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【6本目】2019年、ベスト映画決定!/メランコリック

「バイトを始めた銭湯は、深夜に風呂場で人を殺していた」

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(以下公式引用のあらすじ)
名門大学を卒業後、うだつの上がらぬ生活を送っていた主人公・和彦。
ある夜たまたま訪れた銭湯で高校の同級生・百合と出会ったのをきっかけに、その銭湯で働くこととなる。
そして和彦は、その銭湯が閉店後の深夜、風呂場を「人を殺す場所」として貸し出していることを知る。
そして同僚の松本は殺し屋であることが明らかになり…。


こんなキャッチコピー&あらすじ、気にならないわけがないですよね!?


ヒューマンもラブロマンスもコメディも大好きだけど暗くて人間の悪いところとか醜いところがつまった映画、すごく好き。


だけどグロすぎ・怖すぎるものはちょっと苦手&リサーチ時点では上映箇所が都内3か所のみ…ということでずっと二の足を踏んでました。


それでもネット評価があまりに高く、もう気になって気になって仕方ない!!ということで意を決して映画好きの聖地、ミニシアターに足を踏み入れてきました。


結果…ただただ最高でした!

色んな意味で思っていた映画とは全く別物。役者・演技・ストーリー、語りつくせないほどの魅力がつまった作品でした。


見終わった後、家に帰ってから、なんなら今も余韻が止まらず「メランコリック 感想」「メランコリック 評価」で検索しまくって見知らぬだれかのレビューに頷きまくってます。


ミニシアターの敷居の高さに屈しなかった自分に拍手!!


魅力1:サスペンスであり、コメディでもある


前情報ではかなーり不気味な印象だっただけど「サスペンス」&「コメディ」のジャンルに分類されている本作。


わざとらしく面白おかしいことをやっているわけではなくて、シリアスなシーンで挟まれるちょっとした一言とか仕草とか「うわーこういう人いる!!」っていうあるあるネタ芸人を見ているような感覚に近い、押しつけがましくなくて不意を突かれるシュールな笑いが心地いい。

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渋谷アップリンク(ミニシアター)で見たんですが、教室くらいの広さの部屋に簡易的な椅子が並べられた小さい劇場なので一人が笑うとあっという間に笑いが伝染。

ミニシアターって今まで敬遠してたけど、なんかあの一体感いいなあって思いました。
(上映中にトイレ行くことは割と自殺行為なので気を付けてくださいね)


魅力2:人殺しの映画なのに共感できる。考えさせられる。


(以下ちょっとだけネタバレです)

主人公・和彦は普通の従業員として雇われたのですが、たまたま殺しの現場を目撃してしまったことでその片棒を担がされることに。

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普通だったらぜっったい嫌じゃないですか。怖すぎませんかこの展開。
ここからどう逃げるんだろう…と思っていたら報酬(兼口止め料)の大金を渡され、和彦まさかの大歓喜。

労働の対価として受け取った報酬は和彦に大きな自信を与え、おしゃれして女の子をデートに誘ってみたり、みるみる社交的になる和彦。

これまで定職にもつかず人付き合いもろくにせず「俺ってなんで生きてるんだろう…」というぼんやりした深~い闇を抱えていた和彦にととって
たとえそれが「人殺しの手伝い」であったとしても、はじめて自分の存在価値を証明してくれる大切な仕事。

この意表を突く展開がとても印象的でした。

そもそも働く=お金をもらうこと以上にやりがいとか自分の存在意義につながるものでもあって、それはどんな仕事にも共通すること。

その仕事というのが「人殺し」という点を除けば和彦の反応は普通のこと。かもしれない。


話の主軸は「人殺し」だけど仕事をする上での人間関係の悩みや嫉妬、出てくる問題は日頃私たちが悩んでいるのとまったく同じこと。
和彦をはじめ、とにかくいろんな価値観・バックボーンを持つ登場人物が出てきます。

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時には共感もできるし、「こういう考え方もあるなあ」と考えされられたり。
設定こそ恐ろしいものの蓋を開けてみれば誰でも一度は考えたことのあるようなテーマがつまっていて…

まさか人殺しがテーマの映画にこんなに共感するとは!って感じでした。


魅力3:役者陣がスゴすぎる!

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主人公を演じるのは本作のプロデューサーでもある皆川暢二さん。
元はとてもとても顔の整った方なんですが、「和彦」になった途端にすごーく気持ちが悪い。。(褒めてます)

その他にもクラスに一人はいそうななぜかモテるあざとい女子、一見チャラそうだけど陰のある男、極悪人のヤクザとその愛人(フィリピン人)等。


本当にこの人実在するのでは?というほどリアルで味のあるキャラばかり。役者さんたちの素の姿を見るとギャップに驚きます。演技力の高さよ。。

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元のイメージが一切ないので新鮮な気持ちで作品に向き合えるのはメジャーな俳優さんが出ていない作品の魅力ですよね。
(ちなみに私は圧倒的「マツモト」推し。作品を見た人とマツモトの魅力を語りたい!!!!)



私のへたくそなレビューではこの映画の魅力の5%も伝えられてないと思うのでとにもかくにも見てほしい。
もしくはYouTubeに秀逸なレビューがたくさんが上がってるのでぜひそちらを。

都内だと渋谷・吉祥寺のアップリンクというミニシアターのみでの上映でしたが口コミで評判が広がり、どんどん上映場所が増えているそう。

今年の「カメラを止めるな!」枠ともいわれているのでロングランが期待できそうが、せっかくだったら今見て、話題になったところでドヤ顔したくないですか?


ということでまだ見てない方、今のうちです!


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