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固定観念を捨てた私の人生

「なんであの時もっと違う考え方たができなかったんだろう...」

そう後悔している人も少なくはないだろう。


思い込みとは恐ろしいものだ。自ら視野を狭めこの世界に無限大にある可能性をたった一つにしてしまう。

なんでいきなりこのようなことを書こうかと思ったのか自分でもよくわからない。未来の自分に言い聞かせてるのかもしれない。

二年半の高校野球生活の中の最初の二年間私は自分で考えるということをしなかった。高校野球でよくある監督の言うことが絶対だったからだ。一種の洗脳と言ってもよいだろう。監督が右といえば右、左といえば左と操り人形のようなものだった。そんな環境の中自らの意思で考えて行動するなどできるはずもなかった。当然自然とこの人が言ってることが正しいと思い、もはや考える力を失った自分はそのまま従い続ける以外の選択肢がなかった。

そのうちに自分の中でもそれが正解なんだと思うようになり、私の考えは「この人の言う通りにやって結果を出せばいいんだ。」というたった一つの考えに塗り固められていた。

そんな私に転機が訪れたのは高校三年の春のことだ。監督を勤めていた先生が移動となり部長をやっていた先生が監督になった。この先生は前の監督とは正反対といっていいほど考え方が違く、外部からトレーナーを呼んでトレーニング法を教えてもらいすぐ取り入れたり、その時話題になっていた打撃理論を専門の方を呼び指導してくださったりと、とにかく今を受け入れ新しいことに興味を持つ方だった。そこから私は今までのことをすべて取っ払い自分で考えるということを少しずつだが始めた。恥ずかしながらインターネットやSNSで野球関連のものを調べ始めたのがこの時だ。それからというもの、今まで見も知りもしなかった野球の世界がどんどん私の世界に入ってきて、せいぜい120km/h後半がいいところだった自分の球速も最後の夏には130km/h中盤にまで上がった。ピッチャーは走れ!の世界でしか生きていなかった私には喜びよりも衝撃のほうが大きかった。練習量は減ったのに成長速度は圧倒的に上がったのだから。

高校野球を引退してからちょっと時が過ぎた時から後輩のために偵察をしに球場へ足を運ぶ機会が増えた。今まで主観でしか見てこなかった高校野球を客観的に見るようになりどんどん野球というスポーツの面白さを知っていくことになったのだ。今使っている野球用(仮)のツイッターを使い始めたのがこのときだ。世間でいう本垢で野球関連のことをツイートしているとクラスメイトからうるさいと言われたのがきっかけだった。あの時言われていなければ今の自分はないと思うとそのクラスメイトに感謝しなければと思う。

話がそれたが、この野球用のアカウントを始めてからたくさんの人と出会い色々な野球に対する考え方を知ることができた。今現在、私と関わってくださっている方々には本当に感謝しております。未熟な私にいろんな世界を見せてくれて、いろんなことを教えてくださいました。

そして高校を卒業し大学の野球部に入部した私は更なる衝撃を受けた。これだけ世界が広がったんだと喜んでいたのもつかの間、大学野球になりより専門的な知識を持った同学年の選手が何人もいた。私はまさに井の中の蛙そのものだった。その時に私は「今までの考えを一旦白紙に戻そう」と決めた。このときに私の中の固定観念が一切消え去った。トレーニング方法からピッチングやバッティングなどチームメイトに聞いたりインターネットやSNSを使い一から学びなおした。SNSを本格的に教材として取り扱い始めたのはこのときだった。ある時は意見を出したり、ある時はチームメイトから意見をもらったり、とにかく情報を集め知識をつけていった。そんな中、大学一年の半ばあたりに投球フォームをいじったらなんと感覚が全部吹っ飛んでしまったのだ。腕が出てこなくなりキャッチャーまで届かなくなってしまったのだ。フォームを見直したりサイドに変えてみたりと様々なことを試してみたがどれも納得できず高校時代の唯一の武器であったフォークも投げられなくなったことから選手としての大学野球を終えることにした。

元々私は指導者志望だったこともあり学生コーチとして部に残った。コーチというと教えるのが仕事だと思うが私はあくまでも提案をするというだけにとどめている。

理由は二つある。

一つ目は、自分の実績が何一つないこと。科学的に証明されていることを教えるのは可能だが、実績のない人間の中途半端な知識では選手に教えてはならないと思っている。だから私は「提案をする」というところでとどめている。

二つ目は、自ら考えて結論を出してほしいため。私が高校の二年間で一つの考えに塗り固められつまらない野球をしていたので、今の選手たちにはいろんな考えがあることを知ってもらいたいし、なによりも考えることをやめないでほしいという思いが強い。いろんな知識を身に着けその中から考え行動するということを続けてほしい。こちら側はそれを見守り、あまりにも違う方向に走っていく選手がいれば軌道を修正する手伝いをする。


一つの考えに縛り付けられた状態からその考えを捨てるというのはとても怖いし、今までのことが無駄になってしまうんじゃないかと不安になる気持ちもわかる。でもこの先を生きていくうえで変わらないものなんてないし、ましてや今当たり前のことも次の日には受け入れられなくなることだっていくらでもでてくる。変化を恐れていては何も新しいものは生まれない。

自分の考えを客観的に見てあげる時間を作るのも大切だ。

そうしたら今までの自分の世界がどれだけちっぽけなものだったのかがよくわかるはずだ。

少々荒っぽく表現するのなら固定観念など人生において全くもって無意味なものだ。

完成されたパズルなど時が過ぎれば誰も興味を持たなくなる。価値があると思っているのは自分だけだ。

様々な時や場所でいろんなピースを拾い組み立てていき、合わなかったらまた新しいピースを探し求める。時にはなかなかピースが合わずに立ち止まる事もあるだろう。その時は自分で解決しようとせず周りの意見に耳を傾けてみるとまた違ったピースが出てくるだろう。


人生とは一生をかけてピースを集め作り上げるジグソーパズルのようなものなのではないだろうか。

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