見出し画像

「キミ、うちの会社に興味ない?」

知人の息子は、東京の某有名大の学生で、その大学周辺の飲食店でアルバイトをしている。

ある日、客の中年男性とこんな会話を交わしたそうだ。
「キミ、○○大学の学生さん?」 「そうです」
「何年生?」 「3年生です」
「学部は?」 「☆☆学部です」
「出身はどこ?」 「◇◇です」
「ひょっとして、△△高校出身?」 「そうです」
「えーッ、僕の上司がその高校の出身なんだよ。僕、◎◎に勤めてるんだけど、キミ、うちの会社に興味ない?」

そう、スカウトである。
今は売り手市場なので、こういう現象まで起こっているのである。
店に入ったのも、飲食ではなくスカウトが目的だったのかもしれない。

その「◎◎」という企業は、誰もが良く知る大企業。
ただ、働かせ方に問題があり過労自殺者も出したりして、近年ブラック認定されている企業でもある。

売り手市場である今の時代に、ブラックなイメージがついてしまっているという運の悪さ。

以前なら、名門大学の学生の志望者がわんさといただろうに、さすがに少し敬遠されているのだろう。

でも、企業として名門大学の学生へのこだわりは捨て切れず、このようなスカウト活動に出ているわけだ。
そんなこだわり、この際、捨てりゃいーのに。

結局「公務員志望なので」と断られ、その社員はガックリと肩を落として、店を後にしたのだそう。。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?