中国Z世代の金銭感覚はみんなが思っていたイメージとはだいぶ違っているかもしれません。

先日アリペイの資産運用サービス「余额宝」（Yú'é bǎo）が「90年代生まれの貯金状況」についてのレポートを公開しました。これが中国人の固有観念とズレた結果でネットで話題になってます。

※ちなみに「余额宝」とは、アリペイのなかにある投資信託預金のような金融商品のサービス。みんなが「余额宝」に預けたお金をファンドが運用する、そして預金した人たちは高い金利を得ることができるのでここに預金している人がたくさんいます。最近は落ちてきていますが、以前は金利6％を超えていました。ユーザーは預金した金額から毎日利息が得られますし、アリペイからワンタッチでいつでも預金を引き出すこともできます。最近はアリペイ内で「余额宝」とは違う、もっと金利が良いサービスを選ぶことも可能。

このレポートの中で興味深い点を順に紹介していきましょう。

↑貯金について。貯金はすでに90年代生まれの中国人のライフスタイルになってます。平均で4人中3人が「余额宝」で貯金をしている。

↑「余额宝」で貯金をしている90年代生まれは、60、70、80年代生まれで貯金してる人の合計人数を超えてます。

↑90年代以前生まれと比較して、90年代生まれの人は嗜好品のために貯金する人が多い。また、毎月貯金するのですが、同時に買い物も積極的にしてます。「今を生きる」と主張して高いカバンや靴を買ったり、個人の趣味のために大金を使うイメージが強かったが、意外と「余额宝」の残高が高い。

↑「貧乏人だ」「お金がない」と言いながらも、実際のところ平均すると「余额宝」の残高が「花呗」（アリペイのバーチャルクレジットカードサービス）の4.5倍になります。実は浪費派よりしっかり貯金派が多いということ。

↑こまめに貯金するのも特徴の一つ。約6割の90年代生まれは毎回の貯金が20元未満で、ミルクティーに相当、それが計算指標になると。

↑貯金額および貯金人数のTOP10都市では、8割が南方都市となります。南の人はケチなのかな。。また、北京と上海は人数に対して金額が大きいです。

↑90年代生まれの女性の貯金額は平均すると男性の貯金額より20％高い。

↑おうし座は貯金大好きのイメージがありますが、データから見るとてんびん座が最も貯金している。

↑90年代生まれはこまめに貯金、平均して4日に一度のペースで貯金ってかなり頻度が高い。

↑コロナの影響で、みんな貯金することの大事さを改めて認識してるようです。2020年上半期の貯金額が前年比で40％伸びました。政府が消費促進のために現金ではなく、デジタル消費クーポンが配られてます。（これについては以前紹介しましたね）

このレポートは基本的にはアリペイのユーザーデータを分析して作成されており信頼性も高く、今時の中国の若者の利用習慣が反映されてると思います。

特に頻繁・少額な貯金は、アリペイのサービスとも深い関係があります。スマホのアプリ経由でいつでもどこでも貯金できますから、親世代のように銀行で積み立てを契約したり、そもそも銀行に行く必要もない。

アリペイには「笔笔攒」というサービスがあります。簡単に説明すると、お金を使う度の自動貯金の仕組みです。例えばコンビニでアリペイで15元のお弁当を買ったら、デビットカードから15元以上の金額（オーバーの分は自分で設定できますが大体一桁元の少額となります）が引き落とされ、弁当代の15元以上の分が自動的に余额宝に貯金されるというもの。つまり消費するたびにお金が貯まることになります。

他にも、先日紹介したアリペイのミニゲームでも仕掛けが。貯金や資産運用サービスの利用でゲーム内でのグッズや餌が貰えるのです。ゲームが現実世界とリンクして預金意欲を高めるのです。

90后やZ世代は高いスニーカーなんかを買って浪費してるイメージありましたが、実はしっかり貯蓄してたというデータに驚きました。日本も貯金や投資するわかものが増えてきてるでしょうか？

このサービスはぜひ日本でも開始されてほしいです、また今度詳しく紹介しますのでぜひフォローしてお待ち下さい！

（参考資料）