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「ベイトマンニュース」日本人であることに助けられている。

早いもので日本を離れ、イギリスで暮らして30年近くになります。

私がイギリスに来てすぐの頃、そして私の姉が留学していた、それよりもっと前は、「日本人」というだけで、「一緒のバスに乗りたくない」とか「魚臭い」などのわかりやすい差別を受けたものです。
あの頃の日本の印象は、やはり「戦争」なのでしょうねぇ。戦争の時の日本人は(日本人だけではないけれど)、残酷で恐ろしいイメージが強かったんやと思います。

それが変わってきたのはいつごろからやろか。
今では世界から見た日本のイメージは「日本は美しい国」「日本人は勤勉で温和、親切」「アニメや漫画」「豊かで安全」になっていると思います。
戦後の日本人が頑張ってきてくれたおかげです。

見た目が同じの中国人や韓国人とも、日本人のイメージは確実に違っていて、人気がある、というか、特別な存在だと思われていると感じています。

それは何度も書くけれど、日本が、日本人が真面目に頑張ってきてくれたおかげです。日本の文化を、習慣を、大切にしてきたおかげ。
そして敢えて言わせてほしい。外国で暮らす日本人の私たちが、真面目に、親切に、コツコツ頑張ってきたからやと思っています。

日本人というのはほんまに面白いんですよ。
海外で暮らす日本人はとても多くて、世界中のあちこちで(どんな辺鄙なところでも。)暮らしているんやけど、日本人は群れないんですよね。
意外ですか?でもほんまの話です。
中国人が世界のあちこちに中華街をつくり、ポーランド、インド、ルーマニア、イタリアなどなど、多くの外国人が同じ人種でかたまり、自分たちの文化や言葉をキープしながら暮らしているのに対し、海外で暮らす日本人の多くは、暮らしている国に、地域に溶け込んで暮らしています。
日本人だけでかたまって、「日本人」という習慣や文化をよその国で主張することは、まぁないですね。だから目立たない。
でも溶け込んでいる外国の暮らしの中で、やっぱり日本人らしく真面目に、親切に、そして日本の習慣や文化を大切にしながら生きているんですよ。
もしかしたら、そういう日本人の生き方が、外国での日本人気にもつながっているのかもしれません。

外国で暮らしている私たち日本人は、「日本人であること」に助けられることがほんまに多いです。
職場で「日本人だよ。」と言うと、多くの(ほんまに多くの)人々が「日本は人生の中で一度は行ってみたい国なんだよ」「日本人は親切」「日本は素晴らしい」とほめてくれるし、温かく受け入れてくれます。
「日本人」ということが誇りだし、自分が日本人であることに心から感謝しています。

これは同じことが自分自身にも当てはまると思うんですよね。
積み重ねた過去が、今の自分を助けてくれる(あるいは苦しめる)ようになる。これはある意味恐ろしいことやけど、確実な事実やと思います。

ありがたいことに今の私は、過去に頑張ってきた日本に、そして自分自身に助けられて、楽しく生きることができています。
それはほんまにラッキーなことやけど、同時にそれは過去に誠実に頑張ってきたことのご褒美であり、当然の結果である、と思うんですよ。
そんな今の私にできることは、これからも、今度は未来の日本人のために、そして未来の自分自身のために、やはり「今」を誠実に生きていきたい、と思っています。


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