見出し画像

ゆるやかな、ディストピア

2023.10.20(金) dystopia


朝、目覚めたら毛布を蹴飛ばして寝ていた。
パジャマから出た素足はあらぬ方向に投げ出され、Tシャツの裾もめくれ上がって背中が丸だしになっている。
暑かったのか?
そうえいば起き上がったときも冷んやりした空気ではなくて、まるで初夏を思わせるような熱を帯びた空気を感じた。
私の感覚だけで決定づけられるものではないが、地球はだんだん狂い始めているのではないか。私が死ぬまでに元に戻ることはないと思うが、残された人生、どうか少しでも穏やかに過ごさせて欲しいものだ。
午後から雨になるようだ。

ここ数日間、宅配便の配達が多くてその対応に忙しい。
私宛の荷物だけじゃなく夫宛のもあるのだけど、夫は私が家にいるものだと勝手に思って『午前中指定』『14時〜16時指定』などにして発注しているみたいだ。以前ならいなくてもマンションの宅配ボックスに入れておいてくれるだろうとか、不在票が入っているだろうとか安易に考えていたけれど、運送業界における過重労働のニュースを聞いてからなるべく家にいてちゃんと受け取ってやろうと思っていたが、こう毎日あるとどこにも行けずに困る。
マンションの宅配ボックスは数が決まっているから全部使用されてたら使えなくて『宅配ボックスが満杯だったので入れられませんでした』と宅配業者から連絡が来たこともある。
運搬業の2024年問題…だな。
通販が便利になって私たちは楽になったけど...隠れたところで障害が起きている。
今日も夫宛の荷物が届くはずだ。私の午前中が潰れてしまう。

結局11時50分に来た。
ギリギリだ。
シャインマスカット(ふるさと納税返礼品)だった。

宅配便を待つ間に、アレクサに「何か音楽をかけて」と頼むと森山直太朗の歌が流れてきた。アレクサは私の好みをすっかり覚えたようだ。
私は森山直太朗の歌を聴くといつも自然と涙が出てくる。たとえそれが幸せがテーマの曲でも泣けてくる。
「あかんわ、泣けてくるわ」とひとりごとを言いながらそれでも聴く。
これは個人的な勝手な思いなのだが、心の奥底にある切なさや哀しみみたいなものが彼のそれと私のそれとが同じなのだろうと思う。
幸せの中にも哀しみがあり、でも哀しみの中にも希望はある…みたいな。
特に「素晴らしい世界」や「生きてることが辛いなら」は号泣する。
「中年女を泣かすなよ」と思う。

雨が降り出した。
少し涼しくなった。
ちょっと嬉しい。

週末...だね。


読んでいただきありがとうございます。 書くこと、読むこと、考えること... これからも精進します。