しても一般的な頭痛や偏頭痛の情報ばかりヒットし、役に立たない……食事改善ができるのかどうかもわからない……。
 群発頭痛患者は、そうして調べた情報に一喜一憂しているのが現状。
 しかしその中でも、希望と言えそうな情報はあります。

「整体をすると効果がある」
 という情報が、以前からあります。
 神経系統の乱れを治せるのかわかりませんが、たしかに個人的にも整体をすると痛みが軽減される事が多く、その群発期の痛みが軽くなることが何度かありました。中には専門的に勉強して、群発頭痛治療としての整体をおこなっている医院もあります。
 しかしそこに目をつけた整復士が「広告手段として」掲げるケースも増えてしまい、Web広告の宣伝文句として定着してしまいました。そのせいで、検索して気になっても訪問できず、行ってみても効果がなかったという話もよく耳にします。ネットで見ることができる評判も、一概には信用できません。

 また2019年になって「帯状疱疹のワクチンが群発頭痛の予防に有効」という研究が発表されました。現状では50歳以上の方が対象ですが、50歳未満の方でも自費負担で可能ですし、それでも1万円もしません。1回の薬代程度で、そのシーズンの痛みを回避できる可能性があります。もしかしたら、もっと長く有効かもしれません。
 しかし長期研究がされていないので、その群発期だけで終わるのか、次の群発期にも効果が残っているのか、そもそも効果があるのか、などはわかっていません。個人的に、かかりつけ医師には「6割程度の効果」とも聞いています。
 群発頭痛の「治療」に、最も期待が持てるものです。私を含め、こちらを検討している患者は多いのではないでしょうか。


(10).【個人的な体験記】

 最後に、私の個人的な体験を記しておきましょう。

 私が群発頭痛を発症したのは、2013年の8月でした。接客業での勤務中、左目が突然どうしようもない激痛に襲われました。しかし閉店時間も近く、バックヤードで休憩してやりすごしたと記憶しています。
 その日は短時間の耐えられる痛みで済みましたが、その後、睡眠中に激痛に襲われて救急搬送されることに。しかし総合病院の深夜では内科医しかおらず、痛み止めのロキソニンを処方されるだけでした。無論まったく効かず、数時間ずっと苦しみ抜いて痛みが遠ざかっていき、疲れ果てて眠りました。
 翌日も翌々日もその痛みに襲われます。あまりの激痛に、眼球の痛みなので休日に眼科を訪ねました。しかし目を開いて「大したことない。腫れて赤くなってるだけだ」と処方箋も何もなく帰されました。
 医者を回れる休日を無駄にしたくないので、その足で別の眼科へ。するとそこでは「聞いた症状では目ではなく、神経ではないか? 神経内科を訪ねたほうがいい」と勧めてもらえました。
 もう一度、最初に緊急搬送された総合病院に行くと、神経内科には紹介状が必要とのこと。内科に回されて同じ病院の神経内科への紹介状をもらいます。CTもMRIも「異常なし」でした。
 日を改め、神経内科を受診して、ようやく群発頭痛と診断されました。そこで医師から初めて聞く群発頭痛という病についての説明を受け、症状が合致。やっと唯一の解決策(回避策)である、イミグランを手に入れるに至ったのです。

 発症してから病状が判明するまで「(1)緊急搬送 → (2)眼科A → (3)眼科B → (4)内科 → (5)CT、MRI → (6)神経内科」と、6回の診察を必要としました。
 そのぐらい、医師も患者に遭遇したケースが少なく、的確に判断できない症状なのです。
 もしも「眼科B」の医師が私の病状の傾向から神経系の痛みと連想しなければ、もっと医者を回ることになったでしょう。その医師も症状から判断したわけであって、群発頭痛の可能性があるという判断をしたわけでもありません。

 正確には発症より前、2010年ごろ原因不明の激痛が1回か2回だけ、訪れたことがあります。
 しかし偶発的なもので、すぐに治まりました。そのため病院などにも行かず、誰にも相談しなかったのですが、ひょっとしたら群発頭痛が始まる異変であり、兆候だったのかもしれません。

 群発頭痛と判明してから、およそ2年サイクルで夏を軸にして発症しました。2013年、2015年、2017年、2019年……と、今年までに4回。
 しかしその間にもイレギュラーな痛みが発症し、多くが短期間で終了しているものの、それを含めるとほぼ毎年です。そして2020年、これを書いている最中も群発期にいます。しかも通常の2年サイクルの痛みや期間と同程度の、重い群発期に。
 よって2010年をノー・カウントとしても、7年間で少なくとも5回以上。法則性から2年に1回と考えていたのですが、こうなってくると「ほぼ毎年」と考えたほうがいいかもしれません。まるでサイクルは無関係になりました。
 これだけでも、いかに群発頭痛に法則が通用しないかがわかると思います。

