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【少年野球】「球数制限」ないってさ。

 「僕はベンチの16番」という4コママンガを始めた。学童野球で頑張る子どもたちを応援する、ほのぼのしたポジティブな発信をしたいからだ。
 にもかかわらず、今日もこんなことを書かなければならない。本当に心底うんざりする。

 最近ではめずらしく球数制限が大会規約に書かれていない大会だった。
同点で特別延長に入った試合は、審判によって投手の交代を促された。しかしよく調べてみると規約にその記載はない。

「球数制限ないそうです!」

 調べたコーチが監督にそう伝えると、ピッチャー交代は取り消され、その子は9回まで投げ切ることとなった。合計82球の完投。その前の週もその子は80球以上投げて完投している。
 
 私はその試合を見ていない。この話も伝聞だ。だがよく分かる。十分あり得る。あの人はやる。負けが続いて変わってしまった。いや、もともとそういう人間性だったのかもしれない。
 「勝ちたい」という欲に勝てる大人はもうこの世にいないのかもしれないとさえ思えてきた。なぜなら続投を告げた監督は「球数制限はチーム内でしっかりと基準を決めなければいけない」と言っていた張本人だからだ。それは昨年のことである。たった1年で、彼はこうなった。

 高学年の大会だと球数制限は70球が多い。だから82球は多いかと言われればたった12球増えただけである・・・だからセーフ。あと少しで勝てる・・・だからセーフ。本人も投げたがっている・・・だからセーフ。その子のお父さんも「コイツなら大丈夫です」と言っている・・・だからセーフ。「球数制限ないってさ」・・・だからセーフ!

 一生やってろ。


 




 

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