見出し画像

医療現場で働くことを再考する

今回はタイトルの通り。医療現場で働くことを再考したいと思う。
皆さんは医療というとどのような仕事内容だと思いますか?

命を救う仕事
責任ある仕事
忙しそうで大変
働き甲斐がある仕事
給料が良い(日本の医療職は安い)
もうコロナは5類なのに未だに大変そう

患者からよく言われることを列挙してみたら大体こんな感じ。
言われるたびに、各世代で仕事における価値観・イメージの違いをすごく感じる。
高齢者は、責任感や働き甲斐を大切にされてきたのかなと思う事が多い。
中年の現役世代は、忙しそうね、大変ねって気遣ってくれることが多い。
一方で、「お金を払ってるんだから言う事を聞け」みたいな勘違いしている方もいる。
払っているのは医療に対してであって、ホテル的なサービスじゃないから。
私も言われたことあるけど、看護師さんはもっと言われているんだろうな。可哀そうだよ。家族の看病をしたことがあるなら、看護の大変さが少しはわかるはずだけど。
これは接遇研修を受けている時に管理者側の問題も感じた。管理者側はリスクマネジメントが仕事だから、なるべく問題を起こしたくないのだろう。接遇・サービスを過剰に要求してくる時がある。医療におけるサービスって、一般的なサービスとは違う気がするんだけど、管理者側に勘違い野郎がいるからこうなる。患者・家族は説明と治療を望んでいる。治してくれればそれでいいのよ。治らなかったら今後どのような生活になるのか。どのような社会資源があるのか。根底にあるのは、今までの生活が継続できなくなるかもしれないという不安が大きいと思っている。家族の生活が心配だったり、施設に入らないといけなくなったり、好きなことができなくなることとか理由はいろいろ。

企業の役職の方とか幹部クラスの方を担当することも珍しくなくて、ビビってしまうような結構な方も担当したことがある。そのような方々は、病気になって大変だろうに人格者だな~って思う方もいる。一方で、○○ハラも普通にある。以前、医療とは全然関係ないことを要求されて、嫌な表情をしてしまった自分も悪いんだけれど、「明日から来なくていいよ」って言われたことがあった。全スタッフが私の味方だったので、謝罪だけして、そのあと何もなかったけど。脅してくるような発言もあって、なんでそんなに高圧的になれるんだろうって思った(脅迫なんで犯罪行為なんだけどね)。そういう方って、基本的に自分の会社以外の人も部下みたいな扱いをしてくるんですよね。本人は気付いていないのでしょうけど。
患者からの暴力とかもあるので、警察沙汰になった現場はそう多くはないけれども、病院の外だったら普通に警察に連れていかれてるケースは稀ではない。
吐き出したいことが多すぎて、ついつい長くなってしまった。
ここからが一番考えないといけないところ。
医療現場で働く者として最近思うことがある。
「他業種に比べると感染症をもらうリスクが異様に高い」ということ。
とくに先月、なぜか急に感染症患者が増えた。こういう方々ってなぜか密集するときがある。おそらく拠点病院が受け入れが難しい理由があったときだろうけど。
もちろん自分も担当していたし、他を担当していた先輩と感染症について話すことが8月は多かった。
以下、先輩との会話。
「最近、感染症をもってる人が多くないですか?」
「たしかに最近は病歴で持ってる人が多いよね。それが理由で入院している人もいるし。梅毒患者が増えてるって言うし。」
「感染対策してから治療に入りますけど。点滴漏れとか、創部から出てくる浸出液とか。ぶっちゃけ怖いですよ。」
「たしかに。外科の患者さんとかね。仮に感染しても治る病気ならいいけど。治らない病気もあるからさ。私生活に響くから正直、コロナよりこっちの方が怖いよ。」
「そうそう。感染経路って大体がもうわかってるじゃないですか。潜伏期間もあるし、知らないうちに感染してて、家族に移さないかとか心配になります。こういう時にしんどい仕事やってるな~って思います。」

そう!これ!
医療現場特有の労災。
感染症の曝露(ばくろ)!
※医療現場における曝露とは、患者の体液や血液などが身体に付着したりすることを言います。一応、曝露後の対策もフローチャートで決まっているけど100%ではない。

