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音楽会が終わる〜席問題

午前中、小学校の音楽会があり鑑賞にいった。今は一人スタバにいるところ。
さっきまで一人カウンター席に座っていたけれど、後方の二人がけの席が空いたのでそちらにうつった。カウンター席で人に挟まれていると、サンドイッチが食べづらい。本当は頼みたかったけれど、混んでいる店内で確保できた席がカウンター席で、左右客ともドリンクのみ、左はPCを作業をしているようだった。この状況でサクサクカリカリ食べる勇気はない。あの固そうな胚芽っぽいパンはどうしたって音がでそう。

後方の2人がけの席は、若くも年でもない女性、つまりは30か40代ぐらいの女性が一人で座っていた。私は購入したドリンクを置きカウンター席に座るも落ち着かず、そわそわ後ろを見渡していたら、その女が椅子から立ち上がるのが見えた。空であろうカップを右手に持っている。
絶対帰る客だ、絶対席が空く。

私はその女が左手にコート、かばんをもって数歩歩いたのを確認するや否や、自席の後ろにかけていたサブバッグを手に立ち上がり、斜め後ろのその椅子に置いた。これでここは私の席になる。それからドリンクを手に移動した。座ってから、ドリンクを買ったばかりであろう一人客が私の視界に入った。丁度よい席を探しているようだった。

席ははやいもの順なんだ。
例えば。私が2人がけに移る前に、「いいや、今日はカウンター席で。あの2人がけは2人で座りたい人のためにとっておこう」そう思い遠慮したとする。その直後、私は後悔することになる。なぜなら、予想や期待と反して一人客が堂々と座るからだ。私の気遣いなんてきづくはずもない。当たり前に固いサンドイッチを食べ始める、パクっカリカリと。
私だってサンドイッチ食べたかったのよ!
私はたぶん、恨む。自分が座れるはずだった席で自分がしたいことを当然のように実行している人を。私の気遣いなんて知りもしないでと。

以前、いつものように2人がけの席をとってからドリンクを購入し、席に戻ろうとしたとき、親子連れが入ってくるのが見えた。お母さんと小学生、小2次男のこうちゃんと同じぐらいの男の子。入ってきて奥にいき、また戻ってきた。明らかに2人がけの席を探しているようだった。
「席、さがしてますよね、ここいいですよ」
立ち上がり、お母さんと思わしき女性に近づいていった。
「いいですよ、大丈夫です、そんな」
恐縮するように答えていたが、いや、小学生の子どもと一緒なら2人がけに座りたいだろうし、私は座ってもらいたかった。カウンター席はギチギチに混んでないし、フードの注文もないし、この時間帯なら途中でどこかの2人席が空いて移動できることも、予測できた。だからこの席を離れてもいいし、むしろそうしたかった。明らかに探している親子、それも次男と同じぐらいの子どもであるし、今は私でなく、この親子がこの席に座るのが相応しいと思った。
私が「どうぞ」と言って立ち上がったので「すみません、ありがとうございます」と女性は言って座ってくれた。

今日の保護者鑑賞向け音楽会は、学年による完全入れ替え制で、特別支援学級の長男は1番はじめの演奏だった。本来は出演する児童の保護者だけ見られる、つまりは支援学級の演奏はその保護者だけ見られるのだが、それだと席が埋まらずさみしいと学校側は考えたようで(支援学級生徒は30人ぐらい、つまりは双方保護者がきても60人、対して観客席は360ある)、2番めの3年生保護者も席に着き見て良いことになった。支援学級の演奏が終わっても退場する必要はないようだ。

会場である体育館外に支援学級と、3年生保護者が待つ。入場時間になり「まずは支援学級の保護者からお入り下さい」受付の案内で私と夫を含めた支援学級の保護者が中に入れた。狙っていた最前列右側がとれた。長男は舞台左側、つまりは観客からみて右側で小太鼓をするらしい。だからこの席が良かった。通路を挟み左も、その2列目も同じ学級の保護者だった。それから3年生保護者が入ってきた。私が座るすぐ後ろの席も埋まった。
「木琴みえなくない?」
「いや、でもこれはこの学年だからで、また移動するんじゃない」
夫婦らしき2人が話している。
わかっている。彼らは支援学級の演奏が聞きたいんじゃなくて、自分の子どもの演奏を良い席で見たいだけ。だからこうやって2列目に座る。今から狙っているのだ。私とその横、夫が座る席を。演奏が終わって私達が立ち上がったら即座に移動するのだ、だってはやいもの勝ちだから。
「会場の皆様にお知らせします。前3列は支援学級の保護者にお譲り下さい、支援学級の演奏がおわりましたら、前に座って頂きます。」
ある程度観客が埋まってからアナウンスが流れる。
「え、今更言われても」
真後ろから声が聞こえる。声だけで立ち上がる気配は一切なし。だって今立ち上がったら、彼らは後方の席に座り直さなければいけない。直接、支援学級の保護者に「かわってほしい」と頼まれた訳では無い、空けたところで本当に支援学級の保護者が座るかもわからない、しかも自分たちは、かなり後ろに移動になるだろうし、当然子どもの木琴演奏は見えづらくなる。はりきって早くから並んでいたのに。2列めがとれて、子どもの演奏時は最前列で見られそうなのに。

中央3列目あたりの保護者が立ち上がるのが見えた。この席でなくても良いとおもったのか、空けてくれたようだ。しばらくしてまた「前3列を空けてほしい」続けて「支援学級の保護者で後列にいる方、前方、今○○(先生)の辺りが空いています」とアナウンスが入った。○○先生が先程空いた3列目の席あたりに手をあげて立っている。そこに見おぼえのある姿が小走りで来るのが見えた。同じ学級の2年生の保護者だったとおもう。

ふと同じ学級で4年生保護者の○○さんの姿が見えないことに気づいた。
「○○さん、前のほうに座れたかな」
後ろの2人に聞こえるよう、嫌味のようにいってしまった。

でも、これは本当に学校のやり方がまずかったとおもう。私は3年生の保護者が一緒にみると知った時点で、最前列に座られたらどうしよう、いや、まさかゆずってくれるよね、支援学級の保護者ですってネームプレート見せて〜と不安に対するシュミレーションをしていた。でも、昨夜長男から前3列は僕のクラスの保護者席だと言っていたので、少し安心できたのだが、それは3年保護者には全く伝わってなかった。先に支援学級保護者が入場して座ったんだから、空いてるとこ座っていいでしょ認識なのだ。彼らはルールに従いつつも欲望を通す。まだ開演前だし、支援学級の保護者が後から来るかも、空けとかないと悪いな、とか絶対思わない。譲ったら負け。そこに同じ3年生の保護者が当然のように座るだけ。

だからやっぱりこれは、前3列を支援学級保護者席にするなら、プログラムに一言書いたうえで3年保護者入場と同時に「前3列は支援学級の保護者席です。3年保護者は4列目からおねがいします。演奏おわったら、そのまま前に移動してもらいます」とアナウンスし、更にわかりやすく3列めと4列目の間に先生を立たせる必要があった。先生たちが甘かった。親は必死だ。一度とった良い席を、顔が見えない誰かに譲るわけない。

とまあ、誰に怒ってるんだがという話になりました。肝心の演奏はとても良かったです。




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