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母の30年前のおうち英語、答え合わせとしての私(後編)

(↓前半はこちらから)


ということで、おうち英語の長期のインプットが武器になり、私は周りから諦めた方が良いと言われていた第一志望大学に無事合格、私にとって大きな自信と人生の転機になりました。


そして時は過ぎ、私は子どもを2人授かります。現在4歳と0歳ですが、アメリカでの生活が長かった日本人夫との話し合いの結果「幼い頃から英語に触れさせること」は育児の柱となりました。


後編では、母から受け継いだおうち英語をどう取り入れているか書きます。取り入れるにあたり論文や書籍も判断材料としましたが、一つ一つを掘り下げることは、また次回以降に譲ります。

まずは日本語を犠牲にしない

本題にいく前にお断りを入れておきたいことがあります。


バイリンガルに育てる時にまず娘たちが受けるであろう批判は「両言語が中途半端になる」です。母国語の語彙力は思考の広さに比例するので、我が家は日本語を軽視しません。自分自身を言葉で的確に表現できるよう、日常生活で使う日本語にも意識を向けます。母も英語を使うことを強要はしてきませんでした。

また私は、これまでに何人もの新卒の採用面接をしてきましたが、学生たちが似たような経験をしていた場合、それをどのような態度と言葉で伝えられるかで、その人の印象が大きく変わることを痛感しています。娘たちもいずれ親元を離れた後、同志やパートナーを見つけていくために、そして自分を唯一の存在として大切にできるように、自分を柔軟に表現していく術を身につけて欲しいと願っています。

その方法を身につけるためには、和を重んじる日本で日本語を身につける他に、英語を通じて学ぶのが文化的により適しているのではないか、と思いました。日本語で語りたいことを英語でも不自由なく言える=バイリンガルを目標としています。

学びたいと思える安全な環境

高い目標を設定したからこそ、母に習い「学ぶ余裕のある心的安全な環境作り」は心に留めるようにしています。大人だって誰かに何かを咎められそうな場面で、何かを悠々と学ぶ気になんかなりませんよね。何かを学ぼうという動機が起こるのは、命と心の安全が確保されている時です。


たとえ表現方法が間違っていたり、適切ではなかったとしても、怒ったり指摘しないようにしています。会話をしながら擦り合わせます。英語の理解力を測ったり、テストもしません。アウトプットの場を設けても、結果は急ぎません。

具体的に実践していること

くるま英語

車内でCDを聞き続けた私と似て、夫もTOY STORYを何度も見て英語を身につけたと言います。ということは「同じものを暗記できるレベルまで繰り返すこと」はある程度有効だと思い、娘には車の中でお気に入りのDVDを繰り返し見せています。車が走っている間映像は見られないので、視力の問題も気になりません。今は英語の音声だけでも十分楽しめています。

我が家はYouTubeは見せていません。一時期着替えや歯磨きを渋った時に、BlippiやCoco Melonなどを見せていた時期もありましたが、今は見なくなりました。YouTubeを見せると、スクリーンタイムやら英語以外の悩みが増えると思っていたので、ちょうど良かったです。


ただし、2歳以下はスクリーンでは言語を学べない、むしろ有害だという研究結果があります。なので、我が家が上記を実践したのは4歳のお誕生日を迎えてからです。

日本語でも英語でも絵本を読む

キーワードは「日本語も英語も」でした。思考を広げるために語彙を増やす必要があります。


この能力は一朝一夕では身に付かないと感じ、絵本の読み聞かせを毎日の習慣にしています。日常会話で使われる語彙は限られているので、娘の興味のある分野を中心に、公共の図書館を利用しながら夜寝る前に数冊ずつ読んでいます。また、本は0歳から取り入れられます。

娘が日本語が良いと言えば日本語で、英語が良ければ英語で、同じ絵本を何回も読んで欲しいと言われても、語彙に触れることが目的なので全てOKとしています。これは不思議なのですが、子どもに選択を委ねると日本語も英語もバランスをとってくれているように感じます。参考までにですが、4歳時点で繰り返しを含めず、約1,500タイトル読んでおり、日本語:英語が3:1くらいです。

絵本を読むことが習慣になると、子どもの興味が何に向けられているか気が付き、学びを広げていくきっかけになります。私は娘がきっかけで、深海や人体に関する知見が広がりました。


おわりに

今回は娘の英語育児に取り入れた部分を書きましたが、私は娘が何か結果を出すことを急いではいません。費用対効果を重視し過ぎるがあまり色々手を出してしまったり、振り回されてしまう親も多いのかなと思いますが、残念ながら語学は短期間で身につけるものではなく一生付き合っていくものだからこそ、時間をかける必要があると思うのです。

実際おうち英語で育った私も、海外生活が長かった夫も、今でも英語には触れるようにしていて、勉強し続けています。「○分で○○できる!」のようなキャッチーなタイトルに吸い寄せられてしまいがちな現在だからこそ、時間をかけて熟成させたスキルにこそ価値が出てくるような気もするのです。それくらいどっしり構えていたいなと自分にも言い聞かせています。



最後までお読みいただきありがとうございます。引き続き、バイリンガルを育てるために読んだ論文や本、取り入れ方などを紹介していくので、スキやフォローしてくださると励みになります。

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