見出し画像

9割が勘違いしている赤ちゃんの"かけ流し"英語と効果的な取り入れ方


我が家では読み聞かせを中心とした英語育児を行っています。その理由は、"与えるデメリットよりもメリットが遥かに大きい"と判断したからでした。


デメリットといえば、今のところ実験結果から科学的に効果が薄いと思われている取り組みも、SNSでは早期教育として広く紹介されています。


その一つに"赤ちゃんへの英語のかけ流し"があります。この記事では、根拠と共に、赤ちゃんに対して効果的な英語との触れ合い方を模索していきたいと思います。


実験内容と結果

赤ちゃんは驚くべき言語学習能力を持っており、1歳以下の赤ちゃんでは、全ての言語を聞き分けることができます。(実際には生後半年〜1歳までにこの能力は急激に消えます)


ただし、その能力は「人間が発した言葉」にのみ有効で「録音/録画された音声」には適応されない可能性が高いのです。ご存知でしたか?


下記に実験内容と結果が書かれています。

The results demonstrated that exposure to recorded Mandarin, without interpersonal interaction, had no effect. Between 9 and 10 mo of age, infants show phonetic learning from live, but not prerecorded, exposure to a foreign language, suggesting a learning process that does not require long-term listening and is enhanced by social interaction.

Foreign-language experience in infancy: Effects of short-term exposure and social interaction on phonetic learning



この実験では、生後9ヶ月〜10ヶ月の赤ちゃんに中国語を、映像/音声のみ/人間からの話しかけにて聞かせたところ、発音の違いを聞き分けられたのは「人間からの話しかけ」のみだったということです。


すなわち、赤ちゃんの言語獲得においては「人との社会的な交わり」が重要だということです。つくづく赤ちゃんは不思議で素晴らしい生き物だと感じます。


話は脇道に逸れますが、コロナ禍でマスクをしなければならなかった期間の赤ちゃんが、言語獲得に困難を抱えたのかも研究されていたと思います。倫理的な問題だけでなく、そもそも相手が赤ちゃんだと実験も大変なのですが、今後も赤ちゃんの魅力や能力が明らかになっていくといいなと思います。


今のところ判明している赤ちゃんの能力は、やはり大人の働きかけによって十分に発揮されるものも多いのですね。


結果から考察できること

先の実験を考慮すると「0歳の赤ちゃんに英語のCDを何時間か流したままにして聞かせる」というメソッドは、効果を期待できない可能性があります。効果があると言い切れるほど、実証されていないのが現実です。


赤ちゃんへのかけ流しは間違いとまでとは言えませんが、「CDを聞かせていたのに話し始めない」や「そもそも何を言っているかわからないCDを流し続けるのは親が苦痛だ」と悩んだり迷ってしまうなら、別の場所に労力を割く方がメリットがある気がします。


特に2歳頃までスクリーンからは言語を学べないことと、むしろ刺激によって害を及ぼす可能性が示唆しれていることからも、かけ流しに効果を期待したいのであれば、3歳頃から取り入れる方が良いかと思います。


逆に、全ての言語を聞き分ける能力を衰えさせないためには、先の実験に倣うと2つ方法があります。

1.親が英語で話しかける
2.ネイティブに話しかけて貰う

もし、親が話しかけられるなら、親が話しかけるのが1番だと思います。赤ちゃんがもっとも信頼してリラックスできる相手だからです。


英語で実況中継するのも良いでしょうし、歌を歌ったり絵本を読むのも良いと思います。


ただし「英語耳」を育てるのが目的であれば、あくまでも個人的見解ですが、できるだけLとRなど、発音やリズムに気をつけるのが良いかと思います。


2つ目はやはりネイティブに依頼することでしょうか。これも、直接話しかけてもらうことが前提です。このどちらかを1歳になるまでに取り入れるのが良いのではないでしょうか。


おうち英語の情報収集

誰もが簡単に情報にアクセスできる時代になりました。その分、情報も玉石混交になり、アルゴリズムによって万遍なく情報に触れているようで、実は検索内容に偏りが生じていたりします。


それ自体は仕方ないです。


でももし、取り入れた方法自体にあまり効果が期待できないのに、親や子どもたちが結果としてモヤモヤしたり、本来の力を発揮できないと感じてしまうのは残念だなと思って、ヒントがあればなんて烏滸がましいのですが、この記事を書きました。




以上です。
いつも読んでくださり、ありがとうございます。

引き続き、私たちの英語育児に興味を寄せてくださる方はスキやフォローしていただけると励みになります。

この記事が参加している募集

英語がすき

おすすめ英語学習法

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?