兄っぽい弟
小学校の頃、「 将来の夢について発表してください 」なんて先生から言われると、内心焦っていた
正直、20歳を超えた今も同じことを言われると焦る
未来のビジョンというものは、今日に至るまで明確なものを持ったことがない
コンプレックスである
そんなコンプレックスを抱えたまま、最近誕生日を迎えた
友人数人からLINEでおめでとうと言われた
祝ってくれる人がいるだけで本当に嬉しいものだ
友人以外だと両親からもLINEで祝いの言葉を送ってもらった
家族はこんな自分に対してもいつも温かい
僕には帰る場所がある、、、
こんなに嬉しいことはない、、、
この言葉はこういう場面で使えるものだな、と思いながら唇の裏でつぶやいた
そして、弟からも「 おめでとう 」と言われた
本来、兄ならば弟の前を歩いているのが理想的なのかもしれないが、胸を張れるような生き方もできていないし将来の夢もない
コンプレックスだらけの兄である
僕はそんな後ろめたい気持ちからか、弟に対して
「 何の変哲もない兄は、また一つ歳をとりました 」
とネガティブ感漂う返信を送ってしまった
卑屈の返信だなと自分でも思った
それに対して弟は
「 まだこれからよ 」
とだけ返してくれた
返信を読んでちょっとニヤけてしまった
弟の方が兄っぽいな、と
兄ちゃん、もっと頑張らないとだな!
ちょっとだけ元気でたわ
来年の誕生日までに、今よりも胸張って、背筋伸ばして、人前に立てるようになりたいね
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