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母の30年前のおうち英語、答え合わせとしての私(前編)

"おうち英語"や"早期の英語育児"など、幼い子どもに対して行う英語教育において、多くの人は遅かれ早かれ「取り組む価値があるのだろうか?」について悩むことだと思います。


たとえばSNSで同い年の子と比べて、我が子の発語が遅いけれど、このまま続けていれば、我が子もいつか話せるようになるのだろうか?


とか

高価な教材への投資や、無課金にせよ親の時間や手間暇などを鑑みた時、それに見合った見返りは望めるのだろうか?

など。


私には2人の娘がいます。2人への英語育児についての考え方や軸は、「私自身の経験」が基盤となっています。私の母が、30年前に私にどのように家で英語のスキルを身につけさせたか、です。今回振り返って改めて言葉にしてみても、たくさんのヒントがありました。しかも、母は肩肘張って取り組んだわけではないのです…。(と言ったら怒られそうですが、だからこそ誰かのヒントになればいいなと思います)



おうち英語で私が得た"英語の嗅覚"



結論から言えば、私が2歳頃に始めたおうち英語だけで、下記のような成果を得られました。

・中学〜大学受験までテスト勉強に時間を費やさなくても8割前後の点数は取れた(その分、他の教科に時間を割けた)
・最終的に第一志望の大学に現役で合格した
・第一志望合格は無理だと思われていたので自信に繋がった

留学や英会話スクールなどの習い事は一切していません。(もちろん帰国子女でもない)

英語を身につける目的によると思いますが、もし母が「私が日本で不自由なく英語を使い、英語を好きになること」を目的としていたら、十分その目標は達成したと思います。そして、私はその英語力を元に、日本を飛び出して世界を広げていきました。



逆に上記のような成果を出すために、子どもだった私が我慢したり犠牲にしたことはありません。これは嫌だった、デメリットだと思うことも今のところ思い当たりません。


私自身が体験して知っているからこそ、私は子どもに早い段階で英語と出会わせようと思っていました。今まさにおうち英語に取り組んでいる方、挫折しそうな方、効果がじわじわと現れるのはもしかしたらもう少し先なのかもしれません!


高額な有名教材を買ったものの

私が2歳頃でしょうか、母は某有名教材のフルセットを購入してくれました。


「なんだ、高額な教材が必要なのね」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、私自身は娘にそれを購入するつもりはありません。(※教材を批判するつもりは全くありません。英語を身につける目的や、教材の機器との相性などです。こちらについてはまた記事を改めることにします)

また、フルセットを買っておきながら、私が利用したのは一部の教材のみです。(ただし、このフルセットは別の場面で日の目を見ることになります。)

使用していた一部の教材というのは「歌のCD」です。私はこのCDを車の中で擦り切れるくらい繰り返して聞きました。今でも全曲歌えます。


今で言う「かけ流し」なのだと思うのですが、家で他の遊びをしながら耳に入れるというレベルではなく、当時のハイテクではない車の中=他に娯楽のない閉鎖空間で「聞かざるを得ない(かと言って聞くのが嫌いだったわけではないです)」状況でした。このCDを、何時間とかではなく、15分程度の習い事までの道中で聞き続けていました。


そのおかげで、熟語を覚えることはもちろん、不自然な英語に対する嗅覚を養うことができました。この嗅覚は、数々のテスト問題を解くにも、ネイティブの人と話すにも、子どもと触れ合う時にも使えて「あれ、なんかこの言い方だと不自然だな」と気付かせてくれる基礎力になっています。



結局このCDは、幼稚園児の頃から小学校卒業くらいまでずっと、車の中のBGMでした。年数にしたら10年くらいの長期戦ですね。もう絶対にブレないぞ、というところまで繰り返したことが良かったのだと思います。



これを、今娘の英語育児にも応用しています。もちろん、娘が聞きたくないものを無理矢理聞かせるのではなく、本人が楽しいやり方に工夫して、です。娘の場合は私より早く英語を話せるようになりましたが、その方法は次の記事に譲ります。

環境は作ったけれど働きかけはしない母


そんなこんなで、私は母から何か指導を受けることもなく、イベントに参加することもなく、ただ歌のCDを聞いて私は英語の基礎を身につけていきました。


そう、母はあんなに高額な教材を買ったのに、私にやらせようとはしなかったのです。


母は良く「自分の子には教えられないものなのよ」と言っていましたが、実は母は私が大学の受験勉強でようやく超えられたか?と思えるくらいの英語力を持っていたのです。


この言葉、真意としては「教えることはできる。でも教え始めてしまうと、いずれ(私が出来ないことが出てきた時、それに対して)叱ってしまう時がくるだろう」ということで、好きになって欲しい英語を苦痛なものにしたくないし、それで子どもとの関係を壊したくないと、一線を引くための口癖のようなものだったようです。


母の「環境は準備しておき、いつでも望めば手に取れる状況で、親の方がお熱にはならない身の引き方」が、結果として英語を好きでいて、身近なものにしておき(車内ではそれしか流れないですし。笑)、学習を細く長く続けていけた要因だったのです。英語に関して、私は一切親から強制されたり、怒られたことはありません。


子どもに早くから英語を教えたところでいずれ忘れる、という意見は、継続しないことが前提になっています。逆を言えば、継続すれば私のように今でも歌を歌えるくらい定着するものです。


さて、高価な教材を購入したら元をとりたくて子どもに何とかやらせたいと思うのが親というもの。しかし、母は「やらせる」ことは避けたかったので、教材の元をとるために英語の先生になります。それでも母は変わらず、私に英語を教えることはありませんでした。


(後半へ続く)
※続きが気になる方は是非スキを押して教えてくださると嬉しいです。

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