まじで怖い。この前、美容室に行った時に「感染症ってコロナ以外に何があるの?破傷風とか?」って聞かれた。破傷風も確かに怖いけど、人から人には移らないもんね。それぞれの専門性があるから知らなくて当然。とりあえず、他人の血液には触らないようにって伝えといた。
コロナ患者用でベッド作りなさいって言われてた時も思ってたけど。
みなさん感染症(病気)ってコロナだけだと思ってないですか?
それより超怖い感染症とか全然ありますから。
長らく人類っていうのは感染症に苦しめられてきたけど、偉大な先人のおかげで、ほとんどの感染症なんていうのは、薬で治せるようになったんですよね。つまり、一部の感染症を除いて、感染症との闘いに人類は勝利したという歴史の中で、コロナウイルスという強力な感染症が久しぶりに出現したわけであります。ここ3年間は感染症との闘いが再び始まったって感じ。
確かにコロナウイルスは怖い。人によっては重症化するし、最悪死亡に至ることもある。でも最初から治せない病気じゃなかった。なぜ後遺症が残るのかはわからないし、後遺症が残ってしまった人は可哀そうだけれども。でも他のウイルスだって重症化する事はあるし、後遺症あるし、死亡に至るケースも見てきた。新型コロナはまだ歴史が浅い。変異も短期間でするし。これからいろいろ分かってくるだろう。

話を戻しまして…。

まじで怖いのは結核、B型肝炎、C型肝炎、HIV、梅毒あたりかな~。昔からずっといる。ほかにも怖い感染症はあるんだろうけど。
ほんと患者には申し訳ないけど、こっちも人間なんでベストなメンタルで挑めないのよ。
点滴の針の部分から血液が滲んでたり、手術後の傷口から浸出液が出てたりすると、どうしても気になる。病気によりますけど、感染症っていうのは、そもそも血液とかの体液内にいるんですよね。
そんな感じなんで、なるべく早く治療して必要最低限で関わりたい。まあ、さっき書いた感染症には治せるのも入ってるんだけど。潜伏期間は気が付かないし、感染初期は検査しても陽性にならない。
何よりこいつらは、家族とか大切な人に迷惑をかける。
そういう意味で、医療現場にいるリスクを再認識した今日この頃。
仕事中は潔癖症になってしまった。前の病院にいたころから良く手は洗う方だったし、子供の時は他人の食べ残しに口をつけることなんてできなかったから、もともと少しあるんだろうけど。
もし、今から医療職を目指そうとする人は気を付けてほしい。
学校側も卒前教育でしっかりやった方がいい。
ほんと日本の教育ってどうでもいいことが多くて、実用性が無くて、大事なことはあまり教えない。現場に出てから先輩から教わることが多い。
仕事中に曝露したらもちろん労災なんだけれど、感染すると人生が変わってしまう威力がある。近年では珍しいとは思いますけどね。ちゃんと患者の血液データ、既往歴、傷病名に目を通そう。

救急治療の病棟にいる看護師さんたちは、そんな患者にも素手で挑んでいる時がある。検査・ケアに入る時はちゃんと感染対策してるけど。経験値が違うな~って思う。強靭なメンタルだ。なにがあっても真似しようとは思わないが。
もちろん医療職は、ちゃんと感染対策してから患者と接するし、患者毎に治療が終わったら手洗いもしている。たぶん気分の問題なのだろうけど、それでも帰宅後そわそわしてしまう。
ぶっちゃけ、コロナ患者の隔離部屋に入る方が気楽だったりする。家族に基礎疾患を持っている人がいるなら、話が少し違うかもしれない。それでも、防具服を着ると守られている感じが半端じゃない。マスクも分厚い。血中酸素濃度が下がるくらい分厚い。そして、防具服を着ていたが感染したっていう報告は聞いたことがない。もちろん隔離病棟に入り始めた当初は怖かったし、気持ち悪すぎて、帰宅後すぐにシャワーを浴びていた。

そんなことを感じながら仕事をしていた8月・9月でした。
医療職じゃない人も気を付けてね。
感染症が別の病気のトリガーになることもあるので大変ですよ。
不特定多数の人と大人の関係しちゃったり、不用意に他人の血液・体液に触っちゃダメよ。
書きたいことがわからないまま書き始めたから、なにが書きたかったのだろうかって感じ(笑)。
現場からは以上です。
おしまい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?