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カレー68食目、Very Wellのキーマカレー

その日、新潟出張から帰りの電車に揺られる僕は疲れに疲れきっていた。

前夜の23時にラーメンでシメられた胃は重く、朝に何か食べようという気は起きないだけではなかった。誰かが新幹線の切符を間違って取得したのだ。

酒気、眠気、出張の疲労が最高潮に達していて、あとは眠るだけの状態で切符を予約してはならない。
寝る前の僕が余計なことをしてくれたおかげで、翌朝ギリギリ起きた僕に迷惑がかかっている。犯人は僕であるけど僕ではない。

切符を取り直したりしているうちに新幹線が出発する時刻となり、東京に着いても胃の最終更新日はラーメンで止まっていた。

食欲が湧いてこないのは、つまり何も食べていないからだ。瞬時に哲学者となった僕は悟った。ソクラテスにLINEで連絡を取るが既読にならなかった。

そしてわずかに残る理性が「今までに食べたことのないカレーを食べなければならない」という指令を出した。

そして八王子の「Very Well」に行くという答えが弾き出された。

情報なしでは入りづらいにも程がある立地そして外観。
元々スナックじゃないとしたら、その理由を聞いてみたいくらい元々スナックの雰囲気を醸し出している。

店内に入ると丁寧かつキッチリした接客のお姉さんがお出迎え。
この時点で外観で感じた不安は一掃される。メニューはこんなかんじ。

起床から4時間以上も絶食していると判断力が著しく低下する。その中でどれも美味しそうという二重ハードル障害物一人相撲。メニューを決めるのに5分ほど要した。

僕が選んだのはキーマカレー。0辛~8辛まであって、0辛で中辛というから1辛にした。
あと、ナンとライスがあるけど、初めての人はライスでいってくれよな!というようなメッセージが店内に掲げてあったので、忠実な僕はライスにした。

これは。

ジャスティス!!!

結論からいうと、とても美味しかった。そして1辛でも充分に辛い。頭皮に汗をかくくらいに。体調によっては0辛でもいいかもしれない。

器が石焼なので、運ばれてきてからもずっとカレーがグツグツいっている。

キーマカレーは口の中で芳醇な香りが広がり、最後に花のようなスパイシーさが抜けていく。なかなか独特な路線のカレーだ。メニューに「奥深いコクと絶妙な辛さ」と書いてあるけどその通りだと思う。

万人受けはしないかもしれないけど、とてもクセになる味だと思う。思い出したらまた行きたくなるようなカレーだ。

最後はデザートのヨーグルトで口の中をさっぱりさせて、ごちそうさまでした。支払いはクレジット、PayPayなどにも対応していて嬉しい。

八王子カレーは個人的にはGARAKUが群を抜いて好きだったが、強力な選択肢が加わった日となった。これだからカレーはやめられない。

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