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129フジミドリシジミ

投稿の間隔がかなり開いてしまいました。 とりあえず今回の記事で一度区切りにします。 フジミドリシジミは年に1回、主に山地で発生します。 標高が低いと5月下旬、高いと7月頃になります。 東京の有名ポイントは5月下旬の発生で、植樹のブナ、イヌブナの樹冠で観察できます。 近年は多くの撮影者が集まりますが、良い位置で撮影するには幸運が必要です。 そこで撮影した雌の翅裏です。 雄に比べて地色が濃いのが雌の特徴です。 その後に少し遠くで翅表も撮影できました。 雌の翅表は地味な茶色です

    • 128ジャノメチョウ

      ジャノメチョウは平地から山地の草原に生息します。 年に1回、7月から8月に発生します。 標高の高い高原で見る機会が多いです。 他の蝶を目的に出かける高原なので、良いシーンでないとカメラを向けないことも多いです。 ススキの葉上での開翅です。 翅裏はマツムシソウでの吸蜜です。 地味な蝶なので花に負けていると感じる人もいるかもしれません。 それでも、綺麗な花と一緒に撮影できると嬉しいです。 シモツケでの吸蜜は翅を開いていました。 少し擦れているでしょうか。 交尾は何度か撮影し

      • 127ウスイロオナガシジミ

        ウスイロオナガシジミは年1回、6月から7月頃に発生します。 低山でも発生しますが、主に少し標高の高い山地のミズナラやカシワが多い林に生息します。 翅裏は近似種のミズイロオナガシジミ、オナガシジミに比べると少し黄色味を帯びています。 このときは山形での撮影で、複数の個体を観察しました。 広角で撮影した1枚です。 今年は貴重な斑紋異常を撮影しました。 近似種で平地に多いミズイロオナガシジミではこのような異常が多く発生します。 本種では非常に稀なので幸運でした。 群馬の高原で

        • 126オオチャバネセセリ

          オオチャバネセセリは平地から山地まで広く生息しています。 平地では年に2回から3回の発生で、1化は6月頃に羽化します。 平地では多産する場所を知りませんが、高原などでは多数を観察します。 各種の花での吸蜜を観察しています。 ヒメジオンでの吸蜜です。 白い斑紋がジグザクに並んでいるのが特徴です。 オカトラノオでの吸蜜は翅を開いています。 翅表も近似種とは違いますが、翅裏に比べてわかりにくいです。 アザミでの吸蜜と飛翔です。 腹部の形状から、どちらも雄のように見えます。 求

        129フジミドリシジミ

          125オオルリシジミ

          オオルリシジミは草原に生息し年に1度、5月から6月に発生します。 本州では各地で草原の減少で絶滅しています。 長野では数カ所で飼育個体から保護地域での自然発生に成功しています。 また飯山市では生き残っていた野生個体群が再発見されています。 こちらは行ったことがありませんが、東御市などの保護区で何度か撮影しています。 シジミチョウとしては大きめで、翅裏の腹部に近い部分が青味がかかるのも綺麗です。 翅裏は雌雄の差はほとんどありませんが、翅表は雌が黒帯が太く黒班が目立ちます。 雌

          125オオルリシジミ

          124エルタテハ

          エルタテハは山地の樹林などに生息します。 年1回の発生で、7月から8月に発生し成虫で越冬します。 林道の崖などではミネラルを補給するための吸水がよく観察されます。 鮮やかな翅表が魅力的です。 ヒオドシチョウと似ていますが、一番の違いは後翅にも白紋があることです。 多くのタテハチョウと同様に翅裏は地味で目立ちません。 「L」字の白い紋が和名の由来です。 この白樺では樹液の出ている場所もあり、吸汁も観察されています。 残念ながら撮影に行った日は観察できませんでした。 樹液では

          124エルタテハ

          123カラスシジミ

          カラスシジミは年に1度、6月から7月頃に発生します。 主に低山から山地の植樹がある沢沿いに生息します。 少ないですが、平地にも生息しています。 平地では5月の中旬から発生し、そういう産地で撮影したものです。 主な植樹がハルニレで、その葉の上です。 山地の川にかかる橋では白い花で吸蜜する個体を撮影できました。 移動中に偶然撮影できたもので、場所を記録していないので分からないのが残念です。 吸蜜はヒメジオンが定番ですが、あまり撮影機会に恵まれていません。 広角で撮影したものを

          123カラスシジミ

          122ウスキシロチョウ

          沖縄の蝶は数回しか行っていないので、紹介するほど撮影できていない種が多いです。 ウスキシロチョウは産卵なども撮影できているので紹介します。 沖縄では周年の発生で、平地から低山の明るい環境で広く生息しています。 雄の翅裏は薄い黄色で、後翅が少し濃い色になります。 雄は翅表がほぼ白で縁が少しだけ黒くなる程度です。 左下はイシガケチョウが写っています。 雌の方は黒が発達しますが、撮影できていません。 これは翅を閉じていますが、透けて翅表の模様が分かります。 時期などで黒の発達は

