小さいころ誰かに「お父さんとお母さん、どちらが好き？」と聞かれたことがありますか？

私は小学生のころ、何回か母親から聞かれた記憶があります。そう聞かれるたびに私は「私に、何をいわせたいのだろう」と言葉にならない憤りを感じていました。

父は娘の私に甘く、口出しをしませんが家庭に興味がないタイプで、必要なお金を渡すから家の中はまかせた！　と無責任臭がただよう人。一方の母は厳しくないけど日によって気分が変わるタイプ。お金にゆるく、ギャンブル好き。家のお金を使い込むこともたびたびありました。

母の浪費癖に父が文句をいう、という形で夫婦ゲンカがたびたびありましたが、聞くにたえないような内容ではなく、長々続くこともなかったので実際のところ、夫婦仲が良いのか悪いのか私にはよく分からなかったんです。

けれど母からときおり放たれる「お父さんとお母さん、どちらが好き？」という質問は、私を少なからず落ち着かなくさせました。

もしかすると、父と母は離婚するつもりなのではないか？　まだどうなるか分からないけれど、もし別れることになったら私をどちらが引き取るべきか？　本人はどちらにつきたいのか？　今のうちに聞いておこう。

そう思っているのではないか、と不安になりました。

おそらく、質問されたときの私の憤りは「真意の分からない質問で、私を不安にさせるな！」という怒りだったのだと思います。

どんな意図があって聞いたのか、今度母に聞いてみようと思います。「なんとなく」とか返ってきそうでこわいけど。