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カレーとパクチー

「誰かの好きは誰かの嫌いなんだから、誰からも好かれようなんて贅沢だよ」と、カレーが言った。

「お前はいいよな、余裕があって」と、パクチーが言った。

「お前はいいよな。基本的には同じ味なのに老若男女好きな人のほうが多いしさ。肉とか魚とかバリエーションもないようであるしさ。まぁ基本的にはカレー味でしかないけどさ。俺なんか女子にしか好かれないし。お前はすごいよな。どんなものでもカレー味にしちゃうんだから。だけど俺は受け入れちゃくれないよ。せいぜいカレー皿の柄にでもなれたら幸せですよ」

「君、僕のこと嫌いだよね?」と、カレーが言った。

「いや、ちょっと合わないだけ」と、パクチーが言った。

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