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オカネカルト① 劣等感を育てる教育

オカネカルトの国に生まれた子どもたちは
ある年齢になると学校に集められて教育を受ける

子どもひとりひとり能力も異なるのに
学年でひとくくりにされて同じ授業を受けるので
できる子にとってはつまらなく
わからないふりをするのが辛く
できない子にとってもつまらなく
わかっているふりをするのが辛い
まわりの子に合わせること 
いじめられないように 周囲から浮かないように
空気を読むことを学んでいく

子どもたちも大きくなってくると
学校では 学力を測るために「実力テスト」を受けさせる
そのテストは学力上位10%層を基準として作成されていて

難問が並び 時間制限がある
ゆっくり考えれば解ける問題も 時間が足りないので解けない

半数の子どもたちは問題を解答することができないので
子どもたちの学力を測定することには適さない

「実力テスト」を受けると 
半数以上の子どもたちは劣等感を獲得することができる

やればできる 頑張ればできる 努力が足りないだけ
などと励まされても
頑張ってもできない やってもできない 
という経験を積み重ねるうちに
がんばろうという気持ちも起こらなくなってくる

勉強ができなかったとしても
スポーツや音楽ができればまだ救いもあるけれど
できない子はできないし できる子はできる
勉強にしてもスポーツにしても音楽にしても
得意、不得意 向き不向きがあって当然

ぼくはだめだ なにをやってもだめだ…
わたしはだめだ なにをやってもうまくできない…

学校のテストは、子どもたちが学校を卒業してから就く仕事の
ほとんどにはなんの役にも立たない
テストで点数が取れなくても差し障りはないのだけれど

子どもたちにとって学校という世界が全てなので
学校の勉強ができない 
それだけで多くの子どもたちに
劣等感を生み出して植え付けつけるのに好適だ


劣等感を持った子どもたちは大人になって
人安い賃金で働かせるのに都合がいい
「働かせてもらって ありがたいと思え」
「こんなお前みたいな使えない奴を雇ってやっているんだ ありがたいと思え」

大人になった子どもたちはブラック企業で
精神と肉体をすり減らして消耗している
パワハラもセクハラもよくあることだ

死んだ方がマシ
生きているのが辛すぎる…

オカネを稼げない自分は無価値だ
働けない自分はなんの役にも立たないし
生きている価値もない

そのように思い詰めて 自ら死を選ぶ者も多かった

オカネカルトの国では自殺してしまう人の割合が 
外国と比べて高く 毎年2万人以上の人が自ら死ぬことを選んでいる

中でも 若年層 子どもたちや青年の自殺率の高さが
外国と比べても高い 
将来に絶望している若者が多いのだ



続く

お金のなりたちや本質をわかりやすく伝えようとする活動は2007年から、2017年からは京都や滋賀県高島市でスペース運営をしています。並行してイラストレーターとしての活動をしています。サポートいただけましたらありがたく有効に活用させていただきます。