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#33 すきな人とのある日の会話

こんにちわ。id_butterです。

人生で最高に不幸な時に恋に落ちた話 の33話目です。
タイトルから甘い話を期待されている方、ほんとにすみません。(いや、されてないかwww)
多分、一般的には甘くない、わたしには甘いと感じられる恋バナです。

あの告白から約1ヶ月、わたしたちは仕事をしている。

職場環境が変わり、ちょっと精神的にやられている後輩についての会話だ。
わたしは、上司であり片思いの相手である彼(Kさん)を、詰めていた。

わたしたち、まだやってないことがありますよね。
本人の気持ちをちゃんと、聞いてない。
何がつらいのか、いやなのか。
それを彼女は言えてない。
わたしたちは、それを聞かないでどうしたらいいかばっかり話してる。
つらいとき、アドバイスとか冷静な意見とかいらないんですよ。
上司としてではなく、ただのKさんとしてあの子の話、気持ちをただ聞いてあげて下さい。
それで、彼女の今までの努力を「見てたよ」って伝えてあげてください。

「たしかに、やってないね。
 気持ちを聞いてあげるってことは、してなかった。」と彼は言った。

翌日、Kさんと後輩の彼女とわたしと三人でzoom越しに久しぶりのランチをした。
彼女はほんわかいつものように笑っているようで、わたしは少し安堵した。
そして、彼女は以前から予定していた長期休暇に旅立っていった。

わたしは、傷ついている近しい人を見ると泣きたくなってしまう。
だから、後輩の顔を見るのがほんとうはすごく怖かった。
彼女はごはんを食べると吐いてしまう、夜起きてしまうと言っていた。
もしあの日彼女が笑っていなかったら、勝手にすごくつらくなっていた。
だから、彼と彼女が何を話したかは全然知らないけど、わたしも救われた。

あの日彼とした会話は、他にもあった。

あの子、間違ってないですよね。
たしかに、繊細ですよ。
でも繊細でやさしいから、人に気を使って場を明るくしたり、仕事に
詰まってる同僚に声をかけてあげたりできて、いい仕事につながってる。
それにみんな恩恵を受けている。
なのに、なんであの子だけが傷ついて異動しなきゃいけなくなって、すきな仕事から離れなきゃいけなくなるんですか?
わたしはもう少しその前に何かしてあげられることを探したい。

どこでも仕事できる能力、は強さかもしれなくてわたしもKさんもそういう能力を身につけて、今ここにいるのはわかりますよ。

でも、わたしは今のままのあの子でいいと思う。
あの子がやりたいことをのびのびできるようにKさんが環境を作ってきて、実際に今のあの子は優秀に育った。だから、間違ってないじゃないですか。

この件に関して、わたしたちの意見は合わなかった。

わたしは、自分がありのまま生きられる世界を作っていける子だと彼女に期待している。
社会は、世界は変わって、同じように会社も変わった。
”自己肯定感”とか”HSP”なんて言葉がここそこであたりまえに語られる今、職場についての考え方だって書き換えられていくはずだ。
職場に合わせるんじゃなく、職場を変えればいい。
後輩の彼女を見ていて、そう思うようになった。
今まで私たちがあきらめてきた未来を彼女たちなら作ることができるかもしれない。

でも、彼はそれは難しいし、常にどこでもできることではないと言う。
だから、彼女が今後長く働いていくために、どこでも働ける能力を身につけるべきだ、と。
だから、自分が上司としてやってきた彼女の育て方はベストではなかったかもしれない。

前半には一理ある、だけど後半部分にわたしは最後まで同意しなかった。
でも、別に意見が同じである必要はないのだ。

わたしたちは仕事をしながら、勝手に後輩をこどもに見立てて、父親と母親みたいな議論を交わしている。
そう考えると、なんだか笑えた。

上の会話を振り返ってみて、わたしのこの言動、すきな人に対する態度だろうかと疑問に思う。
20年以上前に恋をしていた時は、すきな人の言うことは全部正しかったような気がする。
だけど、今のわたしは彼に負けたくないとなぜか思っているのだった。

全然、甘くない。
わたしたちはいつも本気で向き合って、仕事のはなしをしている。
でも、今、わたしはこの瞬間が一番たのしい。
仕事の場で、ここまで本音を晒したことははじめてだし、自己主張したこともなかった。話している間、わたしの頭はフル回転している。
こういうのがわたしの恋らしいのだった。


後日、Kさんと話す機会があった。

わたし:「この前、興奮しすぎてすみません。」
Kさん:「あー、でもあれは『目から鱗』だったよ。」
わたし:「なんのことですか?」
Kさん:「理屈じゃなくて、まず気持ちを聞けっていうところ。
    あれは、男にはよくわかんないや。びっくりした。」

プライベートでも使えますよ、とわたしは笑った。
そうだね、僕本音が見えないって振られちゃうから、と彼も笑った。

彼はいつもちゃんとわたしのはなしを聞いてくれる。
それが彼の中でもう一度再構築されて仕事になるとき、わたしはとてもしあわせを感じる。

たぶん恋愛のカリスマの人が聞いたら、このわたしの立ち位置や会話は間違いだろうと思う。
…でも、こういう会話とか瞬間が最高に楽しいんだよなぁ〜。


恋に詳しい方々、わたしはこれからどうしていったらいいと思いますか?
どうぞアドバイスをください。

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