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短歌 草花に託し

<生け花展>
    彩りに 水面に影を 映しけれ
       草花香る 夏の涼風

<かきつばた>
    濡れ染めて ふかき むらさき かきつばた
      妖美に咲きて われを誘う

<かぼちゃ>
   花も咲け 美味き実もなれ 育ちゆく
      かぼちゃの茎の のびる楽しさ

<バラ満ちて咲く>
   住むひとの 絶えて久しき 荒れ庭に
       今を盛りに バラ満ちて咲く 

<つゆの草>
   つゆ草の あちこち咲きて 古庭に
      やさしき思い 胸に秘めつつ

<雑草>
   花も咲け 緑も繁れ 陽の中に
       責めぎ競いて 育つ草花 

<白菊>
   白菊の やさしき香り 母想う  
      名は「きく」と云う 今 百と四歳 

<梅咲きて散る>
   恩師逝き 一年過ぎし この春も
       梅咲きて散る 想いしずかに

<櫻花>
   つかの間の 夢かうつつか
      散りて花びら 土に帰らん 

 

                                                      ©Hyosaku Horiguchi
  

 


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