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わたしの仕事 地域包括支援センターの保健師について(前編)


こんにちは。
日本語パートナーズ・タイ12期を目指しているアイです。

これまでに、私のnoteでは日本語パートナーズになるための備忘録を残してきました。


↓詳しく知りたい方はこちら。


私は現在、地域包括支援センターで保健師をしながら、この事業にチャレンジしています☻


看護師の友人に、
「包括が何をしているか、ちゃんと分かってる人って多分そんなにいないから、現役で働く人の解説とかあると良いんじゃない?」
と言われたので、今回は日本語パートナーズとは関連はありませんが、地域包括支援センターの保健師についてお伝えしようと思います。

包括に興味がある保健師・看護師さん、看護学生さんに届けば幸いです☻





私が包括保健師になるまで

まず、簡単に私の経歴から。


2019年
看108回・保105回で、看護師と保健師の国家資格を取得。
新卒で、総合病院の外科・消化器内科病棟の看護師として勤める。

2020年
消化器内科クリニックの看護師、精神科の訪問看護師をパートで掛け持ち。

2021年
地域包括支援センターの保健師に。現在に至る。


ざっとこんな感じで、社会人5年目、包括保健師は今年で3年目です。 

看護学生の頃から、看護師ではなく保健師として働きたいと思っていたので、包括から内定を貰ったときはとっても嬉しかった記憶があります。

転職エージェント(マ●ナビ看護)から「包括って本当に求人が出ないので、応募するチャンスですよ!」と言われて、ダメ元で応募したらなぜか採用されました。
(入職した後に知りましたが、包括、実は普通に求人出てます笑)


病棟経験はたったの約1年、訪問看護師とか色々やりましたが、看護師としての経験は圧倒的に不足していました。

本当、よく採用されたなあとしみじみ思います。




そもそも包括って何?



小難しい話になってしまいますが、まずは包括の定義からお伝えしますね。

地域包括支援センターとは、介護保険法で定められた、地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設です。(Wikipediaより)
 

「地域包括支援センター」は法律により定められた全国共通の正式名称ですが、各地域での呼び名として、より住民に馴染みの名称があるなら、そちらを使用しても良いとされていて、「高齢者支援センター」「あんしんケアセンター」「いきいきセンター」などの独自の通称を用いる自治体も少なくありません。

介護保険法という国の法律で設置が義務付けられていますが、設置するのは介護保険の保険者である市町村です。


包括には、原則として、地域の65歳以上の高齢者3,000〜6,000人ごとに、各1名以上の保健師(or経験豊富な看護師)、社会福祉士、主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)が配置されます。

この3,000〜6,000人というのは、「だいたい中学校区くらい」と考えて良いそうです。
高齢者がアクセスしやすいように、ということですね。

 

3つの職種ですが、

♡保健師 (or経験豊富な看護師)
 →保健医療の知識が活かせる。病態をよく知っているので、他の職種から「これってどんな病気?」とか聞かれる。
 基本は保健師だけれど、場合によっては経験豊富な看護師も採用される。

♡社会福祉士
 →福祉の知識の神。公的制度に詳しい。
金銭的余裕がなかったり、保証人になってくれる親族が一人もいなかったり、そういう困難なケースで特に神。

♡主任ケアマネ
 →ケアマネジメントの知識がすごい。事業所の加算とかにもちゃんと詳しい。
 主任ケアマネは、(普通の)ケアマネジャーからさらに経験を積んで研修受けて、とかしないとなれないので、この時点で大体神。

こんな感じで、各専門職の知識・経験を合わせて、チームで地域の高齢者の支援にあたります。

まじでそれぞれの得意領域が違うので、尊敬し合い、助け合いながら日々業務にあたっています。


つらつらと書きましたが、

なんか高齢者が増えてきたね

→団塊の世代が2025年には後期高齢者、つまり75歳になる(=2025年問題)から、今後もっと数が増えるね

→今の医療とかだけでは支援しきれないくらい多くなっちゃうね

→だったら、ニーズに合わせて地域でも高齢者を支援できるようにしないといけないよね

→じゃあ地域で包括的に支援するシステムを作ろう
 (=地域包括ケアシステム)

→各地域に包括を設置して、高齢者が何か困ったときの相談窓口にしよう。あ、専門職も配置しないとね

→高齢者が、住み慣れた地域でできるだけ長く安心して生活できるように3職種で支援していくよ〜!


で、誕生したのが地域包括支援センターです。





包括保健師の一日


次に、包括保健師の一日(例)を紹介します。


7:00     起床、準備
8:00     家を出る
8:45     到着、制服に着替える
9:00     朝礼、業務開始
             溜まっている仕事や電話対応などを行う
10:00   担当の利用者宅を訪問
11:00    事務所へ戻る、訪問の記録入力
12:00    昼休憩
13:00    ケアプラン作成、事務処理
15:30    担当の利用者宅を訪問
16:00    事務所へ戻って対応記録入力、電話対応
17:00    書類作成、市主催の会議の準備
18:00    着替えて退勤

このように予定どおりに進む一日もあれば、事前連絡なしで来所した相談者や虐待通報などのイレギュラーな対応などで、やろうとしていた仕事が全く進まなかった…という日もあります。

「あれ、包括って病棟よりは暇だと思ってたけど意外と仕事あるじゃん…」って思いますよね?
私もそうでした。笑

確かに残業は基本的にないですし、夜勤もなし、急変対応なんかも当然ないので、病棟看護師と比べれば精神的にはとても落ち着いて仕事ができます。

ただ、やっぱり仕事それぞれの大変さはあるなと実感しています。




私は、病棟看護師時代、仕事の在り方に強い疑問を抱いていました。

人の命を預かる重圧に加えて、前残業・サービス残業が当たり前で、自分の仕事が終わっていても先輩の仕事が終わるまでは何故か帰れなくて、有休は勝手に使われて、人によって大きく態度を変える先輩に理不尽に怒られて。

そして、決定打となる出来事があって、約1年で辞めました。

3年は病棟で働くとあんなに強く決心したのに、自分が情けなくて仕方ありませんでした。




お世辞にも立派とは言えない職歴です。

でも、包括保健師になって、事務処理やマルチタスク、地域の高齢者とのコミュニケーションが得意なことに、周りが気づいてくれました。

自分じゃ全然気づかなかったのに、
「アイさん仕事早いね、助かる!」
「さすがアイさん!」
と褒められ頼られ、今ではのびのびと仕事できています。



1記事にまとめるつもりで書き始めたのですが、予想以上に長くなってしまったので、残りは後編にまとめます☻

この記事が、看護師・保健師、看護学生のあなたの一助になりますように。


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