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皮膚瘢痕が小さくなる!?線維化のメカニズムと瘢痕抑制にリンパ浮腫への応用も期待

東邦大学医学部病理学講座の赤坂喜清教授らの研究グループが、先日世界で初めて皮膚傷痕の瘢痕を小さくするmicroRNA146b-5pをラット研究で明らかにしたとのこと。

https://research-er.jp/articles/view/108814

中でも私がとても興味深く読んだのが、脂肪組織による新たな瘢痕抑制メカニズムとしてmiRNA146b-5pによる脂肪間質細胞におけるPDGFRα発現抑制が示されたということです。

いわゆるケロイドの仕組みとそれを抑制するものを発見、同定したという研究ですが、それだけではなく、メタボリックシンドロームのような自然炎症と起こした脂肪細胞に対しての効果も期待されているようです。

リンパ浮腫患者さんの皮膚は時に繰り返される蜂窩織炎や脂肪細胞の異常増大、リンパ液のうっ滞・貯留等により、線維化が進み皮膚硬結や像皮症を呈することがあります。

個人的にこの現象に、今回の研究が応用できるのではないかと期待しています。miRNA146b-5p mimicやinhibitorを投与したラット皮膚潰瘍では10日目で瘢痕線維化の減少と増加をそれぞれ認めたとあります。

将来的にリンパ浮腫患者さんの蜂窩織炎後に薬剤を内服または投与することで皮膚の瘢痕線維化が防げるとしたら、、、。

妄想が現実になる日が来ることを願って。 


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