          122ウスキシロチョウ

          121ヤマトシジミ

          ヤマトシジミは都会でも生息するシジミチョウです。 シジミチョウの中でも、もっとも身近な種でしょう。 平地から低山に生息し、年に5回程度の発生です。 雄の翅表は青く、低音期では白っぽい青になります。 この雄も11月の撮影です。 雌はほぼ全体が黒ですが、良い写真がありません。 こういう身近な蝶は、いつでも撮影できると熱心に撮らないことが多いからでしょう。 雌は低温期だと青い面積が広く綺麗です。 食草のカタバミで吸蜜する雌です。 翅裏は白っぽい地色に黒い斑紋です。 今年撮影した

          121ヤマトシジミ

          120ホシミスジ

          ホシミスジは高原などに生息し、年に一回7月、8月に発生します。 僕にとっては群馬や長野、山梨などの高原の蝶ですが、近年は植栽の影響で東京の郊外でも増えています。 平地では年に2、3回の発生のようです。 東京では幼虫や蛹を撮影していますが、掲載するのは高原で撮影した成蝶です。 ミスジチョウの仲間は数種類が生息していますが、翅表の白線が細かく別れているのが特徴です。 同じ特徴は翅裏でも確認できますが、後翅に多数の黒班があるのも特徴です。 吸蜜の撮影機会は多くはありませんが、数

          120ホシミスジ

          119ヒメギフチョウ

          ヒメギフチョウは年に1回、4月頃に発生します。 春だけに発生するスプリングエフェメラルの1種です。 関東では群馬の赤城山の一部に生息しています。 保全活動の成果で増えてきましたが、近年は厳しい年も多いようです。 定番はカタクリでの吸蜜ですが、カタクリが咲かない産地や、少ない場所も多いです。 一番まともに撮影できたのは山形のギフチョウとの混成地での撮影です。 ギフチョウに比べると赤や橙が少なく質素な印象です。 スミレやフキノトウも好んで吸蜜します。 スミレは背丈も低く、吸蜜時

          119ヒメギフチョウ

          118アイノミドリシジミ

          アイノミドリシジミは山地性のゼフィルスです。 年に1回、7月頃に発生します。 雄は7時頃から10時頃が活動時間です。 メスアカミドリシジミと同様に高い位置に止まることが多いので、翅表の撮影は難しいです。 2年前に撮影した場所は距離は遠いですが、見下ろす角度で撮影できます。 少し擦れていますが、まずまず綺麗な雄です。 もう少し金緑で撮影したいのですが、あまり飛ばない場所なので運次第です。 昨年は良い位置での撮影チャンスはなしでした。 翅裏は葉の上での良い写真がないので、吸水を

          118アイノミドリシジミ

          117アカボシゴマダラ

          アカボシゴマダラは日本では奄美大島だけに生息していました。 ところが20年以上前に中国産を放蝶したと思われる個体群が神奈川で見つかりました。 僕が蝶の撮影を始めた頃はまだ神奈川中心の発生だったので、何度か撮影に行っています。 ところが徐々に分布を広げて今では関東北部でも多く観察できる状況です。 年に3回程度の発生で、最初は5月頃に発生します。 後翅に赤い斑紋があるのが名前の由来ですが、春は消失傾向の個体が多いです。 この個体はかすかに赤が出ていますが、完全に消失した個体もいる

          117アカボシゴマダラ

          116ウスイロヒョウモンモドキ

          ウスイロヒョウモンモドキは西日本の草原に生息しますが、絶滅が危惧されている蝶の1つです。 数カ所で保全活動が行われていますが、どこも厳しいようです。 年に1度の発生で、6月下旬から7月に発生します。 僕が行ったのは2007年で、当時は数がかなり増えていました。 1泊2日で初日は調査の手伝いを半日ほど行いました。 その日も少し撮影しましたが、掲載するのは全て翌日の観察会での写真です。 葉に止まる雄です。 こちらは雌で、雌の方が黒が発達しますが、分かりにくいかもしれません。 前

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          115クロヒカゲ

          クロヒカゲは年に3回程度の発生で、5月頃に1化を見ることができます。 平地から山地の樹林や周辺で観察できます。 地味な蝶ですが、新鮮な個体は綺麗です。 近似種のヒカゲチョウよりも翅表は黒っぽいですが、翅裏は似ています。 後翅の眼状紋の内側の暗色条が大きく湾曲するのが特徴の1つです。 前翅の眼状紋は通常は1つか2つ、3つの個体も見ることがあります。 この個体は4つなので、かなり珍しいと思います。 翅表の撮影機会は少ないですが、夕方にテリトリー行動する雄は比較的撮影機会がありま

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          114クロシジミ

          クロシジミは平地から山地の草原などに生息します。 年に一回の発生で、7月から8月頃です。 かつては関東の平地でも多く生息していたようですが、現在はかなり遠くまで行かないと観察できません。 標高の高い草原でも生息は局所的で、数カ所でしか観察したことがありません。 クロオオアリの巣へ運ばれて共生する珍しい生態です。 クロオオアリが生息する草地のススキなどで観察する機会が多いです。 ススキに静止する少し白化した雌です。 シジミチョウの中では大きい方で見応えあります。 雄は前翅の先

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