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続・大車輪 vol.1 ~ポップの祭典~

相対性理論からは芳しい返事をもらえていなかった。と前回のnoteで書いたけど、ブッキング自体が大苦戦していた。

最初はものすごい勢いで「出演できません」の返事ばかり来ていた。
催促しても返事をもらえないこともあれば、逆にこちらが申し訳なくなるほど丁寧なお断りメールをいただくこともあった。

その中でも印象的だったのがPANICSMILEだ。

出演は叶わなかったけど、対応してくれたフロントマンの吉田さんはなんて素敵な人なんだろうと感激してしまった。
かいつまんで書くとこのような感じだ。

とても面白い趣旨のイベントですね。
出演できるか、メンバーの予定を確認することはできます。
しかし、お誘いいただいたイベントと近い日にライブ出演が決まっているので、あまり集客できない可能性があります。
なお、出演料は〇〇円です。ご検討ください。

顔も知らない相手に、真っ直ぐな心を開示してくれた吉田さん。

僕はこのころ学生でお金がロクになく、状況的には出演バンドがARTLESS NOTEしか決まっていない段階だ。
大車輪にどれくらいの人が来るか見当もつかない。
出演料とホールレンタルの代金も払って、数万円の持ち出しになるのは避けたかった。

断腸の思いでこちらからお断りしたところ(文章作成に膨大な時間を費やした)、さらに返信で「頑張ってください!」と優しい言葉をかけていただいた。

吉田さん。なんてナイスガイなんだ。ますますファンになったことは言うまでもない。

そうこうしているうちに年を越して正月が終わり、保留中だったhaltオードリーシューズから出演OKの返事が来て僕は舞い上がった。

haltは要所で繰り出される気持ちのいい轟音が特徴的なギターロックバンド。記事のトップ画像がメンバー写真だ。ライブの熱量が高くて、初見で引き込まれたのを覚えている。
その中でもステージで踊るようにベースを弾いていた和田茉莉子は独特な華があったが、ステージを降りると「わだまり、おだまり!」でおなじみだったし、バンドの雰囲気のカギを握っているように思えた。

しかしここから数年で、ギターボーカルの坂口さん以外の当時のメンバーは脱退してしまった。今はバンド自体の活動も止まっている。
先日その頃のメンバーが食事会で集まったという情報が本人から発信されていて、僕はとても嬉しい気持ちになった。ライブハウスで彼らとくだらない話をするのが大好きだったから。

オードリーシューズは、前年にメカネロ(今でも大好き)が解散した後に、そのメンバーにより新しく始められたバンドだった。
2018年現在は活動していないが、ベースの林さんは作詞家として、ドラムボーカルのUさんは各所でドラムを叩きまくり、それぞれ精力的に活動している。

ここで我慢できなくなったので、メカネロの『カーテンコール』を紹介したい。
僕のポップの概念を覆してアップデートした、色あせない2005年の名曲だ。
女性ボーカルでは大森まり子さんを超える存在には出会っていない。この声にこのメロディー。なんてこった。

ああ・・いい曲だ・・さて話を戻そう。

相対性理論にはイベント内容が動いたら逐一報告し、思いの丈をブチまけ続け、「いついつまでに返事します」というメールをいただいていた。
その間のライブにも観に行き、そこでも思いの丈をブチまけ続ける。
半分ストーカーだ。しかし被害届は出ていないどころか、広い心で対応していただいた。

そして2008年1月15日、深夜3時半。

この頃の僕はメールボックスを日に100回くらい覗いており、生活リズムも破綻していたせいで、相対性理論からメールが返ってきていたことにすぐに気づいた。
あーもうメール送りすぎたし鬱陶しいからお断りされるかな・・と緊張しながら恐る恐る開くと、そこには・・

「この度のイベント、是非参加させていただきたく思います」

?!!

ウッソ??!ウソでしょ?!!

震える手で関根に即連絡すると、彼も同様に生活リズムが終わっており、大興奮のメールがすぐに返ってきた。

まだ続く

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