見出し画像

今だけを楽しむな。

週末の外出自粛要請が首都圏で出された。

会社の近くは毎年夜桜が綺麗な花見スポットだが、今は夜に人が集まらないようにライトは点かず、真っ暗だ。

それでも仕事が終わった帰り道、暗い桜の下に沢山の人が群がっているのを通りすがりに見てしまい、ゾッとした。
家に帰った後も気持ちが落ち着かず、この文章を書いている。

確かに日本では(見かけの)コロナウイルス感染者数は現時点で世界に比べると非常に少ない。

目に見えるものではないので、経済の閉塞感ばかりが前面に出て、ウイルスそのものに対する危機感はなんとなく持ちづらい。

未知のことも多いが、分かってきた傾向の一つとして、
健康な人は無症状やごく軽い症状のケースが多いということ。

これが本当に厄介だ。

若く動き回れる人ほど気づかない内に感染し、ウイルスをあちこちに運んでしまうということだ。

一方で持病を持っていたり、お年寄りの方は感染すると重症化する可能性が高い。
若く健康だった男性が気づかずに感染し、同居していた70代の父親(持病があった)に移してしまい、父親は亡くなってしまった。

【イタリア:COVID-19患者の証言】)

動画の男性が言う通り、たった2週間もない内に自分の、家族の人生を覆してしまった。

悲しみに暮れる男性を観て、世界でまさに日々起きている状況を見ず、限られた情報で楽観視することはとても危険なことだと痛感した。

何も考えず「今楽しいから」という理由で無茶な遊びをする人は、自分の心と体がそれでどんなに傷つくかという「その先」を想像できないということです。その先が考えられないと、自分も他人も尊重できなくなります。

大好きな植松努さんの言葉だ。

もちろん、何もかも自粛しろ、楽しむなと言いたいのではない。
飲食を含む様々なサービス業が、本当に苦しい所まで来ていることも事実だ。

僕が携わっている教育事業も1ヶ月前に中止になり、非常に厳しい状況にある。

長い1ヶ月だった。無理やり楽しみを見つけるような日が続いた。
心の中で歯をくいしばりながら、チームでみなさんにお知らせしなければならないイベント中止や返金のレターを書いた。

そんな中自分だって大変なのに応援してくれたり、優しい言葉をかけてくれる人たちに救われてきた。

君にはどうか、「今だけに集中して何も考えない」というのは、やめてほしいと思います。考える力を失うと、「その先」が想像できなくなるので、思いやりが消えます。

まだまだ先が見えない中、確かなことも分からない中で「外に出るな」と言われるのは不安だし、無視したくなる人がいるのも正直分かる。

「家にいろ」と言われても何をしたら良いか分からない、という気持ちも分かる。

そんな時だからこそ、自分や近くの人を思いやりたい。
家族と一緒にいられる時間を大切にしたい。

たとえ一緒にいられなくたって、テクノロジーが発達した今では離れた大切な人とも顔を見たり声で繋がったり、時間を共有できる。手紙を書くこともできる。

未知のコロナウイルスがいつ終息するかはまだ分からない。
でもいつの日か、「未知」は未知でなくなり、必ず終息する。
それはさほど遠くない未来だと信じたい。必ず対抗しうるワクチンや、より良い対処が考え出される。

それまでは一人ひとりが、特に若く健康で動き回れる人こそが、
正しくリスクを理解し、感染爆発を防ぐことが大切だと強く感じる。

僕もイベントの中止対応業務のために今週まで出社したが、週明けから本格的にテレワークに入る予定だ。

この土日は家にこもって情報を整理して考えたり、オンラインで大切な人たちと繋がる時間にしたいと思う。

満開の桜の下でのんびりできないのは残念だが、桜はまた来年も、その次の年も咲く。

人の命は失われてしまえば戻って来ない。来年も、その次も。

先が見えない今だからこそ、
「今の先」を想像したい。

最後まで読んでくださったあなたも良い週末を過ごせますように。

----------------------

参考:山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信
新型コロナウイルスについて信頼度の高い情報を分かりやすく発信されています。

引用:植松 努. 「どうせ無理」と思っている君へ 本当の自信の増やしかた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?