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中国で最も有名なSF小説「三体」がアニメで公開され尋常じゃない視聴回数が。中国での評価やデータを紹介

中国発で最も有名で、世界で3000万部弱売れていると言われる小説「三体」がついにアニメ化されました。ボクも小説は全部読んでいてとっても面白いですし、今回のアニメ化を楽しみにしていました。こちら予告編の動画です↓

「三体」って何?って方のために、ちょっとだけwikiの情報をコピペしておくと

『三体』(さんたい)は、中華人民共和国のSF作家劉慈欣による長編SF小説。2006年5月から12月まで、中国のSF雑誌『科幻世界(中国語版)』で連載され、2008年1月に重慶出版社によって単行本が出版された。

小説の基本設定には、ニュートン力学にある古典的な三体問題を取り込んだものがある。とある三重星系には、生きと滅びを繰り返す三体星人があり、その中の最も新しい世代の三体星人は、地球文明の科学技術より数倍先端なものを有している。

あらすじ
文化大革命の時、中国共産党中央委員会に直属する「紅岸基地」という、異星人を探すために作られた極秘基地があった。清華大学の物理学教授である父親が紅衛兵の批判を受け、死を強いられたのを目にした天体物理学専攻の女子大生葉文潔は、色々な事情でこの極秘基地に入った。彼女はそこで偶然に太陽の増幅反射機制を究明した。その後、彼女はこの機制を駆使して、密かに地球文明の情報が入った電波を宇宙に送り出し始めた。地球と最も近い恒星系の惑星に生きている異星人——三体星人がこの情報を受け取った。それから、三体の世界と地球の世界は、関わりを持ち始めた。

wikiより

小説を読んでて、途中からワクワクで手汗かくほどの面白さです。物語の内容と考察については他のまとめている方々に任せるとして、ここでは中国の目線で。まだ3話までしか公開されていないですが、今回のアニメ化でのデータ、考察、中国内の評価がたくさん出てきましたので紹介していきたいと思います。

↑小説の日本のAmazonページですが、レビューの数がすごい。。

BiliBiliで最初の2話が12月10日にネット配信されたのですが、わずか1日で視聴者数が1億人を突破するという驚異的な数字を叩き出しました。

《三体》首播网络数据)より

ボクも多くのネット民も「次回の公開を待つのが辛い」という状態。ただ残念ですがまだ中国語バージョンだけです。これほど海外でファンがいる小説のアニメなのでじきに日本語版や英語版が出てくると思います。

ビリビリ動画の副社長である張勝衍さんはインタビューで「『三体』アニメは準備から制作まで5年を要した。設備投資もBiliBiliのアニメプロジェクトとしては現時点で最大だ」と述べています。

Bilibiliの一大IPとして、アニメ制作のコストは1.5億元という情報もあります。制作費が1分間で50万元(約1000万円)かかっている計算です。

アニメの細部へのこだわりも話題になっています。SF小説の原作の世界観や表現が難しいところが多いのですが、かなり作り込まれた映像で再現している場面がたくさん。網膜を使って情報を伝達する描写や壮大な場面転換、宇宙服の繊細なデザインなど細部まで丁寧に描かれている。3Dアニメなのにモーションキャプチャーだけでなく手作業でかなり工数をかけていると分析されています。

bilibiliより

このクオリティでの配信に今後も期待しちゃいますし、これでBiliBiliの高いクオリティの動画を世界にアピールできることでしょう。ちなみに、中国国内アニメの海外配信はBiliBiliが力を入れて推進している事業で、2022年現在で累計35シリーズ以上、約10,000話を200以上の国や地域に配信しています。

ただ、原作のファンが多い小説なのでハードルはめちゃくちゃ高い状態でのアニメ化です。SNSでは厳しい評価もたくさん。

2014年に小説のコアファンによる同人アニメ「私の三体」という作品が制作されたんですが、こちらのDouban(中国で1番の口コミサイト)での評価が3作とも9点(10点満点)を超えたのに対し、Bilibiliの『三体』の点数は第一話が放送されてからの6.9点、現在第3話放送後で6.5点に低迷しています。

国産アニメ全体に採点が厳しいとはいえ、やはり原作が高評価過ぎるため原作のファンもなかなか納得できないことが伝わってきます。実際、アニメの進行に合わせて動画内で頻繁にフォローされる名詞の解説を見ても、小説読んでる人じゃないと理解できないんじゃないかと思われる箇所も見受けられるので、ファン向けの作品といえそうです。

ただ、業界関係者の評価はそこまで低くないようです。上海红鲤文化传播有限公司のプロデューサーが取材の時に「アニメ制作のスキルは中国国内ではすでに上級であり、批判的なコメントは優秀の文学作品の映像化やアニメ化をする時にはよくある問題だ」と主張。

さらに他の業界関係者は「『三体』アニメのような高投資・高関心度の作品の登場により中国のアニメは、これまで低年齢向けコンテンツが中心だった「1.0」段階から、大人向けが中心の「2.0」段階へと徐々に変化している」と語っていることが記事になっていました。

アニメは日本が世界に誇るコンテンツかと思いますが、中国のアニメもかなり高いクオリティかと思います。日本のアニメも負けじと成長してほしいですね。そして『三体』のファンはまだまだ期待してください。2023年にリリースされる予定のNetflixのドラマ『三体』、テンセントが投資し放送時期未定だが制作が決定している中国ドラマ『三体』、2025年に上映する予定の中国実写映画の『三体』。

楽しみ過ぎますね!読んでない人は絶対後悔しないと思います、まずは小説を!そしてアニメも見てみてください!

(参考資料)


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