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中国のOpenAIと呼び声高い智譜AI(Zhipu AI)が創業4年でユニコーン入り。ますます激化する中国のAI開発

今日も中国のAIに関するニュース。中国のOpenAIと言われるAI企業について情報共有をしたいと思います。

ChatGPT登場以降、日本でも急激にAIに関するニュースやコンテンツが増えていて、アンテナをはってる人は、海外のAI事情を積極的にリサーチしているよう。ボクに中国のAI事情についてDMして聞いてくる方もいました。

本業ではAI関係の企業と話をしたりイベントに参加したりしていますので、気になったことはnoteにもシェアしていこうと思います。先日もBaiduのカンファレンスに行って、BaiduのAIによる超進化(エンジニアがガチで激務してる)を実感してきました。

そして今回は、話題になっているAIベンチャーの「智譜AI(Zhipu AI)」について紹介したいなと思います。

話題になっているのは最近、智譜AIがB-4ラウンドの資金調達を完了し、評価額が10億ドルを超えたことで新たなユニコーン企業入りを果たしたからです。ちなみに智譜AIはスタートしてからわずか4年です。

この資金調達ラウンドではTencent、Alibaba、Xiaomi、Meituanなど、中国のテックジャイアント企業も大きな投資額を入れているとのこと。さらに君联、顺为、红杉、高瓴などの大手ベンチャーキャピタルも含まれています。ライバル関係にあるうえに、クラウドサービスやAI研究には自分たちも当然力を注ぎまくっているTencentやAlibabaが多額を投資するほどの存在の智譜AI。

(画像:https://www.zhipuai.cn/から)

ぜひこのURLから彼らのページを覗いてみてください↑

(画像:https://www.zhipuai.cn/から)

智譜AIは2019年に清華大学の計算機科学の唐杰教授によって設立されましたが、注目が集まったのは2022年8月に清華大学の知識工学研究室と共同で開発した超大規模事前学習言語モデルGLM-130Bを正式に公開した時です。さらに今年、シリコンバレーのテクノロジーメディアのThe Informationが智譜AIを”中国のOpenAI”になる可能性が最も高い企業の1つに選出したことで関係者以外でも、世界中が注目するようになりました。

正直言語モデルの性能比較にそこまで詳しくないのですが、GLM-130Bは精度などを示す重要な指標でOpenAI、Google Brain、Metaなどの大型モデルと比較しても優れた性能を示し、MMLU、LAMBADA、BIG-bench-liteの指標テストでは、GPT-3やMetaのOPTモデルを上回るとのこと。(詳しく知りたい方は参考資料のリンクからどうぞ)

智譜AIのモデルはすでにサービス化していて、9月末にAIアシスタントアプリ「智谱清言」を発表。冒頭に紹介した百度のAIの文心一言や、百川智能など複数の大型モデルで採用されています。

一方、AI関係の競争が激化する中で、苦戦しているところももちろんあります。”AI四小龍”(四天王)と言われていた旷視科技、商汤科技、云从科技、依图科技は困難な道を歩んでいるとの報道が出ていました。

たとえば、云从科技は2022年5月に上場し、上場初日の株価は約40%上昇し、時価総額は158.5億人民元に達しましたが、後に発行価格を下回る水準まで一時下落。商汤科技は4月に大規模モデル「日日新SenseNova」を発表しましたが、その後株価が大幅に下落。

新しいことに挑戦する人たちがいて、可能性に投資することは素敵ですが、資本の集中が加熱していることのリスクもあります。また、あまりに急速にAI開発や取り組みが進んでいる中、ある程度コントロールすべき、規制すべきとの考えがあります。

ちょうど先日、アメリカがAIに関する初の法的規制を行うとの報道を見かけました。実は中国ではその動きはすでにあり、今年の4月から草案を公開しました。これは別途詳しく書きますので、ぜひフォローしてお待ちください。

(参考資料)


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