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ペルソナとイノベーター理論、サービスの成長を見据えて

現在、デジタル新規サービスの立ち上げ真っ最中、さかいずむです。
サービス構想当初からペルソナ設計をしていたのですが、ある時点でしっくりこず色々思考した結果、ペルソナ像を5ユーザ設計しました。今日はその設計に至った経緯と見えてきたことを綴ります。

ペルソナ手法
概要:検討対象となる商品、サービスなどから仮想の人物(ペルソナ)を想定し、その仮想人物に沿ったシナリオを作成する人間中心設計技法。

サービス構想当初、サービスに参加してくれるであろうペルソナ像は設計していました。サービス特性上、2〜3ユーザではなく、1ユーザに絞りました。
だがしかし、サービス構想中盤でサービスの成長やマーケティングを考え始めた途端、今のペルソナ像ではしっくりこなくなったのです。

「この人は永久にサービスを使い続けてくれるのか・・・」

サービスの成長を見据えた時、現在想定しているペルソナ像及びサービス自体に疑問が湧き上がりました。

時点によってペルソナもサービスも進化し変化する。

サービスはリリースした時点が本当のスタートとなり成長・拡大していきます。現在と2、3年後のサービスを比較した時、サービスの内容も利用するユーザも異なるではないか、そんな考えたら当たり前なことに気づきました。

そこで、思いついたのがペルソナ像を時点で分けて設定すること。今回は社会学者のエヴェリット・ロジャースが提唱したイノベーター理論を採用し、

・ユーザ(採用者)の特徴×サービスへの参入者の特徴
・ユーザ(採用者)の時間軸×サービスの成長時間軸


と、ゼグメントして思考しました。
実はこのイノベーター理論自体は以前から知っていたのですが、ペルソナ設計やサービスの成長と掛け合わせて採用するのは初となります。

イノベーター理論(普及学、英: Diffusion of innovations)
概要:新しいアイデアや技術が社会になぜ普及したりしなかったりするかや、どのように普及するかを説明しようとする理論である。アイデアが普及・拡散する過程の採用者を標準的な5カテゴリに分け、これら採用者の数を時間軸にわたってプロットする(図は度数分布曲線)


イノベーター(革新者):2.5%
新しいアイデアや技術を最初に採用するグループ。リスク許容度が高いため、のちに普及しないアイデアを採用することもある。

アーリーアダプター(初期採用者):13.5%
採用時期が2番手のグループ。オピニオンリーダー(集団の意思決定(流行、買物、選挙など)に関して、大きな影響を及ぼす人物)とも言われ、他のカテゴリと比較すると周囲に対する影響度が最も高い。イノベーターよりも取捨選択を賢明に行う。

アーリーマジョリティ(前期追随者):34%
一定の時間が経ってからアイデアの採用を行う。新たしいものを購入するのに慎重で、アーリーアダプターとの接点も平均的に持つ。

レイトマジョリティ(後期追随者):34%
平均的な人が採用した後にアイデアを採用する。イノベーションが半ば普及していても懐疑的に見ている。

ラガード(遅滞者):16%
最も後期の採用者。変化を嫌い、製品が伝統化するまで導入せず、身内や友人とのみ交流する傾向にある。

また、サービス創造には同じくエヴェリット・ロジャースのイノベーション要件(比較優位、適合性、わかりやすさ、試用可能性、可視性)も見据えて設計するとよいですね。

それはもう、長いロードマップを引きながら考えました。それでもサービスの軸がしっかりしていたのに加え、ユーザリサーチもしていたので、ペルソナ像は比較的早く出来上がりました。この手法を採用したことによりサービスを俯瞰して見ることができました。

この取り組みを行ったことで、これからどういう準備をする必要があり、今何を優先して取り組むべきかが見えてきました。
特にデジタルサービスではリリース時点から多様に変化し、サービスもユーザも成長していきます。それを見越して設計することで迷走や乖離に気づかないことを少しでも回避できるのではないでしょうか。

追伸
イノベーター理論を復習し、改めてリベラルアーツをしっかりと学びたいと思いました。経済学や社会学、哲学や数学・物理学、心理学やデザイン史など、知れば知るほど色々な分野の学問と絡み合っていることがわかりますし、なんせ面白い。でも、実戦で必要だからこそ理解度が増して面白さがわかるんだろうな、と思います。

最近イベントに参加できてないので、デザインやビジネスのイベントがあったら行きたいです。おすすめあったら教えてくださいー