読書

幼い頃、本を読むことが苦手だった。テレビをぼーっと見ている方が楽で、ずっと好きだった。そのせいか、学生時代嫌いな教科は国語だった。そもそも読むスピードが遅いし、解き方がハッキリしていないところも嫌いで、答えや解説を読んでも「フーン…」ということが多かった。近所にいた同い年の子の家にはテレビがなく、その子がものすごい本好きで国語が得意だったことも、いい気分ではなかったと記憶している。

しかし社会人になった今、本を読むことをとても楽しく感じる。仕事が早く終わった日に、毎日録画しているクラシック倶楽部を流しながら本を読む時間に、幸せを感じる。休みの日に本屋さんに行けば、時間を忘れて立ち読みしてしまう。もちろん今でもテレビや映画の方が大好きではあるが、本は自分のペースで想像を膨らませながら読めるし、気に入った言葉があったら印をつけることもできるのである。

そんな風に思える日が来るなんて、学生時代は想像もできなかった。きっと、色々な経験をしそれなりに知識も身につけて、人として成長した。そのことで、本の中の様々な考え方や言葉や人生に触れて自分を重ねる、ということに面白さを感じられるようになった気がする。どんな本をいつ読んでどんな解釈しても、その根拠を明確にできなくても、間違いだなんて誰からも言われない。大人の読書っていいものだなー。

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