最初から、そんな気はしてたんだ。知るのが怖くて聞かずに逃げていただけ。

終わりはあなたがくれた。真実と謝罪とあなたの決意を聞かされた夜。

「分かった。今日が最後だね」と大人の女を演じて抱かれてみたけれど。

終わってみれば、残るのはあの子への羨望と嫉妬、大好きなあなたへの憎悪。

「さようなら。今までありがとう」

言葉より前に、片方残しておいたよ、ベッドの下に。引っ越しする時、気づくはず。ピアスを先に見つけるのは、あなたかあの子か。

私は笑いながら、あなたの部屋を出た。

朝日が妙に眩しい。

松任谷由実「真珠のピアス」