見出し画像

地震大国日本で、今を生きるということ

2024年1月1日の能登地震。
地震から2週間経った現在においても、未だに被害の全容も明らかにならない程、非常に大変な状況。
地元の方も「もともと輪島方面は交通の便が悪く」と言っておられ、
自分もそう認識していた。
2022年11月に金沢に旅行に行った際、能登半島方面へも足を伸ばそうと思ったが、時間がかかる為断念したことを覚えている。

その能登地方で、地面が大きく隆起するような大地震である。
そして、やはり、数少ない道路は寸断され、能登半島は孤立した。


能登での大地震に私は驚いたが、
専門家のなかでは、
最近、群発地震が多く、危険だと認識されていたらしい・・・。

えっ!
その情報って、地元民や観光客に認識されていた????????
(少なくとも、1年前に旅行に行った私は知らなかった・・・・)


でも、地震リスクを踏まえて、
道路の拡張をやっても間に合わなかっただろうし、
新しい道路を作っても、同じ結果になっただろうし。
家の補強なんて、本人の意思だし。
今でも2次避難が難しい状況なんだから、
地震発生前の事前の移住なんて、絶対難航するし。

仮に、地元民に地震リスクが高いと認識されていても、
結果は大きく変わらなかったかもしれない。
(能登地方のある小さな自治体は、津波の避難訓練を徹底していて、
全員無事に避難できたらしい。素晴らしい事例。)

また、観光へのダメージを懸念して、
国や自治体は、声高に地震リスクを叫ぶことも難しいだろう。

仮に事前に地震リスクを測定できても、その取扱いは非常に難しいのだ。


私の愛読書『日本沈没』(小松左京)でも、
専門家の詳細な分析の結果、
ある地域に大地震が確実に来ると分かっていても、
政府は、混乱をさけて国民に言えなかった。

そして、総理大臣が直前にやっと公表しても、国民は信じなかった。
地震は、発生して初めて、人々は行動するのだ。
現実だってそうなるだろう。


人はリスクでは動かない。
そして、それでは遅いのだ。


日本は、地表の大きなプレートの狭間に位置し、火山も多い。
世界のM6以上の地震の約2割が、
狭い日本で起きていると言われており、
世界主要都市の中で、
東京が最も損害保険料率の元にになるリスク値が高いことは有名である。

そして、今、地震が多発する時期に入っていると言われている。
前回の南海トラフ(1944~1946)から80年が経過しようとしている。


そんな状況で、今、私たちは、地震大国日本で、普通に生活しているのだ。
明日にでも、その日常が壊れるリスクが足元に潜んでいても。


リスクだけでは、人々の日常は変わらない。
政府は人々の日常を変えることができるが、
政府もまた、リスクだけではこれまでの行動を変えることができない。
福島原発の事故があっても、多くの原発は再稼働に向かっている。

そして、次の大地震も大災害も、対処療法となる。

南海トラフが約100~150年周期、富士山噴火が約300年周期と言われ、
それに加えて、数多くの活断層による直下型地震もある。
日本人は、一生に一度は大災害で被災する可能性があると考えた方がよいと思う。

が、常にヘルメットを被って、
防災用のリュックを持って行動する訳にもいかない。
精神的にも無理である。

だから、日本人は、
鈍感なDNAと、忍耐のDNAと連帯のDNAが組み込まれたのだろう。

災害が来れば、知らない人も一緒に助け合い、耐え、復興させる。
そして、また災害が来れば、また助け合い、耐え、復興させていく。
多くの人命を失いながら・・・。
災害は記録や地名で残るものの、記憶からは忘れ去られ、
災害の地には、新たな家や道路ができ、人々は普通に生活していく。

でも、

そろそろ、災害を避けねばならない時期ではないか?
高齢化、人口減少の今の日本は、
もう、国土全土に住み、全国土を守っていくのは無理ではないか?
個人的にはそう思う。
もう、新しい道路や新幹線を作っている余裕はないと思う。

「関西万博と能登復興は関係ない」
という政治家がいるが、そんなことはない。

日本の限りある資源・人をどこに重点投資するか、
この問題においては、優先順位をつける必要がある。
もう、日本全土で、地元出身の議員主導で、
あれもこれも工事をする時代は終わったと認識して欲しい。

国民も、
自分の地元が賑わうことを期待する、
自分の土地の値上がりを期待する、
そんな行動を改めるべきである。

だれでも裕福になれるような、夢のような時代は終わったのだ。
誰かか裕福になれば、誰かが割を食って貧しくなるのだ。
都会が賑わえば、地方は衰退するのだ。



私の2人の子供には、
「勉強はできなくてもいい。英語だけは頑張れ」と言っている。
いざ、この国に住めなくなった時、海外でも生きていけるように。


私の愛読書『日本沈没』では、
沈みゆく日本で生き残った国民は、
海外の国々に散り散りになって生き残っていく。
財産は全て海の藻屑となり、身体一つで。
現実的ではないかもしれないが、
そんなリスクを認識して生きていく時代だと思う。

この地震大国日本で、ほんとうに平穏に暮らしていくには、
比較的安全だと思われる土地に住み、
いざとなったら自分達の身は自分達で守り、
安全な土地に自ら逃げれる準備を整えておく必要があるのではないだろうか。
政府や自治体をあてにしてはいけない。
大災害の時は、当然のことながら、政府や自治体も被災しているのだから。


最後に、
被災された皆様、そのご家族様、
応援しています。

愛する地元が崩れ、今は未来が想像できないかもしれませんが、
人は、大切な何かがあれば、どこでも生きていけます。
大切な人、大切なモノ、何かを大切にしてください。
私も被災すれば、大切な家族だけを守って、無一文でもどこかで生きていく覚悟でいます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?