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⚾繰り返さない、あの悲劇を-大学生と大麻-

昨年、学生スポーツ界に激震が走りました。

日本大学のアメリカンフットボールの部員が、麻薬特例法違反容疑で逮捕されました。それだけに留まらず、歴史ある部の廃部が決まりました。

日本大学だけでなく、昨今、若者に広がる大麻というテーマで、様々なトピックが取り上げられています。


そんなことがあるのか。と、驚いた人は多かったでしょう。
大麻なんて自分には無縁だ。と、思った人もいるでしょう。



そんなことはありません。



首都大学野球連盟。
私の大好きな大学野球のリーグです。
四年前、同じような事件がありました。

東海大学硬式野球部の部員が大麻を使用し、処分を受けました。

一生忘れません。

2020年、コロナ初期で混乱の最中での出来事です。

違法薬物が蔓延し、身近にあるという恐怖。

手を出してはいけない。関わってはいけない。

そんなこと、子どもの頃から教育されているはず。
でも、実際に起こったのです。


今年で四年が経過します。
もうすぐ、当時のことを知る選手たちは卒業していきます。
即ち、知る人が誰もいなくなります。


二度と繰り返してはいけない。
この悲劇を誰にも味わってほしくない。


絶対に繰り返してはいけません。


首都大学野球連盟の王者であったチームが、一瞬にして失脚しました。この大麻事件が原因です。

もちろん他のチームが強くなったこと、他にも要因があることは否めません。しかし、ここまで急速に崩れ落ちてしまうのは、この件が引き金になったといっても過言ではありません。

東海大学の野球部員を責める意図で綴っているわけではないことをご理解いただけたらと思います。
むしろ、無関係である選手たちは『被害者』です。


この年、コロナの影響で春季リーグ戦がなくなり、全国大会にあたる秋の明治神宮大会も中止が決まりました。秋のリーグ戦はなんとか開催されましたが、通常の運営と異なり、一戦総当たりの戦いでした。四年生にとって貴重な最後の大会です。

そのような中で起こった事件。
東海大学に限らず、全てのチームが混乱しました。


2020年10月17日、事件の報道があった日、
首都大学秋季リーグ戦が平塚球場で行われる予定でした。

報道からすぐ、その日の東海大学と武蔵大学の試合の中止が決まりました。

平塚駅近くに宿泊していた武蔵大学の部員たちが、無言でバスに荷物を積む姿は今でも鮮明に覚えています。

「このまま試合をせず、僕たちは引退してしまうかもしれません」。

当時、この報道を受けて泣き出す部員もいたと聞いています。

きっと、東海大学の(無関係な)選手たちも同じ気持ちだったでしょう。

コロナ禍で異例の年に、まさかこんなことが起こるなんて、誰が予測できたでしょう。

この事件のあと、同連盟に所属する日本体育大学の古城隆利監督がこのようにいっていました。

「たまたま東海大学の学生(選手)だっただけ。どこの大学も、誰にでも起こり得ること。絶対にあってはいけないし、繰り返してはいけない」

言葉の通りだと思います。
誰にでもどこにでもあり得る話。
あってはならないけれど、あり得る現実。

だから全員が強い意識をもって、誘われても『拒否』する必要があります。


とはいえども、
東海大学が大麻を使ったんだって。
このことは一生ついて回ります。

伝統の縦じまに傷をつけた。

その事実を消すことはできません。

事件後、チームを立て直すのはとても大変だったのではないかと推測します。

やっていない選手(後輩)たちが、当事者の尻拭いをする。

連帯責任って簡単にいいますが、様々な思いを抱え、現実に立ち向かっていたと考えています。

周囲の風当たりはもちろん強かったでしょう。自分たちはやっていないのに。


あれから四年。


当時を知らない選手たちが、グラウンドに立ちます。
指導者も変わりました。


ある意味、本当の再出発です。


忘れてはいけない、絶対に手を出してはいけない。

違法薬物、大麻に。

繰り返さない、あの悲劇を。

東海大学だけではありません。全ての人が当事者意識をもって。



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