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劇作家のまとめのまとめ『わかりあえないこと』を読んでみて


 さてさて、ペルソナと平田オリザさんの 2 冊の著書だけで、これだけ記事が書けるのかと、 自分でも少々驚いているが、 なぜ書こうと思ったか?って、 ただ、 今の感じていることを残しておきたかっただけで、 また数年後、 これを読み返した時、 自分の考えは変わっているかもしれない。そんな私の話はどうでもいいとして、まとめに取り掛かろう。

 私が読んだ彼の著書は、 『対話のレッスン』と『わかりあえないこと』の 2 冊だ。紹介した内容はごく一部なので、もし興味があれば、読んでみていただきたい。
さて、まとめに取り掛かるが、彼はいよいよ終了間近で、 「私はこの行先の一向に定まらない連載の中で、 ただ一点、 対話とは、 方法や技術ではなく態度なのだということを言ってきたように思う。 」 と書いてあった。

 ん?である。 (笑)

 態度という言葉は、 この連載の中で、この一言以外では、直近の二記事ほどであったのだが。 (笑)まぁ、彼自体、過去記事を読み返すことはないかもしれないし、 編集は編集社におまかせかもしれないので、 どうでもい
いのだが、 もう本当に行先が定まらず、 まとめにかかった感が感じられて読んでる側の私からしたら、まさに(笑)だった。

 まぁ、そこのツッコミはよいとして、オリザさんは、最後に、これからのコミュニケーション(伝達)は「伝わらい」ということから始まる。対話の出発点は、ここにしかない。 『私はあなたと違うということ』 『私は、 あなたが分からないということ』 『私が大事にしていることを、あなたも大事にしてくれるとは限らないということ』 そして、 それでも私たちは理解し合える部分を少しずつ増やし、 広げて、 ひとつの社会のなかで生きていかねばならないということ。 そしてさらに、 そのことは決して苦痛なことではなく、 差異のなかに喜びを見いだす方法もきっとあるということ。 とまとめられている。

 非常にうまくまとめられていて、 珍しくあとがきまで読んでしまったのだが、 ここでもツッコミを入れたくなるのが、私の意地の悪いところだ。 (笑)

 この著書を読み、間違った解釈 (まぁ、それもまた人それぞれなのだが) をしてしまう人がもしかしたらいるかもしれないので、付け加えていただきたいと思ったのが、 『私はあなたと~』 『私はあなたが~』 『私が~』とすべて主観であることに違和感を覚えたので、ここは『あなたも私と~』 『あなたも私が~』 『あなたが~』 もぜひ付け加えていただきたいと思う。

 連載記事の文字数の関係でかはわからないが、 主観でしかとらえることができない人が読むと、 『だから私を理解して!!』となりかねない。 そういう人向けにきちんと、 『相手の人も同じ気持ちでわからないのですよ』と伝えてほしかった。

 さて、 私のペルソナと平田オリザさんの著書の話もそろそろ終わろうと思う。 まとめとして、私が思うことは、世の中矛盾だらけでツッコミどころ満載ってことである。 (笑)というと、ものすごく反感を買いそうなので、少し真面目に書いてみる。

 私が思う対話とは、 どれだけ自分を出し、 相手に知ってもらうことができるか。 それもお互いにである。

 人それぞれいろいろな場面で少なからずペルソナ (仮面) を被ることがあるだろうが、交渉するなら話は別だが、 『わかりあおう』と対話がしたいと望むのなら、まずは自分をさらけ出す少しの勇気も必要だということ。

 自分のことは仮面で隠し、 相手の腹を探るようなことで、 わかりあえるわけがないのだ。 わかりあおうなんて思わない程度のお付き合いなら、 たわいもない会話と上っ面な交渉で十分である。

 正直、 わかりあいたいのか?わかりあえないでいいのか?わかりあいたいと思うのなら、本心のカードを一枚ずつでもいいから、 互いが出していかなければ、 相手が本当に望むものも、 こちらが本当に望んでいるものもわからないのである。

 それで、 『わかりあえない』 『なぜわからない?』 と言われても私からしたら、 バカなの?と思いたくなる。 お互いに持っている本心のカードを出し合い、そこで摺り合わせていくのが対話だと私は思う。 『わかってよ!』はただの主張である。

 私の言う、 多角的に物事を見なさいはそういう意味である。 自分を正面から見つめ (本当の自分を理解する) 、相手の想いも考え(対観) 、どこが良いかを考える(客観)それが自然にできるようになったもの同士が、 初めてわかりあえるのではないかと私は思う。 そう考えると、
おのずと答えはわかってくるよね。

 そう、 世の中のほとんどの人とわかりあえないのは当た
り前なのだ。

 わかりあえないことがわかったところで、オリザさんの著書の話はこれで終わりにしようと思うが、 では、 どうしたらいいのか?なぜ?仮面が分厚くなってしまうのか?なんて話を次回はしていこうか。

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