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【唐揚げ】を考える

唐揚げとは、食材に小麦粉や片栗粉などを薄くまぶして油で揚げたものです。
そして唐揚げといって、鶏の唐揚げを連想する人は多いと思います。

なので今回は「鶏の唐揚げ」を中心に、
唐揚げについて考えていきましょう。



料理の基本概念


料理で大切だと思うことは、
この料理をどう仕上げたいかとゴールを定めることです。

例えばチャーハンなら「パラパラに仕上げたい」とか、
スープにしたって「ピリ辛だけど少し酸味を効かせたい」など。

でも、意外とこれを決めない人が多いです(まぁ、なくても作れるので)

すると「ごはんを炒めりゃチャーハンでしょ」とか、
「あるもの適当に入れればスープなんて美味いでしょ」などとなります。

まぁ、それもひとつの料理の考え方なので大丈夫です。
ただ今回は私の考えを述べます。

こう仕上げたいというゴールを決めたら、
そのゴールにたどりつく方法論を考えて向かうだけです。

パラパラにしたいから強火で炒めようとか、
パラパラにしたいから先にお米と卵を混ぜておこう。

ピリ辛にしたいからこのスパイスを入れようとか、
酸味を効かせたいから酢は最後の仕上げに入れようなど。

この○○にしたいから☓☓という手法を使う。

突き詰めれば料理はこれだけだと思います。
それではこの考え方で唐揚げを当てはめてみましょう。


鶏の唐揚げ



さて、鶏の唐揚げの場合皆さんはどう仕上げたいですか?

「カラッと仕上げたい」
「ジューシーに仕上げたい」
こんな感じでしょうか?

それで十分ですし、このゴールを決めることが大事なんです。
これが前述の考えだとどうでしょう?

「唐揚げなんて衣つけて油で揚げて火が通ればいいんでしょ」です。
そしてそうです、それも唐揚げです。

仮に油でべしょべしょで、肉はパサパサだったしてもそれは唐揚げです。

でも「カラッとジューシーな唐揚げ」の方が食べたいですよね。
だったらそうなる手法で作りましょう!

揚げ物の方法論


カラッと揚げるために必要なことはなんでしょう。
そうです、温度です。

というより揚げ物料理の8~9割は温度が全てです。

唐揚げの温度は一般的に170~180℃
これより低いと、油を吸って(油切れが悪く)べしょべしょに、
高いと(中に火が入る前に表面が)焦げやすくなります。

ではジューシーに仕上げるにはどんな方法をとりましょうか。
これにはいくつかの手法があると思います。

・逆説的な方法をとる

ジューシーにしたいなら、パサパサにさせないということです。
パサパサになるのは過度の加熱が原因です。
油で加熱するとまず表面(外側)から熱が伝わり、徐々に内面へと向かいます。
これにより中身の水分が蒸発により抜けていきます。

パサパサな状態とは、必要以上の加熱でお肉の水分が抜けきった状態を指します。
なのでこのパサパサな状態を避けることが、
逆説的にジューシーにさせる方法のひとつです。

・二度揚げをする

もうひとつの方法は、この加熱の仕方を考えるということで、
「二度揚げ」はそのひとつです。

低温調理なんかと同じ理屈ですが、ゆっくりと熱を伝えることで、
タンパク質の習性を用いて食材をしっとりとジューシーにさせます。
二度揚げもそのひとつの手法で俗に言う「肉を休ませる」状態を作ります。

一度目で表面の衣の部分を固めたら、完全に中まで火が入る前に油から上げます。
これが休ませる状態です。
そのまま余熱でゆっくり熱を伝えるイメージですが、これだけでは火は入らないので、二度目の投入で完成させます。
そしてこの二度目には表面をカラッとさせる効果もあります。

・大きめにカットする

これは個人的な意見ですが、
気持ち大きめにお肉はカットした方がジューシーになります。

考えてみてください。
1cm角にカットしたものと、一枚まるまる揚げたもの、
どっちが中身はジューシーですか。

あまりに極端な例えですが、理屈としてはそうだと思います。

とはいえ口に入らないほどの大きさでは問題なので、
気持ち大きめくらいでいいと思います。

味付け


揚げ方の説明は以上ですので、あとは味ですね。
唐揚げは食材に下味をつけて(漬け込んで)揚げるものと、
粉の方に味が付いてて(からあげ粉など)揚げるタイプがありますが、

今回はマリナード液(漬け込む液)のレシピを一つ紹介します。

薄口醬油:900g  酒:450g 
にんにくおろし:130g 生姜おろし:160g

唐揚げのマリナード液


これのレシピのポイントは薄口醤油を使っていることです。
普通(濃口)の醤油とは塩分濃度が違うのでご注意ください。
ちなみにわたしは「東丸」という種類をよく使います。

ただし、この分量はお店で使っていたので多いです。
作ってみるなら10分の1でも良いでしょう。

お肉に味が染みるのに15分~20分は漬けてください。


その他の唐揚げ


さて、唐揚げの考察は以上です。
鶏以外にも唐揚げはありますが、作り方(考え方)は同じです。

どんな唐揚げでも「油っぽくならない」「カラッと、サクッと」などのゴールを目指して作ってみてください。

合う合わないの食材はあると思いますが、
基本的に揚げれば唐揚げです。
その意味では可能性は無限大です。

最後に私の好きな唐揚げを挙げておくので、
アイデアの足しにでもしてください!


・肉類

手羽先、手羽元、豚肉、砂肝

・魚介類

タコ、イカ、甘えび、川エビ、芝エビ、カレイ、小アジ、サバ、目光

・野菜類

そら豆、とうもろこし、ごぼう、里芋、レンコン、ゴーヤ



ではでは。
すてきな唐揚げライフを!!

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