 それから群発期にはイミグランが欠かせない生活となるのですが、医師によってはイミグランを「頓服」にしてしまう人もいます。
 インターネットで「頭痛外来がある」と書いてあって訪問した病院の話ですが、ただの宣伝文句でまったくそんなことはなく、医師は話してみても群発頭痛の知識が皆無で、典型的な「お医者様」でした。病院の決められた規定内で仕事をせざるを得ないのかもしれませんが、頓服指定で10個の処方では、数日間しか太刀打ちできません。作ったばかりの診察券を返納して帰り、別の病院を探しました。
 医師選びは決定的なポイントになりますので、群発頭痛の疑いがある方は気をつけたいものです。

 こうした個人的な経験がそこまで役に立つとは思いませんが、少しでも役に立てればと思い、書き残しておきます。


【最後に――私は「普通」です】

 群発期、症状は緊急搬送が必要なほどひどく、その様子を見せなくてもイミグランの副作用で調子も悪く、それだけ見れば「こいつ、ダメだな」と思ってしまうかもしれません。
 しかし、それは「その時期だけ」なのです。
 通常は至って普通ですし、傾向としては、真面目な方ほどなりやすい病です。仕事でも家事でも、人材としては「気が利く」「使える」方が多いとも言われています。
 これは、鬱病患者に似ています。鬱病も、真面目な方ほどかかりやすいもので、よく「心の病」とされますが、神経系統の病であることが判明しています。
 群発頭痛患者は、過去あるいはその時に鬱病を発症している人が多いと聞きます。つまりはどちらも神経系統の病なわけで、本当は普通なのに特別視されてしまう。「そうした特別視をせず、少し気を遣うだけで、普通に接してほしい」のも同じです。ついでに言えば「がんばってはいけない病」なのに、それを知らない人から「がんばれ」とか「我慢が足りない」と言われてしまうことも。
 時代的に、もはや隠すものでもないと思うので言ってしまいますが、私もかつて鬱病で数年間、ほぼ通院だけで日々を過ごしました。現在は完全に復調し、転職しながら、ずっと仕事も続けています。転職や転居をするたび群発頭痛が発症した際の環境保全を想定し、先んじて医者を探しておきます。

 鬱状態で過ごしている間、私が最も苦悩したのは「自分が特別視されること」でした。
 どうしても「何もできない、頼りにならない、いないも同然の存在」として扱われてしまう。それは社会として、仕方のないことかもしれません。動かない歯車は、外さないと機械自体が動きませんから。
 その中での希望は、私に「できるだけ普通に」接してくれた友人と家族でした。おかげで私は回復し、もはや過去として話すことができるようになりました。
 群発頭痛も、同じものだと感じます。
「特別視をせず、少し気を遣うだけで、普通に接してほしい」
 とてもわがままかもしれませんが、これが、共通する願いではないでしょうか。

 群発頭痛という病に、全面的な理解をしてもらえる時代が来るかわかりません。
 しかし可能であれば、群発頭痛が風邪や骨折のように、気軽に語られる時代が来てほしい。
 そのためにも、この文章が少しでも役に立てれば。

 そうした思いを込めて、この文章を終わりにしたく思います。
 とても長い、あまりにも長い、この長文をきちんと読んでいただけた方に、心からの感謝を捧げます。

 あなたが群発頭痛というものを初めて知ったのなら「そういう人もいる」と憶えていただけると助かります。
 お知り合いに似た症状の方がいた場合、医師の扉を叩くきっかけになれば幸甚の至りです。
 群発頭痛について調べている方であれば「自分の経験を一番大切にして、正しい情報だけ身につけていって」とお願いします。
 そしてもし、あなたが群発頭痛患者であれば、こう伝えたいものです。
「ともに無理せず、希望を持ちましょう」
 いつ終わるか、終わるのかどうかさえわからない、この群発頭痛に打ち勝つまで。
 決してあきらめることなく、少しずつ、ともに進んでいきましょう。

(了)

※2020年10月29日追記
 サカナクションの山口一郎さんが、この記事を紹介してくださいました。ありがとうございます!(私もサカナクションはよく聴きます)
 やはりその影響力は強く、この長い記事を本当にたくさんの方に読んでいただけました。群発性頭痛認知のきっかけになれて、まさに感無量です。
 おかげさまで、私は寛解期に入っております。
 山口さんも寛解期が早く訪れますよう、日々をなるべく平穏に過ごせますよう、お祈り申し上げます。
 ついでに言及しますと、別の記事で書いているウチの乳幼児の娘は「新宝島」が大好きで、歌ってあげるとサビで笑顔になります。いやホント。

 なお、このページの引用や掲載に関するご要望がございましたら、コメント欄などでご連絡いただけたら助かります。よろしくお願いします。
(↑念のため、トラブル防止のひとこととして)


※さらに後日追記
 別のページに、患者さん向けの記事も作成しております。
 体験談や具体的な話など、この病で苦しむ患者さんのお力になれれば幸いです。

「群発頭痛・応用編(患者さんに向けて)」
 ↓
https://note.com/balzax/n/n7cf318a27705

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