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AIさん活用で中国の詐欺手口がさらにアップデートされた。音声、動画、顔変換だけではない恐さ

日本でも報道されてTwitterでもちょっとバズっていた、中国で友達になりすまして430万元(約8500万円)を振り込ませた詐欺。AI進化で真っ先にリスクとして警告されていたことが起きています。そして、これはAI時代の詐欺ケースでは氷山の一角なのです。

↑日本のニュースですが、中国での警告の動画も盛り込まれていました。AIの進化で見分けがつかないフェイク動画が簡単に作成することができるから、「動画の映像なども簡単には信用するなよ」と警告の動画が公式に公開され、注意喚起されるほどの出来事なりました。

なにせ、この詐欺ではわずが10分間で430万元をだましとられたのですから。

詐欺の内容はみなさんすでにご存知と思いますが、簡単に事件の内容を説明すると、被害にあった郭さんという方の友人が突然WeChatのビデオ通話で連絡してきて、急遽お金が必要で振り込んでほしいとお願いされたのです。

文字にするとよくある詐欺と思ってしまいますが、この詐欺師がAIの顔変え技術と音声模倣技術を使って 、親しい友人に完全になりすまして振込を依頼してきたということ。

「ビデオ通話中に顔と声を確認したので、つい油断してしまった」と郭さんはコメント。この事件は幸い、通報を受けた警察と銀行が迅速に決済停止措置を行い、多くのお金の振込みを阻止し、一部振り込まれてしまった金額も回復されたとのこと。このニュースは日本でも報道されましたが、中国のSNSでもかなりバズりました。

一日で1.8億閲覧を超えるほど注目されました

そして調べてみると同様の詐欺が中国の各地で起こっています。例えば浙江省の詐欺事件では、SNSに投稿された動画からターゲットの友人の顔のデータを取得。AI顔置換技術を使って友人になりすましてビデオチャットし、友人と錯覚させ最終的に5万元のお金を騙し取ったという事件。

この、音声と顔を模倣して友人などになりすますことは数年前から注意喚起されていましたが、最近のAI技術の発展でさらに危険が高まっていますね。約4年前に取り上げたこのnoteの時点でもリスクが叫ばれていました↓

息子や知人のふりをして電話するオレオレ詐欺の完全上位互換バージョンですね。なにせ顔も声も完全に本人なのですから、そりゃあ騙されてもおかしくはない。これは日本のみなさんにこそ気をつけてほしいです。

中国に来たばかりのころはよく、友達などから「なんで日本人はオレオレ詐欺なんかに引っかかるの?中国でそんなのひっかかるのはありえないよ」と言われたものです。実際多くの中国の人は日本人よりはるかに用心深く(すいません、これも広すぎて人口多すぎの中国ですので一般論)、中国人の詐欺の手口は日本よりはるかに巧妙でした。以前紹介しましたね↓

そんな、用心深く気をつけている中国のみなさんですら騙されるAI活用時代の詐欺手法によって、もはや知らないと騙されるレベルにリスクが高まっています。声や動画作成にAIを活用しているだけではありません。さらに、各方面からも対策が出てきています。みなさんも知っておいた方が良い内容かもしれません。

(ここからは一部不快な内容も含むので少額有料です。ご理解の上読んでください)

■詐欺の手口のアップデートが止まらない。AIを駆使する詐欺師たちが身近に

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