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Did you say "general anesthesia"!? 全身麻酔って言った!?


イギリス滞在中にぶったまげた話(死語?笑)
息子(当時12歳)がラグビーの練習中に手の小指の骨にヒビが入ってしまい、病院で緊急で診てもらいました。
夕方だったせいか、レントゲンを撮ってもらっただけで、おそらくヒビが入ったか、骨折だろうとのこと。明日以降、また連絡すると言われその日は何の処置もなく帰らされました。

日本のチームメイトに同じようなことがあったので、大体の処置はわかっていたつもりでした。
看護師や周りの大人がその子を押さえつけ、医者が指をぐいっと元の位置に戻して、あとは固定すると言うものでした。とても痛くて絶叫だったときいていたので、息子もびびっていました。

次の日になっても、病院からの連絡はありません。電話してみても、連絡を待っててとしか言われません。
結局2日後の朝にやっと病院から電話がかかってきました。
その内容は
「小指にヒビが入ってます。全身麻酔をして手術をします。明日の朝は絶食で病院に来る様に」
私「。。。。」

絶句とはこのことでした。

"Sorry? Did you say, " general anesthesia "?  Not local anesthesia???
「全身麻酔って言いました???局部麻酔ではなくて???」
やっとのことで聞き返せました。

"Yes. General anesthesia."
「はい、全身麻酔です。」

このやりとり、3回ほど繰り返しました笑 
手の小指のヒビに全身麻酔って!!!
とりあえず言われた通りに絶食し、病院へ行きました。
病院でされるであろう会話や聞きたい質問を片っ端から頭の中で練習しておいて、質問しまくりました。全身麻酔、しかもイギリス(外国で)。。。不安しかありませんでした。

「手術自体はすぐに終わるけど、急患が入ってて、ちょっと待っててもらえる??」と言われ、子ども病棟へ連れて行かれました。

手術着に着替えて、ベットで待つことに。待てど暮らせど誰も呼びにこない。。。息子と映画を見たり、ゲームしたり。。。何だか入院している様な気分でした。
6時間後、やっと順番が回ってきました。

イギリスの病院、「ドラマで見たやつや〜」なんてちょっとドキドキ楽しかったですが、だんだん息子の顔は緊張で真っ青に笑
ラッキーなことに、その病院には日本人の手術室ナースがいました。
ちなみにイギリスでは手術室を"theatre", 手術室看護師を"theatre nurse"といいます。(アメリカは"operation room”)
彼女が息子に付き添ってくれて
「大丈夫よ、すぐ終わるから」と何度も声をかけてくれました。

いよいよ手術室について、全身麻酔をする時に
" Kiss him for good night here."
「おやすみのキスをしてあげて」と言われました。
「赤ちゃんの時はしたけど、12歳の息子にキスか!」
と意味なく照れてしまい、オロオロしていると
その日本人ナースが
"We don't kiss."
と医者に言ってしまい、チャンスを逃してしまいました。。。
ああ、一生の不覚。。。(大袈裟笑)

手術はすぐに終わり、30分後には息子も無事目覚め、病室で少し休むことになりました。
軽く食事が出るようで、ナースが
”Chicken or sandwiches?"と聞いてくれました。
息子はチキンを選びましたが、
まさかチキンが「チキンナゲット」だとは思いもよりませんでした。。。
そういえば、イギリスの友達が扁桃腺を取った手術後、一番最初に出た病院食がコーンフレークだったと言っていました。コーンフレーク、喉刺さるやろ〜!!!
日本では信じられませんよね笑。

「全身麻酔から覚めてチキンナゲットなんて食べたくないやろ〜」と思いきや、
息子は何かに取り憑かれたようにチキンナゲットを食べ終え、
隣に添えられているイギリスの有名なベイクドビーンズもあっという間に平らげました。ベイクドビーンズ、息子大嫌いだったはず。。。
なのに一心不乱に完食してしまいました。
全身麻酔でおかしくなったのか、空腹すぎて何でもよかったのか。。。

終わってみれば1日仕事。日本だったらレントゲンを撮りに行った時点で終わっていたと思います。

イギリスでは全身麻酔は子どもには必ずされる処置だそうです。
医師が泣き叫ぶ子どもに対しても安全に処置ができるように。
また、子どもに恐いトラウマを残さないようにというのが理由だそうです。
それを聞いて納得はしましたが、いやはやドキドキでした笑。

最後にもう一つ。治療費無料だったんです!(チキンナゲットも笑)
イギリスのNHS(国民保険サービス)でGP(General Practitioner)とよばれるかかりつけ医は原則無料なんです。ただし、GPは診てもらうまで途方もない時間がかかる場合があるので、プライベートの医者にかかる方も多いです。
(このNHSに加入できるのは外国人である私たちは6ヶ月以上の滞在などの条件があります。)

時間はかかりましたが、無料とは助かりました〜。
驚くことばかりで、今思えば良い思い出です。
ああ、でもあの時キスしておけばよかった。。。(こんなドラマあったな。。。)


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