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「妊娠しました。」って職場に言ったときの話。

妊娠を経験する前、もっとも私が(勝手に)恐れていた瞬間。

それが、「職場に『妊娠しました』って言う瞬間」。

なぜこの瞬間をこんなに恐れていたのか、あまり自分でもよくわからないけれど、おそらくこれまで自分の周りで産休に入る方の後任担当が(言い方よくないけど)いわば産休の人の分のシワ寄せを受けてるような反応をしているのを見たことがなかったわけでもなく。
やっぱり妊娠~出産という「幸せな理由」で職場を離れる人がいて、その「幸せな人」のシワ寄せを自分が受けてる、とどうしても周囲は思ってしまうんだろうな、と何となく思っていた。

だから、特に自分が働いている女性が多めの職場で妊娠の報告をすることに対して、そもそも自分が妊娠する前から謎にすごくビビっている私がいた。


でも、子どもを欲しいと思っていて、その日が来て。
安定期を迎えたのでいよいよ職場にも報告して引き継ぎの手はずを整え始めないといけない時期になって。

「来月になったら言おう…」

の「来月」がどんどん近づいてくるごとに、正直憂鬱な気持ちだった。
あとは一方で幸いなことに、今の自分の仕事が楽しくて、このタイミングで休みを取ることが惜しいなと思えるくらい仕事に熱中できていたから、なおさら今この時期に休みに入りますと言い出すことも自分にとっては気が重かった(まあ、いつか言わなきゃいけないんだけど)。
仕事も今年に入ってさらに色々任せてもらえている自覚があり、自分の担当する仕事のウエイトや重要度がかなり増している時期だったので、まあ言いづらい。(と私は思ってしまった)


妊娠を報告したのは6月頃だったのだけれど、すでに会社はコロナ感染対策のためにほぼ完全リモート体制。会議も1on1(面談)もすべてオンラインでの実施だった。

上司とは月に1度1on1があるので、そのタイミングで報告しようと決めていたが、いざ面談で話し出すと色々ほかに言いたいこともあるし、気が進まない報告はやはり切り出すのが難しい。

面談終了前5分、となってやっと

「あの…実は子どもを産む予定がありまして…」

と恐る恐る報告。そして
「予定が11月なので産休に入るのは10月からですなので上期中は仕事やりきれます上期のうちに必要な引継ぎは全部やっていきますので!すんません!」
と一気に言い切ったw

上司の反応はというと、

「え~~~!おめでとう!!というかすみませんとか言っちゃだめ。〇〇(私)がいつか上司の立場になった時も、自分の部下にそんなこと言わせたらだめだよ」と。

ありがたや…

この上司とは有り難いことに仕事を一緒にしやすいなと思えていて、上司自身も3児の父、かつ女性の多い職場で働いてきた経験のある方なので、比較的安心して報告できたものの、やっぱり緊張した。

けれど、「すみませんとか言わなくていいんだよ」と言ってくれ、とても喜んでくれたことに感謝。とてもありがたかった。

組織のほかのメンバーに言うタイミングは私の希望する時期で良いよと言ってもらい、その辺を軽く決めたのちに面談は終了。
何度も言うけれど、本当に暖かい反応に救われた…


そして、実はこの上司に対してよりもさらに緊張していた報告の相手が、当時最も近くで一緒に働いていた女性の先輩。
彼女には去年の4月に私が異動してきた時からとてもお世話になっていて、彼女のサポートのおかげで異動後の立ち上がりができたといっても過言ではないというほど助けてもらった。

彼女自身は結婚はしておらず、かつ私の前任の方が妊娠中に突然入院ということになってしまい、その負担を一手に引き受けていたという過去がある。その時の大変だった話を結構聞いていたので、実は上司よりもこの先輩への報告の方が100倍気が重かった…。

けれど、タッグを組んで一緒に仕事をしている以上は他の人よりも早く報告しておかないと後々迷惑をかけてしまうことになるので、上司に報告した翌日にも彼女に伝えることに。

2人でのオンラインの打ち合わせの後、「あの実は…」と上司に伝えた時と同じような調子で恐る恐る報告。


すると想像に反して、返ってきたのは「おめでとう!!」という声。しかもオンラインの向こう側でちょっと拍手までしてくれたw
体調のことを気遣ってくれ、引き継ぎ後大変だろうけど頑張らないとな~、と。

きっと心の中では「まじか!」と思ったと思うけれど(というか私ならそう思ってしまいそうw)、嬉しい反応を自然と返してもらえたこと、とても有り難かった。


上司についても、この先輩についても、自然と「おめでとう」と言ってくれたこと、いろんな気遣いをしてくれたこと、本当にありがたいと思った。
そして、どんな反応をされるかちょっと恐れていた自分がちょっと恥ずかしくも思った。



この経験を通じて印象に残ったことは、まさに上司にも言われた通り

「休みに入る人に『すみません』って言わせるようじゃだめだよ」

ってこと。


自分でも頭の中では「産休はいずれにしても取らないといけないものだし、ここで謝るのは違うよな」と分かっていたものの、いざとなると反射的に「すみません」と言ってしまってた自分がいた。

でも、それって違うんだなと。

「自分が、or パートナーが、子どもを授かりました!」

って、一刻も早く職場に報告したいと誰もが思える。それが一番の理想なんだなと、気付くことができた。

産休に入るというこのタイミングだけでなく、今後子どもが生まれたら、保育園からの呼び出し、急な風邪、いろんなことで仕事に影響が出てきてしまうような出来事が起こると思う。

けれど、その時に必要以上に謝らなくてもいい。そうなったときに周りにかかってしまう負担を最小限にできるように普段から責任ある仕事を積み重ねていけばいいんだ。

そして自分が逆の立場になった時にも「すみません」って相手が思わなくていいような人と人どうしの関係づくり、組織づくりをしたい。

と、そんなことを思ったのでした。


あなたの妊娠報告、した or 受けた、はどんな経験でしたか?

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